
モジラ、「Test Pilot」プログラムの対象をFirefox以外にも拡大へ
「Firefox」の開発を進める非営利団体のMozilla Foundationは、将来実施する予定の「Test Pilot」というプログラムの対象を拡大しようと計画している。このプログラムによって開発者らは、Firefoxの利用形態に関する詳細な情報だけではなく、「Thunderbird」を始めとするそのほかのプロジェクトの製品についての情報も収集することができるようになる。
Mozillaは2008年3月にTest Pilotを発表した際に、これは技術に詳しいアーリーアダプターからだけではなく、Firefoxユーザー全体の1%にあたるユーザーから、利用形態に関する情報を収集するためのプログラムだと説明していた。MozillaのAza Raskin氏は米国時間1月20日、Test Pilotの詳細を明らかにした。しかし、現時点ではプロジェクトリーダーを募集している段階であるため、まだコンセプトに留まっているという。
「ユーザビリティに関する調査手段を必要としているのはFirefoxだけではない。Thunderbirdも必要としている。また、SeaMonkeyも必要としている。さらに、すべてのMozilla Labsプロジェクトも必要としている。Test Pilotはあらゆるユーザビリティのテストを可能にするプラットフォームであり、最初はFirefoxのアドオンとして導入される」(Raskin氏)
Test Pilotは、データを常時記録するのではなく、オンデマンドで記録するシステムになる。これは特定の疑問が出てきた場合に、その疑問に答えることのできる必要最小限のデータをMozillaのサーバに送り返すようなものになる。このようにして収集されたデータはオープンなかたちで共有されることになっている。
このようなプログラムにおける大きな問題としてプライバシーがある。Raskin氏はこの問題について次のように述べている。
セキュリティとプライバシーは、ユーザーのデータを取り扱う際に最も重要なものである。Firefoxと同様に、Test Pilotも必ずユーザーのプライバシーを尊重することになる。データは匿名データの集合体のかたちでのみ報告され、個人を特定できる情報はすべて排除される。透明性も組み込まれており、収集されたデータはすべて一般に公開されるようになる。
とは言うものの、匿名化されたデータからでも個人を特定することができる。実際に、AOLが研究者らに公開した検索データは、名前が削除されていたものの、一部の人物を特定できるだけの情報を含んでいたのである。この件では、AOLの最高技術責任者(CTO)の他に2人の社員が職を失っている。
しかし、Test Pilotでは、個々のデータではなく、集合データのみを公開する予定であるという点が大きな違いとなっている。Raskin氏は「われわれは、匿名集団からのデータを収集するだけであり、すべての結果をオープンコンテンツライセンスの下で公開し、すべてのテストにおいてユーザーのプライバシーが守られていることを検証する」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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