ウェブクリエイションの業界・人・情熱--パソナテック 10周年イベント

笠井美史乃
2008-06-16 12:35:01
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Webと人との関係

 自分たちが作るWebは人とどう関係があり、それは今後どうなっていくのだろうか。2つめのテーマ「Webと人との関係」では、いまだに4大マスが優先される状況の中で考えるべきコミュニケーション戦略について、松岡氏が聞いた。

 福井氏は、仕事中心だったこれまでとは変え「今は自分の生活ができるペースに戻した」という。普通の人をどう察するか、タッチポイントをどう洗い出すか、「ウェブってスゴいだろと信じ切っている自分を捨てて、あるべきコミュニケーションを設計するのが基本ではないか」という考えによるものだ。

 北村氏の例えによると、Web制作者がウェブのことしか考えないのは「告知をしない自宅での焼き肉パーティー」のようなもの。その案件がどんなユーザーに対して何を伝えたいのか、「全部を知った上で理解しているのか、ウェブだけを考えているのかで、できてくるものが全然違う」(北村氏)。

北村健氏。ベースメントファクトリープロダクション代表取締役兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター 北村健氏。ベースメントファクトリープロダクション代表取締役兼エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクター

 北村氏の会社で最も求められるのはヒューマンスキルだという。人とコミュニケーションして相手を気遣うことを、社内でできずに表でできるはずがない。共有できる、確実に理解できるというステップを踏んで、ゴールに近づけることを考えることが、即ちクライアントとパートナーになることなのだ。充分に「機能する」ウェブを作るのは「人間力」だというのが北村流だ。

 松岡氏は「ニーズの源泉にどう近付くかが求められる。ウェブ制作に入る前の素地として、どういうコミュニケーションをしていくか」が重要だとまとめた。

 では、実際に現場に求められるスキルはどのようなものなのだろうか。グラフィックからウェブに転向して「勝手がつかめずにいる」というデザイナーからの声を松岡氏が挙げると、福井氏は「グラフィックは静止しているが、実はどう視線を動かすかという設計をしている。それがわかっていればウェブでも困らない」と回答。何を優先的に伝えたいのか見た瞬間にわかる、整理された設計をするために「全てをコントロールできているのか、という視線が必要」だと述べた。

 技術的な面では、制作ワークフローの中でひとつのタスクをこなす立場にあっても、「そこに居続けるだけでは何も変わらない。自分の横にあることにも興味を持つことで幅が広がる。ワークフローを疑うくらいの意識を持ってもいい」(福井氏)と言う。

 しかし、だからといって色々な技術を持てばトップクリエイターになれるかというと、そうも簡単にはいかない。「技術は手段でしかない」(北村氏)からだ。重要なのは「何がやりたいのかハッキリしている」こと。そのための技術は「金で買える」、しかし買うためには「絶対知っておかなくてはならない」ということだ。

 最終的に何をしたいのか、ゴールのイメージがないと勉強などできない。しかし勉強するべきことがはっきりわかっていればハンデを越えていけると、松岡氏は「転向組」に対する回答をまとめた。

Webクリエイターとしての情熱

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