トップページにみる日本のウェブデザイン--Yahoo! Japanは「社会の縮図」

冨田秀継(編集部) 長谷川恭久
2008-08-07 21:21:01
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ワンクリック先には「いつものYahoo!」

 海外版にはない「お気に入り」機能も実装しました。これにより、自分がよく使うサービスを登録してすぐにアクセスできるだけでなく、矢印ボタンでお気に入りエリアをサービス一覧の上に移動することも可能にしています。データでサポートしきれない部分は、独自の機能を実装して利用者を補助しているのです。

 また、利用者だけでなく、表示されていない他サービスへの補助も同時になされています。海外版では「More Yahoo! Service」というボタンをクリックすると、Yahoo!が運営する他サービスの一覧ページへ移動しますが、日本版ではリニューアル前からある「買う」「知る」といった目的別にカテゴライズされたサービス一覧が、ページ移動することなくその場で見れるようになっています。

開閉式になっているYahoo! Japanサービス一覧パネル。次のページへ移動することなく、その場で閲覧できる 開閉式になっているYahoo! Japanサービス一覧パネル。次のページへ移動することなく、その場で閲覧できる

 サービスの見せ方が大幅に変わったYahoo!トップページですが、ワンクリック先には利用者に馴染み深い従来の見せ方がきちんと用意されているわけです。

「最高の妥協点」というバランス感覚

 ページ右側の情報のアプローチも、海外版と日本版では異なるやり方をとっています。

 海外版ではメールや天気といったパーソナライズ機能の下に広告があるのに対し、日本では広告とパーソナライズの順が逆になっています。また、パーソナライズ機能の見せ方も、海外版ではマウスオーバーで詳細がみえる形式をとって場所を節約しているのに対し、日本では何もアクションを起こさなくても一望できるようになっています。

 海外版のパーソナライズ機能はコンパクトに収まっているので、ファーストインプレッションでその下にある広告も見えるというメリットはありますが、毎回マウスオーバーしないと詳細を把握できないため、使いやすいかどうか意見が別れるところです。また、海外版の広告スペースは自社サービスへの誘導がほとんど。様々な広告が掲載される日本版とは重要度が異なります。

 日本版ではCMをはじめとした他の媒体の広告を流用できるように、以前にはない大きさの広告スペースを用意し、場所も海外版より目立つ場所に配置して広告主への配慮がなされています。

日米Yahoo!のパーソナライズ枠の比較 以前は細長く小さな広告バナーだったのに対し、Yahoo! Japanでは高さを十分にとって文字情報だけでなく画像も入れやすいかたちになっている(左)。米国のデザインに比べると情報が多く掲載されているが、マウスオーバーなどのアクションとることなく情報を得られるというメリットがある

 要望があるからといってすべての声を反映させては、トップページのコンセプトが明確にならないばかりか、情報過多で使い難いページになってしまいます。そのため、西田氏が言う「最高の妥協点を見つける」ことが実装を決定する上で重要になってきますし、それを見つけるためにユーザーテストは欠かせない存在だといえます。

  • コメント(1件)
#1 tomita   2008-08-11 20:13:37
builder編集部の冨田です。いつもご愛読頂きまして、ありがとうございます。
本記事に訂正個所がございます。

3ページ目冒頭に堀邦明氏を紹介する部分がありますが、
事実と異なる説明でしたので、下記の通り修正いたしました。

「マークアップを担当している堀邦明氏によると」

「JavaScriptやPHPの開発を担当した堀邦明氏によると」

ご迷惑をおかけしました読者の皆様ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。
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