欧州のモジラ推進団体会長、プロプライエタリなウェブの危険性について警告

文:David Meyer(ZDNet.co.uk) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2008-05-12 08:00:00
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 Mozilla EuropeのプレジデントであるTristan Nitot氏は、ウェブサイトを構築する企業に対して、AdobeのFlashやMicrosoftのSilverlightなど、プロプライエタリなメディアテクノロジに注意すべきであると警告した。

 Nitot氏は英国時間4月29日、ロンドンで開催されていた「Internet World」カンファレンスにおいて、こういったテクノロジを保有する企業は「何らかの思惑を持っている」可能性があるため、インターネットの特徴であるオープン性が将来脅かされる恐れがあると主張した。

 Nitot氏は、現時点においてビデオといったコンテンツを安定して表示するにはFlashが欠かせないということを認めたものの、今後予定されているHTMLの仕様改訂によって、プロプライエタリなテクノロジを使用する必要はなくなるだろうと述べた。

 Flashは今や、マルチメディアコンテンツを取り扱うために多くのウェブサイトで使用されている。Nitot氏によると、Adobe Flash Playerは世界中のPCの98%にインストールされているという。なお、類似のテクノロジであるSilverlightも、Microsoftによって2007年にリリースされている。

 Nitot氏は「プロプライエタリなウェブの危険性」というテーマで基調講演を行った。同氏は現時点におけるウェブの性質をオープンなものだと表現したものの、「ウェブ上で実行されるプロプライエタリなソリューションが実権を握ろうとしている」と述べた。そして、特にFlashとSilverlightを挙げ、「人々は、ランタイム(コードを実行するブラウザのプラグインのこと)がベンダーによって提供されるということに依存している」と述べた。

 そしてNitot氏は「これまでのところ、問題はない」と述べ、「AdobeもMicrosoftも、(それぞれFlashとSilverlightを)無償で提供してきている。しかし、彼らは何らかの思惑を持っているかもしれない。彼らは栄誉を手に入れるためにこの市場にいるわけではない--金銭的利益のためにいるのだ」と説明した。MicrosoftもAdobeも現時点ではそれぞれ、開発者向けのキットを販売することで収入を得ている。しかしこの頃では、Flashファイルを作成するためのオープンソースツールの開発プロジェクトが多数存在している。また、Silverlightファイルを作成するためのオープンソースツールの開発プロジェクトも、Flashのプロジェクトほど成果を上げていないとはいえ活発に動いている。

 Nitot氏は、MicrosoftとAdobeが特定のプラットフォーム向けの製品を提供しなくなったり、開発を中止した過去の例を2つ挙げた。1つはMicrosoftがUnixおよびMac向けのInternet Explorerの提供を中止した件、もう1つはAdobeが「Linuxユーザーに対してFlashの最新バージョンを提供する」ことを長らく拒否している件である。

 同氏は、ウェブ開発者らがこういった企業に対して、「SilverlightあるいはFlashをすべてのプラットフォームにおいて提供し続けること、そしてそれがすべてのプラットフォーム上できちんと稼働することを保証できる」かどうかを問うべきであると提言した。

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