Enterprise 2.0の視点から見た「Google Wave」(前編)

文:Dion Hinchcliffe(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2009-06-10 08:00:00
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 Googleは米国時間5月28日、報道機関とブログ界の双方に向けて「Google Wave」を華々しく発表した。なお、実際のリリースは数カ月後に予定されている。

 Google Waveの開発には、大成功を収めているGoogle Mapsの開発者が数多くかかわっている。そして、Google Waveが披露された28日の基調講演は、ZDNetのSam Diazによると、ITカンファレンスには珍しく、総立ちの拍手喝采で終わりを迎えるほど聴衆の心を掴んだという(関連英文記事)。Google Waveにはフラット、かつシステムの垣根を超えた連携が可能となるような(フェデレーションフレンドリーな)設計が採用されており、これによってコミュニケーションやコラボレーションのための完全にオープンなエコシステムの構築が可能となっている。なお、こういったエコシステムの構築は、デジタル時代におけるコミュニケーションの在り方を変革するものとしてGoogleが2009年頃から大々的に売り込んでいるものである。

 こういった変革は容易なことではない。しかしGoogleは、現代のように単一の企業がインターネットにおける新たな標準やテクノロジを確立することが困難になってきているなか、そのビジョンを具現化するうえでの十分な材料を提供したのだ。Google Waveの全貌はまだ明らかになっていないとはいえ、2009年後半に一般リリースされた暁には、中小企業からも大企業からも注目を集めることになるだろうと言えるだけのオープンかつ興味をそそるものとなっている。

Google's New Community-Driven Social Media Format: Waves

 ブログやwiki、ソーシャルネットワーク、Twitterに代表されるソーシャルメッセージング、マッシュアップといったことを実現するWeb 2.0アプリケーションの多く(初期のものも現在のものも含め)は、登場以来数年経っているにもかかわらず、未だ職場に浸透していない(しばしば苦戦している)という現状に目を向けた場合、大企業がGoogle Waveに目を向けるのは時期尚早であると感じられるかもしれない。しかし、2.0のツールが職場に浸透し始める転換点にようやく達したという状況を考えると、少なくともGoogle Waveの意味することを理解するために、その動向を注視しておく必要があると考えられるのである。

 ここで実際に考えておくべきことは、Google Waveといった新しいものを必要とするほど、Webを主体にした現在のコミュニケーション形態では満足できないニーズがあるのかどうかということである。また、Googleは大企業市場よりもコンシューマー市場を重視する傾向にあることを踏まえた場合、Google Waveが企業に対して本当にそれほど大きな影響を与えるものなのかということも考えておくべきだろう。興味深いことに、こういったことを考えてみると、あなたにとって意外なことが見えてくるかもしれないのだ。では、以下に詳しく見てみることにしよう。

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