
ブラウザエンジンの新潮流「WebKit2」
Google Chromeとの相違点
プロセス分離によるアプローチは、すでにGoogle Chromeで採用されている。Google ChromeはHTMLレンダリングエンジンにWebKitを採用しており、ソースコードも公開されているため、Google Chromeの成果が取り込まれたかと早合点しそうになるが、そのデザインは大きく異なる。
最大の違いは、プロセス分離モデルがフレームワークレベルで実現されていること。Google Chromeは、アプリケーションレベルでプロセス分離を実現(プロセス分離されていない従来モデルのWebKitを採用)しているため、他のアプリケーションで再利用することは難しいが、WebKit2ではそれが可能となる。
システムにおける位置付けも異なる。WebKit2では、それ自体にプロセス管理機能を実装し、外部アプリケーションでも活用可能な「Webコンテンツエンジン」としての地位を目指しているという。Appleが現行のWebKitを採用するサードパーティー製プロダクトに配慮したとは考えにくいが、WebKitというエンジンを通じてブラウザ分野での影響力を確保しようという戦略は今後も継続されると考えていいだろう。

ブラウザとしての機能検証は当分先
WebKit2のソースコードは、すでにWebKitプロジェクトのTrac/SVNサーバで公開されている。svnクライアントを利用してダウンロードすればコンパイルすることは可能だが(下記参照)、APIの互換性が一部失われているため、現行バージョンのSafariでは動作しない。近々簡易ブラウザソフトが追加されるそうなので、Safariおよび現行WebKitとの動作比較は、もうしばらく先のことになりそうだ。
ところで、WebKit2のリリースにあわせ、JavaScriptベンチマークツールの「SunSpider」がアップデートされた(SunSpider 0.9.1 JavaScript Benchmark)。ここ数年で高速化が進んだJavaScript処理系に対応、比較しやすく調整したもので、テスト時間の短縮も図られている。まずはこちらをチェックしてほしい。
WebKit2をビルドする手順(Mac OS X 10.6.3/Xcode 3.2.2でテスト)
$ svn checkout http://svn.webkit.org/repository/webkit/trunk WebKit2 $ cd WebKit2 $ WebKitTools/Scripts/build-webkit --webkit2
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