ベイダー卿

ブラウザの使命

2009-08-17 13:01:28

 
コーホー、コーホー、こんにちは、お久しぶりです、暑いです、しんどいです、ベイダー卿です。

 

もうね。

暑中見舞っちゃうくらいの暑さですよ。

暑がりで汗っかきの僕には、本当に辛い季節になりましたよ。

そんな日は、外に出るのがおっくうなので、日がな一日、パソコンの前で、レッツ!ネットサーフィン!なんて方もいらっしゃるのかもしれませんけどね。

でも、パソコンの排気も熱かったりするので、それに呼吸音が負けそうな昨今なのです。
 

そんな、暑い最中でも、パソコンの前に座り続けられるという、素晴らしい能力をもった、ネット好きというか、ネットマニアというか、ネット中毒者というか、ネッター?というか、

そんなあなたがおそらく100%使っているであろう、ブラウザの話でもしてみようかなぁなんて、ひょっこり思ったんですよ。

そう、あくまでもひょっこりね。

でね。

ブラウザの話、なんて言っても、あのブラウザがいいだの、このブラウザがアップデートして使いやすくなっただの、プラグインがどうだだの、そのブラウザは使い物にならないだの、

そんなことを僕が語っても、誰も読みたくないですからね。

せいぜい、書けるとすれば、あっちのブラウザには熱い魂が感じらるとか、こっちのブラウザからは霊気が漏れてるだとか、そっちのブラウザはミディクロリアンにあふれてるだとか、その程度が限界なのですよ。

なにせ、下っ端ジェダイですから、仕方が無いのです。

しかも、僕がそれを語るとしても、語りつくせぬほどブラウザは多い。

本当にそんなにいっぱい必要なのかどうか知りませんけど、色々なブラウザが出回る昨今なわけです。

Windowsに絞って、良く知られているものに絞って、レンダリングエンジンが違うものだけで分けても、IE、Firefox、GoogleChrome、Operaと4つもある。

普通の神経の人だと、これだけあれば十分だろって思いますけど、ジェダイである皆さんは普通の神経じゃないですよね?

とにかくいろいろなもの、常に面白いもの、「オラ、強い奴と戦いてぇんだ!」みたいなことを平気で言い放ちながら、最強を求め続ける貪欲な戦闘民族ですよね?

そんな暑苦しいあなたのご期待に応えるように、さらに他にもブラウザはある。

同じレンダリングエンジンを利用しても、違うブラウザとかね。

Safariなんかもそうですね。他にも、Sleipnirだとか、Lunascapeとか、Donutファミリーだとか、他にもいろいろ。

こういうのを使ってる方、確実にいるでしょう。

僕なんて、未だにMoonブラウザが手放せませんからね。

そして、こんなにあるブラウザ、それぞれが、どんどん新しいバージョンを出してくる。

個人のフリーソフト系は、更新止まってるのもありますけど、企業が作ってるのは大抵、バリバリと修行して、フォースを高めて、ある程度定期的にバージョンアップ。

過去を振り払うがごとく、過去を踏み台にして出してくる。

まあ、これだけたくさんあれば、ライバルに負けじと切磋琢磨でガンガンいっちゃわないと、負けそうですからね。

「やらなければ、こっちがやられる!」

みたいな、良くある、妙な緊張感を盛り上げるためのお決まりの台詞が頭の中を駆け巡ってる心境、非常に良くわかりますよ。

みんなシェアが欲しいんですから、それは仕方が無い。はやる気持ちはわかるんです。

でもね。

ちょっと待て。

一端立ち止まってみなよ。って思うわけです。

新しいブラウザ(バージョンアップ)って、そんなにいいのか?

そこまで必要なのか?

というか、それって本当にネットの発展に寄与するのか?

なんてことを思ってしまった今日の僕。

傍観者としての僕。

 

ソフトウェアというか、もっと大きく言って、パソコンとか、ITの世界というのは、古いものにあまり大きな価値を見出さない世界。

ボッコボコに言われてる、某OSとか、某オフィスソフトとか、例外はたまにありますけど、基本的に新しいバージョンは、拍手をもって迎えられる。

そして、新しくなることが常に前提で、新しいものが出れば自然に(または強制的に)乗り換えて、それなりに速さだったり、機能だったり、使い勝手だったり、性能が上がる。

ハードウェアに関してはもっと顕著で、残酷なまでに、古いパソコンには冷たいわけですよ。

例えば、486DXとか搭載したDOS/Vマシンがあったところで、何に使っていいのかわからない。

会社なんかに持って行こうものなら、「こんなもん、ゴミにしかならん、持って帰れよ!」って、怒鳴られるのがオチなんです。

そうやって過去を捨て、仲間を捨て、親も家族も捨て、全てを振り切って突き進む、ストイックで、ワイルドな生き方が浸透しているのが、ハードウェア、ソフトウェアの業界なんですよ。

