【特別対談】ネオジャパン齋藤氏×LPI-Japan成井氏 ビジネスのイノベーションを生み出す原動力とは何か?

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2015-10-16 15:30:00
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 累計ユーザー数316万人を誇るWebグループウェア「desknet's NEO」を開発するネオジャパン。同社では、オープンソースのLinuxやPostgreSQL、オープン標準のHTML5を活用して製品・サービスを開発している。その同社がどのように最新技術を取り入れ、技術者を育成しているのか、イノベーションを生み出し、ビジネスを拡大するにはどうすればよいのか、ネオジャパンの代表取締役社長 齋藤晶議氏とLPI-Japanの理事長 成井 弦氏の両氏にお話を伺った。

Webグループウェア誕生の背景


ネオジャパン
代表取締役社長
齋藤晶議氏

成井氏:desknet's NEOは累計ユーザー数が316万人、国内最大級といってよいと思いますが、その成功要因は、ずばり何でしょう。

齋藤氏:私は昔から新しいことに取り組むのが大好きで、グループウェアをブラウザーで動かせないかというのもチャレンジでした。前身製品であるiOfficeの最初のリリースが1999年。開発を始めた当時は、グループウェアと言えばNotesやExchangeといったC/S型が一般的で、PC1台1台にクライアントをインストールする必要がありました。Webベースの業務アプリケーションなんてほとんどなかった。唯一、米国のYahoo!がメール・サービスをやっていて「メールがブラウザーでできるのか」と正直びっくりしたんです。それでしばらく使ってみて、「これならスケジューラーや会議室予約なども作れるのでは」と考えたわけです。最初は必須の5機能くらいを作って提供を始めました。

成井氏:市場にない新しいタイプの製品を定着させるのは相当難しかったのでは?

齋藤氏:最初のころに使ってくれたユーザーは、情報システム部がしっかりしているところやIT系の企業が多かったですね。新しいものに関心が強くて、技術力もあるという企業です。そこから口コミでユーザーが増えていくようなかたちでした。desknet'sはサーバーにLinuxを採用していて、当時は商用ソフトウェアをLinuxに載せて動かすというのも珍しかった。Linuxのコミュニティにいる人たちが、Linuxを使った新しいビジネスモデルの可能性を感じてくれたという面もあったのだと思います。私たちはエンジニアの会社ですから、販売は得意じゃない。最初は直販もやっていたのですが、すぐに代理店販売に切り替えました。会社として開発に特化する道を選んだわけです。

ドラフト版の前からHTML5に着手

成井氏:16年もの歴史があるにもかかわらず、現在のdesknet's NEOは、HTML5を採用してマルチデバイス対応にも優れている。グループウェアのフルHTML5対応はかなり先進的な取り組みだと思いますが、どうやって最新技術を取り入れているのですか。


LPI-Japan 理事長
成井 弦氏

齋藤氏:それはもう試行錯誤です(笑)。インタフェースの大きな変化としてはAjax版がありますが、このときも国内には先行事例がなくて苦労しました。desknet's全体でやろうとすると大事になるので、最初はメール機能だけ切り出して試行錯誤してようやくかたちになった。ここで落ち着くかと思ったら、今度はHTML5の規格化の話が出てきました。ご存知のように、HTML5はアプリケーションが開発できるプラットフォームです。従来のHTMLとは枠組み自体が違いますから、HTML5を採用するとなるとインタフェースのコードは捨てる覚悟が必要で、サーバー側も改修が必要になる。でも大きな可能性があるのは分かってましたから、まだドラフト版が固まる前からHTML5への取り組みを始めました。

成井氏:そんな早い段階から取り組んでいたんですか。相当苦労なさったでしょう。

齋藤氏:動かないんですよ。サンプルコードみたいなものは動くのですが、商用製品となるといろいろなブラウザーで動かなくてはならないし、古いブラウザーにも対応する必要がある。そうしたコードはブラウザーによって動いたり動かなかったりの連続で。そこで、MicrosoftやGoogleなどのブラウザー開発者に話を聞きに米国まで行ったりもしました。日本法人には開発担当者はいないので聞いてもわからない。「それなら直接本人に聞きに行こう」というわけです。

成井氏:それは素晴らしいですね。でもブラウザーのメーカーがよく担当者を引きあわせてくれましたね。

齋藤氏:いや、直接本人たちにコンタクトを取るんです。各メーカーでブラウザーを開発している人たちは、W3CのHTML5仕様策定にも絡んでいるので、名前が表に出ています。そこで、FacebookやLinkedInなどを使って本人を見つけて直接コンタクトを取って。メールや電話でやり取りして、「話を聞きに行っていい?」「いいよ」という流れです。彼らと話してみると、みんな「これからはHTML5しかない」と口を揃えたように言うんです。どこがいいのか聞くと、「デバイスに依存しないこと」だと言う。そのころ、スマートフォンが普及し始めて業界はアプリ開発に夢中になっていましたが、HTML5にすればPCもスマートフォンも1つで対応できる。まだiPadが登場してないときでしたが、HTML5ならもちろんタブレット対応もできます。すでにHTML5への取り組みは始めていたわけですが、彼らと話してみて、マルチデバイス対応はHTML5が本命、逆に言うと「HTML5以外の選択肢はない」と確信したわけです。

成井氏:最近ではゲームの世界でもHTML5による開発が広がっていますね。ゲームと言えばパフォーマンスを稼ぐためにネイティブ開発が主流でしたが、マルチデバイス対応がHTML5の追い風になっているのでしょう。

齋藤氏:ゲームの本質はゲームが面白いかどうかで、デバイスは二の次。コンテンツ主導型の開発ですから、デバイス対応に時間やコストを取られたくない。携帯デバイスのパフォーマンスが向上したということもありますが、HTML5への移行は当然の流れですね。

成井氏:ネオジャパンが苦労してHTML5のような最新技術に取り組むモチベーションは何でしょう。

齋藤氏:ユーザーの期待に応えたい、ということですね。「使いやすくなった」、「こんなことができるようになった」と喜んでもらいたい。desknet's NEOは基本的に無償でバージョンアップを提供していますが、いくら無償でもそうした喜びがなければバージョンアップしてもらえないと思います。

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