クラウド時代を支える新たなデータベース「Oracle Database 12c」

加山 恵美
2012-12-28 13:18:00
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 日本オラクルは11月20日に開催した「Oracle DBA & Developer Day 2012」にて、次期データベース製品「Oracle Database 12c」を解説した。

Michael Hichiwa氏
Michael Hichiwa氏

 基調講演に登壇したOracle ソフトウェア開発担当バイスプレジデントのMichael Hichiwa氏は、現在Oracleの推進力となる3つの技術分野として筆頭に「データベース」を掲げた。

 当然といえば当然である。いまやオラクルと言えばハードウェアからソフトウェアまで手がけるIT企業ではあるが、原点は「Oracle Database」にある。会社の看板であり今でも主軸となる製品だ。残りの2つの技術分野はExadataやExalogicなどを含む「エンジニアド・システムズ」と「SaaS」。これらは買収によって得られたシナジーが作り出す新しいオラクルの強みである。

 Oracle Database 12cは、9月に開催されたOracle Open World 2012で発表された。現時点で出荷開始時期は明らかにされていないものの、2013年の早い時期とされている。この12c、一見してバージョン番号に添えられたアルファベットが「g」から「c」に変わったことが分かる。これまでの「g」はグリッドで、これからの「c」はクラウドを表しているという。すでに統合運用管理製品のEnterprise Managerは一足先に「12c」となったが、いよいよ主力のデータベースが「12c」へと次のステージに向かう。

 クラウド時代がデータベースに求める機能とは何か。オラクルは具体的にどう実装するかが注目される。

Oracle Database 12cの特徴

 Oracle Database 12cで特徴的なのが「コンテナデータベース」と「プラガブルデータベース」という考え方だ。ざっくり言うと、コンテナDBはこれまでデータベースとしてイメージしていたもので、プラガブルDBはいわばスキーマに相当すると考えればいいだろう。全体と脱着可能な単位という分け方だ。

 コンテナDBはデータベース全体であり、メモリ、プロセス、ストレージなどのリソースがここで一元的に管理される。一方コンテナDBの配下にあるのがプラガブルDB。システムごとに管理されるデータベースやスキーマとなる。データを持ち運ぶときに使うUSBメモリをイメージしてもいいだろう。つけたり、外したりできるデータベースだ。

 ソフトウェアのバージョンアップやデータのバックアップはコンテナDBに対して行えるので、一度の作業でコンテナDBが抱えるプラガブルDB全てに適用できる。同時に、リストアはプラガブルDB単位で個別に行うという柔軟な運用もできる。あるいは本番環境から検証用環境へのデータコピーをプラガブルDB単位で実行するのもいい。SaaSを運営している環境なら、顧客ごとのデータをプラガブルDBで管理するのにも役立ちそうだ。こうした新しいアーキテクチャは、データベースの一元管理による効率性と個別管理の柔軟性を両立させるために有効となる。

 また、これまではデータベース(12cならプラガブルDBに相当する)ごとに個別のリソース管理を行っていたが、12cではコンテナDBで全体を管理することでリソース管理が効率的になる。オラクルが50個のデータベースを稼働したところ、プラガブルDBだと従来型に比べてリソース使用量を1/6まで削減できたという。

 Oracle Database 12cが正式リリースとなれば、それは単にデータベースの新製品出荷という位置づけだけにとどまらない。なぜならばOracle DatabaseはExadataなどのエンジニアド・システムズに組み込まれており、来年正式にサービス提供開始となるOracle Cloudでは、背後にOracle Databaseが組み込まれたExadataが稼働することになるからだ(現在無料で30日間試用可能)。Oracle Database 12cが完成すれば、ExadataもOracle Cloudも同時に「バージョンアップ」することになる。この影響は軽視できない。

 視点を変えれば、Oracle Database 12cはクラウドが普及しているという昨今の情勢だけでなく、ExadataやOracle Cloudで稼働することも想定して機能強化や拡張を行っているのであろう。例えばExadataはとてもパワフルなマシンなので、マルチテナントで複数のデータベースを稼働することができる。複数のデータベースを稼働させるときに必要な機能は何かと考えると、それは一元管理の効率性であり、柔軟性を損なわないことが導き出されるのは自然な流れだ。またリソースを統合的に管理できれば、1台でまとめて稼働させることのメリットも生かせる。

 オラクルの将来の多くを担うOracle Database 12cは今、2013年の出荷に向けて最終調整を行っている段階である。

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