そう、僕達。

別の業界を見渡してみてくださいよ。

例えば、骨董。

古いほどに価値がある。

って、この例は卑怯ですけれども、

同じ工業製品の車だって、クラシックカーなんて分野があって、ある程度の価値を認めてる人が結構居る。

でも、IT業界には、そういう価値はほとんど存在しない。

せいぜい、「昔は、こんなもんがあったよ、あの頃は…」なんて昔ばなしのネタにしかならない。

ただ、そういう業界の体質自体は、僕も別に構わないと思うんですよ。

あっさりと過去を切り捨て振り返らない。

宵越しの銭は持たない江戸っ子気質、昨日の敵は今日の友、潔い漢(おとこ)のメンタリティは、ジェダイに通じるものがあるわけですから。

でもね。

ブラウザだけはそれをやっちゃイカンのではないか?

もうちょっと、未練がましく、ウジウジと過去を振り返っといたほうがいいんじゃないのか?

なんて思うんです。

なぜ、僕がそう思うのか?といいますとね。

ブラウザはコンテンツとの接点だから。

ブラウザはあくまでもコンテンツを表示するためのものだから。

という風に思うんですよね。

そのことを忘れて、突っ走っちゃっていいんですかね?

ねぇブラウザ、君ってさ、バージョンアップするごとに、自分がコンテンツ再生機だってこと、忘れ去ろうとしてやしないかい?

これが僕の懸念。

最近のブラウザって、やれ、JavaScriptの動作が速いだの、WEB標準に準拠しているだの、RSSに対応してるだの、そういう話題でもちきり。

もう、そればっかりで、面白くもなんともないわけですね。

もちろん、そうやって性能が上がるのはいいことですよ。

でも、WEB上にあるコンテンツって一体どんなものかってことを無視してないか?とね、思うんですよ。

WEB上には、最新のブラウザにしっかり対応しているコンテンツもたくさんありますけれども、

ネットの黎明期、「情報発信って面白いぞ」ってことで、何だかすごく情熱を持った人たちによって、せっせと作られた古くても優秀なコンテンツが山ほど残ってる。

でも、そんなコンテンツには、CSSもXMLもなく、HTMLのベタ書き、レイアウトはもちろんテーブル、HTML5って何?なんて世界ですよ。

JavaScriptにしても、クロスブラウザなことなんて考えちゃいないし、更新をRSSで配信することなんて頭の隅にも無かった。

IE全盛の時には、”IE向けコンテンツ”なんてものが平気で大通りを歩いていた。

大手を振って肩で風切って歩いてた。

そんな時代に生み出された古いコンテンツと、今ある新しいコンテンツが、見事に混ざってるのが現状のネット。

そして、コンテンツには古くても価値のあるものがたくさんある。

例えば、”ライトセーバーの作り方”なんてコンテンツ、そこからライトセーバーが作れるなら、古くたって全く価値は変わらない。

コンテンツっていうのは、ニュース性や流行を追求するものを除けば、基本的に時間がたっても価値はそんなに落ちないわけです。

でも、IT業界の人たちは、古さに価値を見出さない傾向がある。

そんな人たちが作るのがブラウザ。

コンテンツの再生機。

そして、今のブラウザが求めているのは、最速、記述に正確なレンダリング、綺麗な表示、より便利な機能、強固なセキュリティ…。

どのブラウザのダウンロードサイトに行っても、そういう謳い文句が華々しく踊って、「俺を使ってくれよぉ~」「私のほうがいいようぉ~」なんて感じで、バイオハザードとかに出てくるゾンビのごとくに迫り来るわけですね。

あなたはそれに負けて、ブラウザを変えたり、バージョンアップしたりする。

でも、そうやって次々と新しくなるブラウザや、W3Cの出してくる標準、ネットの流行に合わせて、古いコンテンツを作った人たちが、コンテンツを新しいフォーマットに焼きなおしてくれるとは限らない。

というより、古いコンテンツは、何も手をかけられず、古いまま残されている例のほうが多いと思う。

今はまだ、古いコンテンツが全く見られないという状態は、おそらくあまり発生していない。

ただ、ブラウザのバージョンを上げたとき、新しいブラウザをインストールしたとき、古いサイトの表示がいきなり崩れるような事態には、僕でもたまに遭遇する。

古いものに価値をあまり見出さない気質の人たちが、”コンテンツ”という古くても同等の価値を持ち続けるものを再生する”ブラウザ”なんてソフトを作ってる。

そして、日々、バカみたいな速度で進化させてる。

僕にしてみると、本当にそれを進化と呼んでいいのかどうかは疑問だけれども…。

このまま行ったら、いつの日にか、古いコンテンツが完全に見られなくなる日がくるんじゃないのか?

