トップページにみる日本のウェブデザイン--MySpaceが利用者の顔を載せる理由

長谷川恭久
2008-09-25 19:59:01
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 前回は、日本独自の発展を遂げているMySpaceとリニューアルの概要について、マイスペース 事業企画部の筑田大介氏と、同クリエイティブ・ディレクターの加治徹雄氏に話を聞きました。

 今回は具体的にどのようなプロセスを踏んでリニューアルが行われたのか、海外版のMySpaceと比較しながら違いと共通点を紹介していきます。

Adaptive Pathが手がけたUXデザイン

 海外版MySpaceは、ユーザー・エクスペリエンス・デザインに定評のあるAdaptive Pathが手がけました。

 Adaptive Pathはローンチの半年以上前からプロジェクトに参加し、サイト構築前にユーザーテスト、フォーカスグループを集めたインタビューをはじめ、様々な調査を行ったそうです。

 そうして集めたデータを元に、MySpaceのデザイナーとエンジニアと協力しながら開発したのが、今回のサイトデザインになります。

 日本版MySpaceでは海外版のときのような調査を実施せず、製作期間も長く設けていません。また、海外版ではトップページをはじめ、他のチャンネルでも統一したデザインを採用しているのに対し、日本版ではチャンネルごとにデザインを変え、それぞれの個性を引き立てるアプローチをとっています。

 情報の配置の仕方にも「お国柄」が出ているのではないかと、加治氏は指摘しています。例えば海外版では大きな画像を使ったり、複数のカラムを用意したりなど、情報に強弱を付ける傾向があるのに対し、日本版では多くの情報を同等に扱って、全体的に調和のとれた見た目になっています。

Adaptive Pathのスタッフブログに、MySpaceのリニューアルに関する記事が掲載されている。ブログでは多くを語っていないが、リニューアルに関する記事へのリンクをたどると、詳しい情報を読むことができる Adaptive Pathのスタッフブログに、MySpaceのリニューアルに関する記事が掲載されている。ブログでは多くを語っていないが、リニューアルに関する記事へのリンクをたどると、詳しい情報を読むことができる

ユーザー=作り手という距離

 日本と海外ではデザインプロセスとそのアプローチが異なりますが、共通点もいくつかあります。

 Adaptive Pathは数々の調査やインタビューを行ってはいるものの、携わったメンバーはMySpaceのユーザーで、自分たちの体験をサイトデザインに反映したそうです。

 同じように、加治氏も自身がMySpaceユーザーだったことが、入社のきっかけになったといいます。また、彼のチームメンバーも仕事としてだけでなく、プライベートでもMySpaceと関わりをもっています。

 ユーザー視点であるためには、まずは自らユーザーでなくてはいけない――これはサービスサイトを構築する上で重要な点といえるでしょう。

リニューアルを支えたのはトップのビジョン

 レイアウトへの反映の仕方はそれぞれ異なりますが、日本版も海外版も「すべての情報をトップページに置く必要はない」という考えの元にデザインされています。特に海外版は15チャンネルあり、リニューアル前はすべてを横一列のナビゲーションバーとして陳列していましたが、リニューアル後は半分の7つに減り、残りはプルダウンメニューに移動しています。

以前の半分に絞られたチャンネル。「More」をクリックすると残りのチャンネルが表示され、各コンテンツへアクセスできる 以前の半分に絞られたチャンネル。「More」をクリックすると残りのチャンネルが表示され、各コンテンツへアクセスできる

 日本版は海外に比べてチャンネルが少ないので、同様のアプローチをとっていません。しかし、すべての情報の掲載を避け、日本人ユーザーが特に利用しているクリエイティブやミュージックチャンネルにフォーカスした構成になっています。

 必要な情報を必要なだけ掲載するのは、情報を隠していることと同じ意味ではありません。

 情報を絞り込むことによって利用者が必要としている情報が見つけやすくなります。また、そのページに情報がなかったとしても、どこに何があるのか(あるかもしれないのか)を発見しやすくするための明確な導線さえあれば、すべての情報を掲載する必要がなくなります。

 どの情報をトップページに残すのか決断する際も、マイスペース代表取締役である大蘿淳司氏の、クリエイティブやエンターテイメントに強いサイトにするというビジョンが、構築プロセスをブレないものにしたと加治氏は言います。

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