Firefoxアドオンの未来と課題を考えてみる

大野晋一(編集部)
2008-06-26 20:44:01
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 アドオンによる拡張はFirefoxの魅力のひとつ。しかし、このアドオンも完璧ではない。26日に来日した米国Mozilla Corpの新CEO、John Lilly氏は、このアドオンに少なくともふたつの問題があると指摘する。

 同氏の指摘する問題とは開発の難しさとローカライズの困難さだ。

 builderの読者であればFirebugやGreasemonkeyといったアドオンをインストールしている方も多いだろう。過去にFirefoxアドオンを紹介する連載を掲載したときにはものすごい人気があった。John Lilly氏も「一度使うと離れられないほど人々のWeb体験と密接に結びつく。非常に"Sticky"(粘着性の高い、つまり離れられない)なものだ」と語る。

 アドオンを開発する際の主な作業は、XULと呼ばれるXMLとJavaScriptの記述(Mozillaのサイトに詳しい)。どちらもWebで標準的に用いられる技術でありWeb開発者であれば作成は容易だ。しかし、Mozillaは満足していない。「開発が難しいというのはアドオンの欠点の一つだ。現在、Mozilla Labsのプロジェクトとしてこの問題の解決にあたっている」(John Lilly氏)。

 プロジェクトの名前や内容は具体的には語られなかったものの、Mozillaとしてはアドオンを、より広い層が開発・提供できるものにしたいと考えているようだ。プログラミングやXMLの記述が全く必要ない環境が整えられ、開発者ではないエンドユーザーがニーズに応じてFirefoxを自由に拡張できれば、Firefoxはプラットフォームとしてより魅力的な物になるだろう。

 また、同氏はローカライズの問題も指摘する。多くのアドオンが英語で提供され、翻訳が進まないことについて、Mozillaとしては開発者の呼び込みと技術的な整備の両方から対処したいと語る。国内においてはMozilla Japanが中心になり、コミュニティへの呼びかけを行いながら解決したい考えだ。

 筆者としてはもうひとつ、アドオンの流通に関する問題を指摘したい。「こんな機能を持つアドオンがほしい」と思ったときにそれを発見する環境が整っていないと感じる。実際、多くのユーザーはブログやニュースサイトなどの紹介記事を頼りにアドオンを発見し、インストールしているのではないだろうか?

 Mozillaもこの問題に対して、Firefox Add-onsというサイトを公開し、アドオンの紹介を行っている。また、Firefox本体にもアドオンを検索しそのままインストールする機能が統合されている。今後これらの機能やインターフェースがさらに充実することを望みたい。

 John Lilly氏に「iPhoneのApp Storeのような一元的な流通チャネルをMozillaが用意して管理しては」と提案してみたが「それはMozillaの”オープン”を重視するやり方に反する」と否定、代わりに「バンドルは有効なやり方の一つだと考えている」と語った。つまり、あるサービス提供者が自社のサービスを便利に使うために必要なアドオンをまとめて提供するわけだ。たとえばFacebookがFacebookの閲覧やFacebookアプリケーションの開発に便利なアドオンをまとめて配布するといったことが考えられる。

 アドオンはFirefoxの競合優位性に大きく寄与している。これまでのコアユーザーだけでなく一般ユーザーもこの恩恵を簡単に享受できる環境を是非望みたい。もちろん、Mozillaならではのオープンなやりかたで。

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