Firefox 3をきっかけにHTMLの進化が再開する--私たちのFirefox 3

杉山貴章(オングス) 冨田秀継(編集部)
2008-06-23 13:40:01
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2 Firefox 3でHTMLの進化が再開する

 第1回からここまで、ユーザの視点、そして開発者の視点から見たFirefox 3について取り上げてきた。では、Webデザイナーの視点から見たら、Firefox 3では何が変わったのだろうか。中野氏は次のように指摘する。

 「まず言えるのが、求めるデザインをより正確に表現できるようになったということです。例えばURLの折り返し問題にも対応しましたし、HTMLやCSSをはじめとしたW3C勧告もより正確に解釈されるようになっています」

 URLの折り返し問題とは、従来はURL文字列の途中では改行されないため、文章中に長いURLが含まれているとレイアウトが崩れてしまっていた。Firefox 3に採用されたGecko 1.9では改行の処理を全面的に見直し、適切な位置で自動的に改行し、かつ意図しない場所では改行が発生しないように細心の注意が払われている。これによって、改行の有無によりレイアウトが崩れる危険性が格段に減少している。また、これと同時にソフトハイフン(­)もサポートされるようになった。

 改行処理については中野氏がMozilla Japan ブログのエントリ「Firefox 3 の修正内容のご紹介 その2 ― IE 独自拡張 CSS: ime-mode プロパティのサポート」でも言及しているので、本稿と合わせて参考にしていただきたい。

 W3C勧告の正確な解釈という点では、Acid 2テストに合格したことがそれを証明している。Acid 2はウェブブラウザが標準規格をどの程度正しく実装しているのか調べるためのテスト。現在はより厳しいAcid 3テストへの対応を進めているという。

Acid 2テスト結果 - Firefox 2ではこの表示が大きく崩れる Acid 2テスト結果 - Firefox 2ではこの表示が大きく崩れる

 デザイン性の面では、すでに第1回「私たちのFirefox 3--今度のキツネはやっぱり爆速だった」でも書いたように、SVGやCanvasとの互換性が向上しているほか、テキスト表示が改善され、より複雑なフォントも処理できるようになっている。HTML5の要素も取り込まれており、PNGのアニメーション版であるAPNGCMYK/YCCK形式のJPEGをサポートするなど画像関係の機能も向上している。

参考:FirefoxとSafariのCSS徹底検証

 浅井氏によれば、「デザイン面におけるFirefoxの目標はFlashに頼らなくてもWebページがデザインできるようにすること」だという。これは「RIAプラットフォームに頼らずに」という前回の話とも共通することだ。

 「やはり特定の企業の技術に頼らなくてはいけない状況というのは、ユーザビリティの問題の原因になります。本来は、インターネット全体で共通のルールで使えるようにするべきなのです。しかしこれまでのHTMLではそれが不可能であり、その結果としてFlashなどの技術がこれだけ広く使われるようになったわけですが、Firefox 3をきっかけとしてHTMLが進化を再開すると思います」(浅井氏)

 Firefoxがインターネットの進化を後押しする。心強い言葉である。


 最終回となる次回では、Firefoxそのものの進化、すなわちFirefox 3.1やFirefox 4の動向について紹介しよう。

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