やました たつを(フリーライター)

Salesforce.comとInforの連携でソーシャルエンタープライズの実現を加速

2012-01-05 00:00:00

 前回、米国Salesforce.comが提唱する「ソーシャルエンタープライズ」というコンセプトは、Salesforce.comだけで実現できるコンセプトではないということを紹介しました。そこでパートナー戦略が重要となりますが、すでに数多くのパートナー企業がSalesforce.comのプラットフォーム上でアプリケーションを構築した実績があり、その数は40万種類を超えています。


 中でも今後重要となるのが、2011年9月1日に発表されたSalesforce.comとInfor Global Solutions(Infor)の戦略的パートナーシップです。この戦略的パートナーシップでは、(1)Salesforce.comがInforに対して出資を行う、(2)ワールドワイドでInforがSalesforce.comのリセラーになる、(3)Salesforce.comの開発プラットフォーム「Force.com」の上で3つのアプリケーション「InForce」を開発することが発表されています。


 また米国での発表に伴い2011年12月9日に、両社の日本法人であるセールスフォース・ドットコムと日本インフォア・グローバル・ソリューションズ(日本インフォア)もInForceを日本市場で展開することを発表しています。日本語版のInForceは、まず2012年春に「InForce Everywhere」の提供が開始され、続いて2012年冬に「InForce Ordering Cloud」および「InForce Marketing Cloud」の提供が開始される予定です。


ネイティブアプリとIONで連携


 今回、日本インフォアが開発するのは、Force.com上で動作するネイティブアプリケーションであるInForce Ordering CloudとInForce Marketing Cloud、およびSOAをベースとした日本インフォアの標準統合プラットフォーム「Infor ION」との連携ソリューションであるInForce Everywhereです。



 InForce Ordering Cloud は、設定、価格、見積管理、受注管理、提案管理など、製造業向けの総合的なアプリケーションをクラウドサービスとして提供。Salesforce.comのSales CloudおよびService Cloudを利用するユーザーが、より正確で分かりやすい価格情報、利用可能状況を把握することを可能にします。


 またInForce Marketing Cloudは、総合的でグローバルなマーケティング自動化システムをクラウドサービスとして提供。Infor10 CRM Enterprise(Epiphany)のリコメンデーションエンジンと連携することで、インバウンドおよびアウトバウンドのキャンペーン管理、案件の成熟度管理を実現できます。


 さらにInForce Everywhereは、請求書、契約書、見積書、オーダー、出荷、請求書、支払い、返品などの顧客関連情報を全社レベルの360度ビューで提供。Salesforce.comのクラウド型コラボレーション支援ツール「Chatter」と連携することで、データをソーシャルネットワークで共有し、より迅速かつ効果的な顧客との関わりを実現します。


短期間、低コストでCRMとERPを連携


  日本インフォアの代表取締役社長である村上智氏は、今回開発する3つの製品について次のように語っています。「Salesforce.comのCRMとInforのERPを連携したInForceを採用することにより、業界最強のエンド・ツー・エンドソリューションを実現できます。クラウドのメリットは、システムを効率的に管理できることです」


 また村上氏は、「ソーシャルエンタープライズにより、従来型のバリューチェーンをソーシャル化できます。また部門間の“つながり”を強化し、グローバルでの経営の可視化も実現できます。従来、こうした仕組みを実現するためには億単位の投資が必要でしたが、InForceは少ない投資で実現できます」と話します。


 さらにセールスフォース・ドットコムの専務執行役員 アライアンス&サービス統括本部長である保科実氏は、「Salesforce.comはCRMを中心に事業を展開し、CRM以外の分野は提供しないという方針です。しかしCRMだけで満足するユーザーは少数であるため、パートナー企業と協力してバックエンドを連携することは不可欠なのです」と話しています。


 ERPと連携したソーシャルエンタープライズを実現することは、これまで期間とコストがかかる作業でした。InForceを活用することでB2B2Cのソーシャルエンタープライズを1日程度で実現できます。ソーシャルエンタープライズにより、グローバル展開を短期実現できるほか、中小規模の企業が低コストでITを活用できるなど、さまざまな効果が期待できます。


 さて次回は、2つ目のバズワードである「モバイル」に注目してみたいと思います。 

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
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