
「Firefox 3」をウェブ制作者の視点で見る
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
筆者はCNETのZDNet担当ウェブ制作者であり、2007年11月からMozillaの「Firefox 3」のプレリリース版をテストしているが、最終版が多くのユーザーに受け入れられることを願っている。その理由を説明しよう。
Firefoxバージョン3は、新しい「Gecko 1.9」レンダリングエンジンがベースになっており、安定性やスピードが向上している。新バージョンのGeckoでは、JavaScript 2との互換性が高まり、XULアプリケーションのサポートも強化されている。依然としてHTML5およびCSS3を完全にサポートするには至っていないが、JavaScript開発者はより高度なプラグインを作成できるようになる。例えば「FireFTP」や、「Flickr Uploadr」の進化版が挙げられる。このバージョンでは、アップローダをブラウザシェルとして組み込める仕様となっている。
Firefoxのメモリリークは完全には修正されていないが、Mozillaは、キャッシュ方法、タイムアウトのリファクタリングを行ったと述べている。最新のRC版では、クラッシュ回数が激減していた。
Firefox 3はこれまでよりも速くハイパーテキストコードを読み取り、理解する。Acid 2テストを見事に通過し、Acid 3でもポイントが大幅に向上している。

Acid 2でのFirefox 2とFirefox 3の比較。これは、ブラウザがウェブ標準規格をどの程度正しく実装しているのか見るためのテストである。
JavaScript、DOM規格をテストするAcid 3は、Acid 2よりもずっと厳しいブラウザテストである。最新版のFirefoxの成績は17ポイント上昇したが、依然として「Safari 3」の75/100には及ばなかった。

Firefox 3はFirefox 2よりも複雑なフォントを処理でき、画像表示能力が向上している。SVG(Scalable Vector Graphics)との互換性が向上し、オフラインブラウジングのサポートが強化されている。HTML5要素が組み込まれ、CSS3ルールのさらなるサポートが追加されている。
開発者がFirefoxのすばらしさを実感する点の1つが、ナイトリーリリースのスケジュールだ。日々、新バージョンが求められている現在、オープンソース開発者たちはしっかりとした製品を構築する必要がある。制作者である筆者は、ブラウザ開発が今どの段階にあるのか、何が実際に使えるのか、なぜ問題が発生しているのかを目の当たりにしている。
これらのアップデートについて言えば、2008年末までに登場する予定の「Firefox 3.1」が楽しみである。開発コード名は「Shiretoko」となっている(現在、アルファ1版をダウンロードできる)。Firefox 3.1では、CSS3のサポート、XHR(XMLHttpRequest)とのネイティブ統合がさらに強化される。CSS3のサポートが強化されれば、これまで不可能だった最新のデザイン要素をサポートできる。XHRが強化されれば、Ajaxアプリケーションがよりスムーズに動作する。最初はこれらの簡単な修正に気づかないかもしれないが、ウェブアプリケーションはより高速で信頼性の高いものになるはずだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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