やました たつを(フリーライター)

クラウド、モバイル、ビッグデータに注目!--2012年のエンタープライズ分野

2012-01-04 00:00:00

 新年あけましておめでとうございます。新しい1年が皆さまにとって、すばらしい1年になることをお祈りします。


 新しい年を迎えるにあたり、ブログをスタートすることにしました。テーマは、“エンタープライズ分野のIT構築”です。ITの活用は、エンタープライズに何をもたらすのか。良いことも、悪いことも含めて、取材ネタを中心に自分なりに整理していけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします。


2012年の“バズワード”


 ブログの開始にあたり、2012年のエンタープライズ分野における“バズワード”について注目してみたいと思います。2011年の後半あたりから、「クラウド(ソーシャル)」「モバイル」「ビッグデータ」などの言葉をよく耳にするのではないでしょうか。この3つの言葉、2012年にはますます耳にすることになるでしょう。


 そこで今回は、エンタープライズ分野におけるクラウド(ソーシャル)の活用について注目してみたいと思います。企業におけるクラウドの活用は、まだまだ賛否両論あります。しかし私自身は、直接的に企業の競争力を支えるIT活用(コアコンピタンス)以外の部分では、クラウドサービスの活用が有効であると思っています。


 たとえば米国Salesforce.comは、クラウドコンピューティング企業として初めてランレートベースの年間売上が23億ドルを突破し、2013年には30億ドルを見込んでいます。この成功の要因のひとつとして、営業を支援するCRMを実践するための、もっとも効率的かつ効果的な方法(ベストプラクティス)を提供することに特化していることが挙げられるでしょう。


 そのSalesforce.comが、現在注力しているのが「ソーシャルエンタープライズ」というコンセプトです。TwitterやFacebookのようなソーシャルメディアを企業内やビジネスで活用して社員が“つながる”ことで、効率的なコミュニケーションと情報共有を実現し、顧客満足度のより一層の向上を目指しています。


ソーシャルエンタープライズ


 2011年12月14日、15日の2日間、都内ホテルで開催された「Cloudforce 2011 Japan」では、Salesforce.comの会長兼CEOであるマーク・ベニオフ氏が、クラウドとソーシャルを有機的に結びつけることで、次世代の企業IT活用を実現するソーシャルエンタープライズの実践方法について講演しました。



 ベニオフ氏は、「1960年代のメインフレーム、70年代のミニコン、80年代のクライアントサーバ、90年代のウェブ環境、2000年代のモバイル環境とコンピューティングモデルは10年周期で変遷し、10年ごとにユーザー数は10倍に増え続けてきました。現在(2010年代)は、ソーシャル革命へと突き進んでいます」と話します。


 comScoreの調査では、「ソーシャルメディアのユーザー数は17億ユーザーで、電子メールのユーザー数を超えた」「Facebookの利用時間は月間4時間で、ほかのウェブアプリの利用時間を大きく上回る」「モバイルアプリの利用時間は1日あたり81分で、ブラウザアプリの利用時間を超えた」と報告されています。


 これはベニオフ氏の言うソーシャル革命のほんの一部ですが、これを牽引しているのは顧客や社員などの個人レベルであり、製品や企業との間にギャップが生まれているのが実情です。このギャップを埋めるための取り組みがソーシャルエンタープライズであり、Salesforce.comでは、次の3つのステップによりこれを実現しようとしています。


・ステップ1:顧客のソーシャルプロファイルを作成
・ステップ2:社員のソーシャルネットワークを構築
・ステップ3:顧客のソーシャルネットワーク、製品のソーシャルネットワークを構築


 たとえばトヨタ自動車では、Salesforce.comのプラットフォームを採用することで、人、クルマ、販売店、工場をつなぐ「TOYOTA Friend」を構築し、“クルマを友達にする”というコンセプトを実践しています。また同社の幹部1000名がChatterを活用して、部門を超えたコラボレーションと意思決定を実現しています。



 ベニオフ氏は、「顧客を満足させるためには、顧客を知り、好み=Likeを把握することが必要です。どのような好みを持っているのか、どのようなツイートをしているのか、どのような人とつながっているのかを把握できれば、迅速かつ適切な意思決定が可能になるのです」と話しています。


 しかしソーシャルエンタープライズは、Salesforce.comだけで実現できるものではありません。そこで重要になってくるのが、開発プラットフォームである「Force.com」やカスタマーアプリケーション開発環境である「heroku」、オープンなソーシャル向けデータベース「database.com」など、開発パートナー向けのソリューションです。


 そこで次回、ソーシャルエンタープライズにおけるSalesforce.comとパートナー企業との取り組みについて紹介してみたいと思います。

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
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