Adobe Creative Cloudのスタートで何が変わるか

杉山貴章(オングス)
2012-04-26 17:48:00
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ついにCreative Cloudがスタート

 Adobe Systemsが5月11日に新しいクラウドサービス「Adobe Creative Cloud」をスタートさせる。

 Creative Cloudは、同社が提供する各種クリエイティブツールを中心に、クラウドサービスやオンラインコミュニケーションサービスを連携させて利用できる統合ソリューション。2011年10月に発表され、半年の準備期間を経て、4月23日に具体的なサービスインのスケジュールや価格体系などが発表された

 Creative Cloudのメンバーは、以下に挙げる「Creative Services」「Creative Apps」「Creative Community」の3種類のサービスを利用することができる。

Creative Services

  • 20GBのクラウドストレージ
  • デバイスとPCの同期サポート
  • Business Catalyst(Starter Edition相当のWebホスティング機能)
  • Typekit(Personal Edition相当)
  • Digital Publishing Suite(DPS) Single Edition(2012年夏に追加リリース予定)

Creative Apps

  • Creative Suite 6のMaster Collectionに含まれる全ての製品
  • Touch Appsとして提供されている6種類のタブレット端末(Android/iOS)向けアプリケーション
  • Edgeプレビュー版(正規版は2012年夏リリース予定)
  • Museプレビュー版(正規版は2012年夏リリース予定)
  • Lightroom(2012年夏に追加リリース予定)

Creative Community(2012年下半期に追加リリース予定)

  • 制作したコンテンツの共有をサポートするコミュニティ機能
  • オンライントレーニング
  • より充実したオンラインサポート

Adobeの狙いは何か

 Creative Cloudのメンバーシップは、月額5000円(年間プランの場合)からのサブスクリプション形式で提供される。これまでのAdobeのクリエイティブ製品は、単体でのパッケージ形式の販売と、目的に応じたスイート製品としての販売が中心になっていた。サブスクリプションモデルの導入は大きな方針の転換と言える。

 なぜAdobeは自社のビジネスモデルを大きく変えるほどの思い切った戦略を打ち出したのか。端的に言ってしまえば、時期を決めて全製品を一斉にリリースする従来のような方式が、昨今の市場の変化速度に合わなくなってきたからだろう。デザイナーやソフトウェア開発者は、常に最先端のトレンドを追っていなければならない。したがって、そのデザイナー・開発者を的確にサポートするツールも、短いスパンで新しい価値を提供し続ける必要がある。

 もちろん、クラウドという新しい要素がそこに大きな影響を与えることは間違いない。Adobeのビジョンには、単にツールを提供するだけでなく、製品やビジネスのライフサイクル全体に渡ってデザイナーや開発者をサポートすることが含まれている。しかしながら、あくまでも筆者の個人的な感想ではあるが、クラウド統合による新しい価値の創出という点ではまだもう一歩手が届いていない印象を受ける。ツールや端末の種類を越えた同期や共有のサポートは確かに魅力的な機能ではあるものの、“Adobeならでは”というカラーを押し出せてはおらず、ユーザーの興味もクラウドの価値より価格体系の方に向かってしまっている。

 ツールベンダーとしての実力を生かしてもう一歩突き抜けた価値の創出に期待したいところだ。

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