
主要ブラウザの性能比較:IE、Firefox、Opera、Safari(前編)
Tim Berners-Lee氏がジュネーブに置かれた欧州合同原子核研究所(CERN)の各部門の間で情報の流れを促進することを目的に、CERNに対して世界初のブラウザであるWorldWideWebを提示した時には、これが情報時代の革命を引き起こすものになるとは少しも思わなかっただろう。今日では、ブラウザはおそらくもっとも広く使われているコンピュータアプリケーションだ。
しかし、ウェブブラウザによって実行されるタスクは大きく変わってきている。テキストと画像の表示に加え、現代のブラウザはJavaScript、DOM、JavaベースのプログラムのXMLなどの技術に対応する必要がある。Ajaxに馴染みがない人も、おそらくGoogle Maps、Google Mail、AjaxWriteなどでAjaxを使ったことがあるはずだ。あるいはFlickrやLast.fmなどのサイトもこの技術を徹底的に使っている。Ajaxはビジネス環境でも根を張り始めている。例えば、24SevenOfficeはウェブブラウザで動作するエンタープライズリソースプランニング(ERP)および顧客関係管理(CRM)ソリューションだ。これらのWeb 2.0技術の利点は、プラットフォームに依存しないことだ。Ajaxアプリケーションを実行するのに、特定のOSやプロセッサは必要としない。ただ、互換性のあるブラウザがありさえすればいい。
Web 2.0のアプリケーションやサイトは、ブラウザの性能に大きく依存する。ユーザーのDSL接続の速度が唯一の潜在的なボトルネックだという考えは大きな誤りだ。Ajaxアプリケーションの重要な部分はローカルで実行されるが、これはつまり、もし他の条件が等しければ、ブラウザの実行速度がユーザーの使い勝手を決めるもっとも重大な要素だということを意味している。Ajaxベースのビジネスアプリケーションでは、データはインターネット経由ではなくファイアウォールの内側からアクセスされるため、ブラウザの性能がますます重要になる。そのようなソリューションを利用している企業は、ブラウザの性能に注意を払うことで従業員の生産性を向上させることができるだろう。
テスト環境
Web 2.0技術を処理する際のブラウザの性能を検証するため、ここではiBench 5.0テストスイートと、JavascriptベンチマークであるSunSpiderを使った。
iBenchはHTML、XML、JavaScriptを処理する速度を計測することによって、ブラウザの性能を評価する。評価に使われるウェブページはローカルのウェブサーバーに置かれる。SunSpiderは(iBenchとは異なり)オンラインで入手可能で、JavaScriptの処理性能の評価に特化している。テストは9つの分野に分けられており、これには3D処理、ビット演算、暗号化、文字列処理などが含まれ、各分野には複数のテストが含まれている。それぞれのテストに対しベンチマークを複数回実施し、誤差範囲を計算する。
ハードウェアプラットフォームの速度は、明らかに重要な変数だ。今回のブラウザのテストは、Windows VistaおよびMac OS 10.5.2 Leopard上で行ったが、次のような構成のマシンを利用した。
マザーボード | Gigabyte GA-X38T-DQ6 |
メモリ | 1GB Aeneon Xtune DDR3-1333 ×4 |
プロセッサ | Intel Core 2 Extreme Q9650 (3.6GHz) |
ハードディスク | Seagate Barracuda 7200.10 750GB ST3750640AS |
グラフィックカード | ATI Radeon HD 2600 XT |
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