ソーシャルグラフを実現する技術--ノードはURL、エッジはXMLで表せる

山崎徳之(ゼロスタートコミュニケーションズ)
2008-02-21 06:00:00
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 筆者はソーシャルグラフで扱うのは明示的(Visible)なリンク(エッジ)だけではなく、非明示的(Invisible)、つまり類推的なリンク(エッジ)も含まれるべきだと考えています。

 例えば、ソーシャルブックマークサイトやニコニコ動画などにおいて、フィードや動画同士というのは、明示的な繋がりは持っていません。しかし、類似した(これを相関があると言います)フィードや動画というのは、間違いなくあるはずです。

 明示的な情報だけでは、「もう一つの社会」を浮かび上がらせるには正直不十分であると言えます。逆に言えば、いわゆるSocial Graphは、明示的な情報だけを考えているために、ヒトに限定したグラフになっていると言えます。

 なぜなら、ヒト同士の明示的なリンクというのはSNSなどに存在していますが、モノ、情報の明示的なリンクというのは普通存在しないからです。この類推的なリンクはどうやって導き出せば良いでしょうか?

 これには様々な手法があります。筆者が良く使う手法としては、協調フィルタリング(Collaborative Filtering)というものがあります。

 協調フィルタリングは、ノードの嗜好情報(行動履歴)を分析し、ノードの相関を求めるという概念です。

 具体的な計算手法には、相関係数(Correlation Coefficient)などがあります。他にも、ベイジアンネットワークという確率的手法も使うことがあります。

 もともと筆者はこのレコメンドエンジンについて、研究開発を手がけており、その進化形としてソーシャルグラフという概念に辿り着きました。mixiのマイミク情報を、明示的なリンクではなく、類推的なリンクをレコメンドエンジンを用いて解析したのがそのきっかけです。

 同様の手法を用いて、ニコニコ動画の各動画をレコメンドエンジンを用いて類推的なリンクをグラフとして表現したものもあります。

080221_socialgraph1.jpgニコニコ動画の各動画の相関図を視覚的に表現した「nicograph Flash」

 これらは、いわゆるデータマイニングの手法として知られています。ソーシャルグラフが今後普及、進化していく過程においては、こういった類推型手法は欠かせないものになっていくでしょう。

 まとめますと、ノード、エッジ、データ交換、そしてそれらの解析によって、ソーシャルグラフはネット上における社会を、リアルな社会と並行して現出させて(Both societiesを実現して)いくのだと思います。

山崎徳之株式会社ゼロスタートコミュニケーションズ 代表取締役社長

アスキー、So-net、ライブドアなどでシステム設計、構築、運用を行う。2003年9月にシリコンバレーにVoIPの開発会社であるRedSIP Inc.を設立、CEO就任。2006年6月にゼロスタートコミュニケーションズを設立、代表取締役社長就任。Software Designで「レコメンドエンジン開発室」などの連載をしている。

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