エンジニアの発想1つで世界が変わる--センサーとクラウドの革新

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2014-02-19 11:00:00
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さまざまなデバイスをVisual Studioで

 今エンジニアが組み込み機器開発に熱い視線を送っている。2013年11月に開催されたThe Microsoft Conferenceでは開発に関するセッションはどこも人気で、組込みアプリを使ったデモを行ったセッションでは500人も入る会場が超満員となった。

 デモの1つにGPSのセンサを活用した宅配便業務システムがあった。顧客に配送する荷物を乗せたトラックにはGPSのセンサが積まれており、常時センターへ位置情報が送られている。

 一方、センターには顧客からの配送や集荷のリクエストが随時届けられる。センターはリクエストした顧客の近くを走行中のトラックに指示を出し、効率よく配送や集荷を行うというもの。顧客がサインするのはもちろんタブレットだ。

 今や組み込み機器は日常的に広く普及している。モバイル端末だけではなく、健康器具、学習教材、おもちゃなどなど。こうしたシステムで使われるソフトウェアはエンジニアが慣れ親しんだVisual Studioで開発できる。

海岸沿いの畑で塩害を測定するシステム

 センサを搭載した端末と収集したデータをクラウドで活用した実例を紹介しよう。2012年、東北の海岸沿いの畑で塩害を測定するシステムの実証実験が行われた。

 この周辺は東日本大震災の津波で塩害に見舞われてしまった地域である。どれだけ土壌に海水からの塩分が流入してしまったのか、その状況といきさつを観測するためにセンサとクラウドを組み合わせた技術が用いられた。

 観測地域には塩分を測定するセンサとWi-Fi通信機能を搭載した小型の機器が分散して配置された。ただし屋外なのでWi-Fiが接続するアクセスポイントを用意するのは難しい。

 そこでWi-Fiアクセスポイントとなる通信機能を搭載した車を定期的に巡回させることにした。これで車が近距離にいるとセンサ機器は一時的にネットに接続してデータをアップロードすることができる。アップロードされたデータはWindows Azure上に格納され、関係者はPCやタブレット端末から塩分濃度が可視化されたマップなどを閲覧することができた。

 ほかにも農業分野のセンサとクラウドの組み合わせなら、水田に流入する水量管理、ビニールハウスの温度管理、野菜工場の光量や風量管理、作物のトレーシングなどの事例も次々と生まれてきている。「食の安全」を求める社会的な価値観の後押しもあり、今「農業クラウド」は急速に発展している。

 電力関係も震災以降は活発だ。例えば建物内における消費電力を可視化し管理する取り組みもじわじわと普及している。電源スイッチがネットに接続していれば、建物内にいなくてもネット越しに電力消費量が監視できて、遠隔操作もできる。多くが節電を目的としている。ネックは初期投資となるが、ビルまるごと管理すれば効果は見込める。

 どれもセンサに通信機能を持たせ、センサから取得したデータをクラウドで活用するという例となる。このようなシステム開発にマイクロソフトの技術は実に有効だ。

複数拠点の日別、時間別電力使用量を一元的に管理できる 複数拠点の日別、時間別電力使用量を一元的に管理できる
※クリックすると拡大画像が見られます

センサ+Azureがもたらす可能性

 これまで紹介したように、センサノードは.NET Micro Frameworkや.NET Gadgeteerを用いて開発できて、クラウド側はWindows Azureに格納してVisual Studioで連携することができるからだ。データの表示やデバイス制御のためのアプリはWindowsストアアプリで提供することが可能だ。

 もちろんアプリはブラウザベースのものでも、iOSやAndroidのスマートフォン向けのアプリでもいい。一貫してVisual Studioをベースとしたマイクロソフトのプラットフォームで開発できるのが特徴だ。あれこれ場面やデバイスに応じて開発環境を使い分ける必要がない。これはエンジニアにとって生産性の向上に大きく寄与する。

 クラウドにはさまざまな選択肢があるものの、Windows Azureを用いればVisual Studioとの親和性が高いだけではなく、パブリッククラウドの良さもメリットとなる。つまり即座かつ簡単にサービスの利用や停止が可能となるからだ。

 さらにWindows Azureならモバイル端末の利用を想定したWindows Azure Mobile Servicesがあることも利点だ。センサデバイスも含めたモバイル端末とクラウドを連携させるにはユーザー認証、データを格納するクラウドストレージ、プッシュ配信などの機能が必要になる。その点、Windows Azure Mobile Servicesならこうしたモバイル特有の機能があらかじめ提供されており、わざわざスクラッチから開発する必要がない。開発工数を減らすことができる。

 例えばWindows Azureにアップロードしたデータを地図上に表示するなら、Power Mapを用いることで簡単にBing Map上にマッピングできる。高度なアプリケーションを簡単かつ手軽に作成できるのがメリットだ。作成したアプリでは位置情報や時間に関するデータが3次元的に処理できて、ユーザーはデータを直感的に把握できる。

エンジニアの発想1つで世界が変わる

 日本マイクロソフト 相澤克弘氏は「エンジニアが飛躍できる時代になりつつある」と話す。今後はネットに接続した端末から収集したデータを活用し、新しいビジネスが生まれるのは必至だ。センサは身近になり、クラウドで提供されるデータも多様化してきている。後はいかにデータを活用するかの発想が鍵となる。

 「エンジニアの発想ひとつで企業が運営するシステムやサービスを構築できてしまうかもしれません。やはり新しくイノベーティブなものを作れるのはエンジニアだと思います。そういう意味では夢のある時代に向かっているのではないでしょうか」

 次回は少し趣向を変え、実際に電子基板を用いて開発にチャレンジしてみる。

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