CodeGearの獲得を最大限に活かすエンバカデロの戦略

杉山貴章(オングス)
2009-04-14 21:11:01
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 Embarcader TechnologiesがBorland SoftwareよりCodeGear事業部を買収してから、間もなく10カ月が経とうとしている。この買収の結果として、データベース分野で世界をリードしてきたEmbarcaderoの製品群に、CodeGearによる開発ツールが加わった。

 このたび、20年以上に渡ってCodeGearを支え続け、現在はEmbarcaderoでVaice President兼Developer Relations Cief Evangelistを務めるDavid Intersimone氏が来日し、同社の今後の戦略について語った。

複数ツールの組合せで幅広いユースケースに対応

 Intersimone氏は、CodeGearがEmbarcaderoに買収されたことによって開発者が必要とするソフトウェアツールを包括的に提供できる土台が整ったと指摘する。

 「もともとエンバカデロではデータベース管理や設計のための各種ツールを提供していた。これらはCodeGearで提供してきた開発ツールと同じく複数のOSや言語、ティアに対応する必要があるもので、CodeGear製品との適合性は非常に高いものだった。つまり、両製品の統合は自然に合うものが組み合わさったと感じている」

 Enbarcaderoとしては、従来のマルチプラットフォーム対応を継続しつつ、統合の効果によって開発者向けツールとデータベースツールのシームレスな連携も可能にしていく予定だという。

 しかし現状では、双方の技術の統合はまだ不十分な部分が多い。そこでそれをカバーするために、複数のツールを組み合わせて利用するユースケースを公開しているという。その一例を以下に挙げる。

  • データベースおよびアプリケーションのラピッド開発:ER/Studio+IDE+Rapid SQL
  • プロファイリング・チューニング:JOptimizer+DBOptimizer
  • コード・データベースデバッグ:IDE+Rapid SQL
  • データベース・コードリファクタリング:ER/Studio+IDE
  • 開発チーム向けのウェブポータル:ER/Studio Enterprise Portal+JBuilder Team Insight

 Intersimone氏は、製品の組み合せ次第で上記以外にも数十から数百のユースケースに対応できるとしており、今後も継続して公開していくと語っている。

 その一方で、統合の効果として実現した新製品もある。2月にリリースされたオンデマンド開発ツールセット「Embarcadero All-Access」がそれだ。現在の開発者は、コスト削減と同時に品質や生産性の向上も要求されている。そのようなプレッシャーを軽減するために、EmbarcaderoではAll-Accessを「もっともコスト効果のあるツールセット」として提案していきたいと意気込んでいる。

成長を続ける開発者コミュニティ

David Iの愛称で知られるDavid Intersimone氏 David Iの愛称で知られるDavid Intersimone氏

 EmbarcaderoとCodeGearの統合がもたらした効果は製品に関することだけではない。

 Intersimone氏は、コミュニティがより大きく成長したことも大きな優位点のひとつだと指摘する。現在、Embarcaderoのデベロッパーコミュニティには世界で約740万人のメンバーが登録しており、これは業界で第5位の規模だという。日本のコミュニティも活発で、四半期ごとに開催されるデベロッパーキャンプや日本語版のデベロッパーネットワークには非常に多くの参加者がいるとのこと。

 EmbarcaderoとCodeGear、双方のコミュニティが連携できるようにインフラも拡張され、2月18日には従来CodeGear製品向けに提供されていたコミュニティ機能がDatabaseGear向けにも利用できるようになった。これによって開発者とデータベース製品ユーザがコミュニケーションできる土台が整ったという。

 Intersimone氏は、「エンバカデロでは今後もコミュニティの声に耳を傾け、それを元に開発を続けていく」と語っている。それと同時に引き続き開発者コミュニティへの積極的な参加を呼びかけていくとのことだ。

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