Web 2.0を用いて業務を改革し、不況を生き抜く

文:Dion Hinchcliffe(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
2009-02-09 08:00:00
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2.エンタープライズ2.0を使用して、従業員の知識とノウハウを蓄積する。エンタープライズ2.0を全社的に展開していない場合、こういった利点はしばらくの間、享受できないだろう。しかしその場合、今こそが学習のためのネットワークを構築する絶好の機会であると言えるだろう。遠く離れたところにいる担当者同士が、オープンかつ自由に、そして永続的に共同作業を行えるようにすることで、莫大な量の業務知識がネットワーク上の目の見える場所に蓄積されることになり、研究や再利用、他の担当者(特に新しい担当者)の教育に用いることができるようになるのだ。

 世界中の企業で大量のレイオフが行われているなか、長い間かけて培われてきた専門知識や技能がどんどんと社外に流出している。こういった重要な情報は、電子メールのアカウントやファイルサーバ、打ち合わせメモ、そして悲しいかな、退職する従業員の頭の中といった、アクセスできない場所にしか残されていないのだ。ブログやWikiといったエンタープライズ2.0のツールは、人間の代わりになるものではないものの、企業にとって必要不可欠な文化や知識、過去の経緯、重要な手法が失われることを防ぎつつ、人間系を取り込むことで組織を極めて柔軟なものにすることができるのだ。また、多くの人が報告しているように、高い効率性や高い透明性、より優れたコミュニケーションといった、エンタープライズ2.0の持つその他の利点も享受することができるようになる。企業のイントラネットを常に成長する活気あるものにし、従業員の力を取り込んだ双方向のソーシャルメディア環境にすることが、あなたの組織に対する確実な投資の1つとなるだろう。

3.ITインフラをクラウドへと戦略的に移行する。少なくとも各種報道を見ている限り、クラウドコンピューティングは現在のところ、IT業界において最もクローズアップされている領域である。しかし、事例証拠に目を向けると、SaaSが企業に投げかけている問題(コントロールやセキュリティ、ロックイン)と同じ多くの問題が待ち受けているにもかかわらず、企業はデータセンターやインフラに対する支出を削減することの方に興味を抱いているのだ。

 ビジネスアプリケーションやデータをクラウドに移行するべき理由はたくさんある。コンピューティングインフラやネットワークインフラは、大量の要求が発生した時に備えて能力に余裕を持たせておく必要があるため、ほとんどのリソースが普段は利用されることなく眠ってしまうことになるのだ。また、購入コストを大手のクラウドベンダーほど早く償却することもできないため、リソース全体にかかるコストはさらに高いものとなる。規模の経済はクラウドコンピューティングの主戦場であり、得意とするところでもある。このため、容量計画を簡素化できたり、エンタープライズアーキテクチャの整合性を図ることができるといった平凡なメリットもあるものの、規模の経済から生み出される長所を即時にオンデマンドで活用できるということこそがベンダーの提供する最大のメリットなのである。私は以前に執筆した記事において、クラウドコンピューティングへの移行コストを概算してみたことがある。その結果は、コスト削減という観点において驚くべきものだった。詰まるところ、エンタープライズコンピューティングすべてをクラウドに移行するための道のりは遠いものの、今こそ移行プロセスを開始すべき時なのだ。

4.クラウドソーシングといった新たな低コストモデルを採用する。私はこの新しく強力なオープンビジネスモデル(関連英文記事)の台頭について、詳細な調査を行った。現代のビジネスには、そのさまざまな側面において、クラウドソーシングモデルへの移行をうながす説得力のある、そして経済的な理由がたくさんある。こういった側面には、ネットワーク上の膨大な数の聴衆を、顧客サポートやセールス、マーケティングのみならず、イノベーションや調査、商品開発の主たる源泉とするといったことも含まれている。アウトソーシングできるものは、ほとんどすべてクラウドソーシングの対象とすることができ、これによってより安価により堅牢な結果を手に入れることができる(ただし、予見可能性は低下する)。

 しかし、クラウドソーシングを行うにはある種のスキルが必要となり、そのスキルは従来から存在している企業の階層型指揮統制に必要とされるものとはまったく異なったものとなっている。こういった従来型のスキルは、アウトソーシングにおける関係の場合でもうまく機能するものの、ソーシャルコンピューティング環境ではさほどうまく機能しないのだ。クラウドソーシングはますます印象的なストーリーを提供するようになってきている(上述したオープンビジネスモデルの記事を参照されたい)ものの、一部の企業では失敗しており、成功を収めている企業のほとんどはオンライン企業であることは明白である。後者はネットワークに対する自らの理解にその存続がかかっているため、このモデルのことをよりよく理解する傾向にある。そこで、今年はあなたの企業でもより低いコストでより多くのことを行ってみてはどうだろうか?クラウドソーシングという、最も強力なWeb 2.0のビジネスモデルの1つを用いることで、コストを劇的に削減し、イノベーションを大きく促進することができるのだ。クラウドソーシングについて、すぐに行動に移さない、あるいは検討を行わないというのであれば、最優先事項のリストに書き加えておくべきだろう。

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