やました たつを(フリーライター)

プロセスマイニングの普及啓蒙で企業の競争力を強化目指すプロセスマイニング協会

2020-11-06 19:00:00
 一般社団法人プロセスマイニング協会(APMJ)は10月14日、プロセスマイニングの社会的知を高め、実践ノウハウの共有などを目的とした、一般社団法人プロセスイニング協会を、2020年6月17日付で設立したことを発表した。

 代表理事は、百瀬公朗氏。名誉会長に、独アーヘン工科大学教授で、プロセスマイニングの世界的権威でもあるウィル・ファン・デル・アールスト博士を迎えている。現在、会員企業数は16社。今後さらに多くの企業に参加を求めていく計画という。

 百瀬氏は、1983年にアーサーアンダーセンに入所。その後、SAS Institute Japan、電通マーチファースト、三菱総合研究所で要職を歴任。2020年4月、上智大学特任教授に就任し、プロセスマイニングを含むデータサイエンス領域を担当している。

日本企業こそプロセスマイニングを導入、活用することが必要

 グローバル競争の激化や顧客ニーズの多様化、少子高齢化など、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応していくためには、ビジネスプロセスの抜本的な見直しと刷新、高度化が必要で在り、その前提としてビジネスプロセスの可視化が不可欠となる。

 しかし重要なビジネスプロセスは、複数の部門や組織にまたがっており、全体を把握することは非常に困難である。そのためビジネスプロセスの始まりから終わりまでを、エンド・ツー・エンドですべて洗い出すことは簡単ではない。

 そこで、さまざまな情報システムが生成する、イベントログデータを収集し、一定の規則に基づいてマイニングすることで、例外処理も含め、実際に行われたすべてのビジネスプロセスを可視化するための手法がプロセスマイニングである。

 その仕組みからABPD(Automated Business Process Discovery:自動的なビジネスプロセスの発見)と呼ばれることもあるプロセスマイニングは、2010年ごろ欧州の大学などで関連する理論や手法が考案された。

 また同時期には、プロセスマイニングのためのソフトウェア製品やサービスが登場。欧州の製造業や金融業、サービス業などが採用している。2010年代の後半には、米国の大手企業にも広がり、関連市場は拡大し続けている。

 しかし日本での認知度はまだまだ低く、専門の人材も少ない状況。百瀬氏は、「日本企業こそプロセスマイニングを導入、活用する必要があると考え、認知度の向上や実践ノウハウの共有、専門人材の育成などを目的にプロセスマイニング協会を設立した」と語る。

 プロセスマイニング協会では、プロセスマイニングに関わる情報収集・調査研究、情報発信・政策提言、人材育成のための教育活動雑誌・書籍の企画、出版、国内外の事例研究、国内外の企業、関連諸団体などとの情報交換、連携、協力など、幅広い活動を展開する。

 取り組みの第1弾として、欧米企業のプロセスマイニング事例をまとめた書籍「プロセスマイニングの衝撃 ~シーメンスやBMW、Uberは、なぜ本気で取り組むのか?~(著者:ラース・ラインケマイヤー/訳:百瀬公朗/出版社:インプレス)」を発行した。

 正会員であるCelonis株式会社の代表取締役社長、小林裕亨氏は、「プロセスマイニングの世界最大手であるCelonisの日本法人として、日本がDXの潮流を迎える新しい時代に最重要技術となるプロセスマイニングで日本のビジネス改革に貢献したい」と話す。

 またハートコア株式会社の代表取締役社長、神野純孝氏は、「プロセスマイニングによる業務可視化から業務効率化までのトータルソリューションの提供により、プロセスマイニングの普及・推進、さらに日本社会の持続的発展に寄与したい」と話す。

 特別会員の伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 常務執行役員、原口栄治氏は、「先進的なDXを進めていくには、業務プロセス全体の可視化・最適化が必要であり、プロセスマイニングの市場の啓蒙・発展とともに専門人材の育成にも寄与したい」と話している。
写真左から:伊藤忠テクノソリューションズ 常務執行役員 原口栄治氏、一般社団法人プロセスマイニング協会 代表理事 百瀬公朗氏、Celonis 代表取締役社長 小林裕亨氏、ハートコア 代表取締役社長 神野純孝氏

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
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