Hadoop、NoSQL、PostgreSQL、インメモリDB--2013年ビッグデータ技術の注目ポイントはデータベース

五味明子
2013-01-08 13:41:00
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NoSQLが大ブレイクする可能性は?

 クラウドとビッグデータという2つの大きなトレンドに牽引され、2012年はNoSQLの新バージョンが数多く登場した年でもあった。Hadoop以外で言えば、Amazonがその圧倒的なリソースパワーを全面に押し出したDynamoDB、ユーザー期待のバージョンアップを遂げたMongoDB、FacebookやTwitterなど巨大ソーシャルメディアでの採用が多いApache CouchDBやApache Cassandraなどが挙げられる。

 米国ではNoSQL技術を売りにした300社以上のスタートアップがここ1、2年でサービスをローンチしたが、やはり最も勢いがあるのはMongoDBを擁する10genだろう。同じドキュメント型のNoSQLであることからCouchDBと比較されることが多いが、クエリが作成できる、RDBのテーブルに似たコレクション機能が使えるなど、従来のRDBユーザーでも扱いやすく、機能が多いという面も手伝って、MongoDBのユーザーは増え続けている。とくにNoSQLとクラウドの親和性の高さを証明するかのように、PaaSやSaaSのバックエンドとしてMongoDBが機能しているすぐれた事例が多い点が特徴だ。

 これまでNoSQLは“目的特化型データベース”と呼ばれることが多く、ソーシャルメディアやソーシャルゲームなど大量のアクセスが頻繁に発生するBtoCサイトでの事例が中心で、業務アプリケーションには適さないという考えが主流だった。これはNoSQLがスケールとパフォーマンスの向上を重視するために、データアクセスの方法に制限を加え、さらに一貫性の維持に対する要求を「最終的につじつまが合えばいい」というところまで緩和していることに起因する(例を挙げれば、Facebookの「いいね!」ボタンを押してページが更新されるまでに数秒以上かかっても大きな問題はない、という考え方)。

 だが、クラウドへのデータ移行はさらに進むことが予測され、2013年は必然的にNoSQLを前提にした業務アプリケーションも増えてくることは間違いないだろう。ビッグデータ分析における普及のポイントのひとつは、NoSQL技術者が増えること、NoSQLと親和性の高いBIツールが登場してくること、信用度の高いパートナー企業を得ることなどが挙げられる。こうしたハードルを乗り越えたとき、NoSQLは新たな展開を見せるはずだ。

PostgreSQLは今のトレンドを維持できるか?

 クラウドで独走態勢にあるAmazonが2012年11月、従量課金型のクラウドDWHとしてAmazon Redshiftのローンチを発表したことは記憶に新しい。1テラバイトあたりの年間利用料金が1000ドル前後という破壊的な価格に衝撃が走ったが、ここではRedshiftで使われているデータベースがPostgreSQLという点に注目したい。2012年は大規模なクラウド環境におけるPostgreSQLの採用事例が数多く発表されたが、ペタバイト級のデータも扱えるクラウドでのデータウェアハウジングという、スケールすることが大前提のシステムでPostgreSQLが選ばれたのは、クラウドおよびDWHの両方でPostgreSQLの大規模事例が確実に増えていることが大きな理由だ。いま、データベースのトレンドは確実にPostgreSQLにある。

 オープンソースのRDBMSとして、もともと日本ではMySQLと人気を二分する勢いを保つPostgreSQLだが、昨年9月にリリースされたPostgreSQL 9.2ではそのスケーラビリティとパフォーマンスが大幅に改善され、日本だけでなくグローバルでの注目度が高まりつつある。Salesforcce.comのPaaSであるHerokuや、Facebookに買収された写真共有サービスのInstagramなど、世界中の膨大なユーザーが利用するサービスがPostgreSQLを選んだことも話題を呼んだ。大規模なシステムでスケールさせるならMySQLのほうが向いているというのがこれまでの定説だったが、その差はほとんどなくなりつつあるといえる。今年前半にも予定されているMySQL 5.6のリリース後もPostgreSQLがその勢いを保つことができるのかに注目していきたい。

インメモリデータベースはもっと身近になる?

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