LPI-Japan、HTML5プロフェッショナル認定試験を開始

加山 恵美
2013-12-04 12:02:00
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 特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-J)は12月3日、「HTML5プロフェッショナル認定試験」の概要と受験予約開始を発表した。受験予約は試験センターのピアソンVUEで申し込める。2014年1月1日から受験できる。実質的には試験センターの営業開始日次第なので早くても1月6日以降が多そうだ。

 記者会見は鮮やかなオレンジ色のネクタイをしめたLPI-J理事長の成井弦氏が映画の話から切り出した。映画『アバター』や『タイタニック』などの監督で知られるJames Cameron氏はCGを効果的に作品に取り込むなどしてヒット作を生み出している。クリエイティブな世界からITの世界へと足を踏み入れた人物でもある。一方、AppleのSteve JobsはITの世界からクリエイティブな世界へと影響を与えた人物だ。


LPI-J 理事長 成井弦氏

 両者を対比しながら成井氏は「クリエイティブな能力とITの能力の融合が新しい世界を創る」との見方を示した。IT業界に照らし合わせれば「ウェブデザイナーとウェブプログラマーと分けて考える時代は急速に古くなる」とも語った。

 ウェブページの技術に目をやると、表示に用いられているHTMLは近年HTML5化が進んでいる。HTML5はリッチなコンテンツを表現でき、PC以外のスマートフォンやカーナビなど多様なデバイスでも利用しやすい。成井氏は「ワンソースでマルチユース、マルチデバイスが可能」と利点を挙げた。

 海外の求人サイト「indeed」におけるジョブトレンドを見ると、HTML5の求人のマッチング割合が近年急上昇しており、今ではトップに君臨している。それだけHTML5スキルの需要と将来性が見込まれている証とも言える。2016年にはHTML5搭載のモバイル端末は21億台になるという予測(ABI Research)や、同じく2016年までに企業向けモバイルアプリは過半数がHTML5を用いたハイブリッドアプリになると予測(Gartner)もある。

 HTML5のスキルはITプロフェッショナルにとって必須となりつつあるのは確実。こうした背景もあり、LPI-JはHTML5の技術者認定試験へと踏み込んだ。

 LPI-Jは、Linuxの技術者認定試験「LPIC」、PostgreSQLを中心としたオープンソースデータベースの技術者認定試験「OSS-DB」などを手がけてきた。しかしHTML5試験はこれまでの試験とは違う側面がある。

 まずは技術的な領域。Lunuxもデータベースもサーバで使われる技術であるのに対して、HTML5はウェブページに使われる技術である。加えてLPI-Jが初めて取り組む、前例のない試験になる。

 LPICは海外発であり、OSS-DBも前進となるPostgreSQLの技術者試験があったのに対し、今回のHTML5試験はLPI-Jが中心となりスクラッチから開発することになる。つまり日本発の試験と言える。だが、試験開発のプロセスはLPICのスタイルを踏襲し、オープンコミュニティで開発していく。


LPI-J 理事 鈴木敦夫氏(NECソフト 執行役員)

 試験の内容についてはLPI-J理事で、試験開発ワーキンググループのリーダーを務めたNECソフト 執行役員 鈴木敦夫氏が説明した。試験は今のところレベル1~3の難易度で分けた構成を予定している。イメージとしてはLPICに近い。

 2014年1月から受験できるのが「HTML5 Professional Certification Level1 Exam」(レベル1)、次段階となる「HTML5 Professional Certification Level2 Exam」(レベル2)は現在策定中。さらに上位のレベル3は構想中ではあるものの、組込系やゲーム開発、ブラウザ上で3次元のグラフィックスを表示させる「WebGL」などの専門分野に分かれるような形で計画されている。

 受験者からすると、まずは年明けから試験開始となるレベル1とそれに続くレベル2が目下の目標となるだろう。

 レベル1は所要時間90分、出題数は約60問、受験料は1万5000円。主に「HTML5を用いて静的なウェブコンテンツを作成できる」「スマートフォンや車載システムなど多様なデバイスに対応したコンテンツを作成できる」ことなどが想定されており、出題範囲はウェブの基本知識、CSS3などの可視性、要素などであり、JavaScriptはほとんど問われない模様だ。

 レベル2では動的でリッチなUIを持つアプリケーション開発や高いパフォーマンスで動作するサイトのためのスキルが求められることになりそうだ。詳しい出題範囲は試験のオフィシャルサイトに掲載されている。

 試験開始前だが、10月に実施されたベータ試験では定員を大幅に超えるなど受験者からの注目度は高い。最新の「Webデザイナー白書」によると、当試験がリリース前であるにもかかわらず、早くも「取得したい資格」の1位に躍り出ている。LPI-Jでは初年度の受験者数を1000人、3年目の受験者数を1万人としている。

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