ブラウザ作ってる人たちって、もしかしてコンテンツもそれに合わせて勝手にバージョンアップしてくれるもんだと思ってるんじゃないのか?

でも、古いコンテンツは、その情報価値はそのままに、フォーマットだけがどんどん取り残されていくのが現状だと、僕は思うわけですよ。

ブラウザを作る側と、コンテンツを作った側、認識にギャップがあるような気がするのが、僕の心配の種なのです。

 

本当のところは知らないですけれども、VHSがDVDになったとき、全てのコンテンツがDVDに移植されたのか?ブルーレイにも移植されるのか?

レコードが、カセットテープになり、CDになり、そして今、メモリやダウンロードデータになろうとしているけれども、これらの過程で漏れなく全部、移植してきたとは到底思えない。

消えていった映画、聴けなくなった曲、きっとある。

それはコンテンツとしての価値が低かったから移植されなかったんですかね?本当に。

そして、ネットのコンテンツ。

これは、発売されていた映画や音楽の比じゃないくらいに、莫大なデータが蓄積されてる。

今のブラウザのバージョンアップ競争を見ていると、いつか、それが古い順に切られていく日が来る様な気がするわけですよ。

価値のあるものを、ブラウザ側(いうなれば技術者側)の都合や理屈だけで、容赦なく打ち捨てていく日が来ちゃうんじゃないの?と僕のフォースが危険信号を発しているわけです。

コンテンツの価値と、ソフトウェアの価値は違う。

技術者は、そのことに本当に気がついてるのか?それが心配なわけです。

 

だから、僕は提案したい。

新しいブラウザを。

そう、過去のコンテンツを快適に見るためのブラウザを。

昔のIEに偏ったメチャメチャなHTMLをちゃんと解析し、CSSを使ってなくても、レイアウトが崩れず、それでいて便利な機能はそのままに使えるブラウザ。

そんなブラウザをそろそろ準備する時期に来てるんじゃないのか?

例えば、Sleipnirとか、Lunascapeとか使いますと、レンダリングエンジンの切り替えなんて機能がついてるわけですよ。

でも、あれ、そんなに使わない。

今のコンテンツ見るのに、わざわざ、別のレンダリングエンジンに切り替えなくても、大抵大丈夫だから。

僕、Sleipnirも、Lunascapeもその日の気分で使ってますけどね。

切り替えたのって、インストール直後にお試しでやってみただけ。

僕 「切り替わるんだ。へぇ…」

ってなくらいの微妙な感動。

高校野球のスタンドで、球児たちの熱い頑張りに泣いちゃうくらいの感動には、とても程遠いわけですよ。

それ以降、僕は一度も切り替えたことが無いわけですよ。

だから、僕にとっては、今のレンダリングエンジンを切り替えるなんて機能はどうでもいい。

その代わり、過去のレンダリングエンジンに切り替えさせてくれないか?なんて思うんですよね。

過去のレンダリングエンジンを全部搭載して、全てに切り替えが可能だったら、もう過去のコンテンツを見るのに困ることはない。

なんて思うんですけどね。

多分やってくれないんだろうなぁ…。

だったら、せめて、ブラウザはバージョンアップじゃなく、別インストールにして欲しい。

IE6とIE8が同じパソコンに共存できるようにしてほしい。

まあ、色々とやる方法はありますけど、普通にしてたら、ブラウザはバージョンアップして、勝手に古いのは上書きされていく。

過去は無かったことにされていく。

Firefoxなんかでも、新しいバージョンが出ると、しつこくバージョンアップを要求してきますからね。

反乱軍と帝国軍が共存できないように、違うバージョンのブラウザは特別なことをしないと、共存できないことが多い。

もちろん、脆弱性とか、そういう問題があるからバージョンをあげてくれとうるさく言うのはわかりますよ。

でもね。

このまま、バージョンをあげ続けていいんですかね?

過去をかなぐり捨てても、大丈夫ですかね?

それで、ネットは発展しているんだと、本当に胸を張れるんですかね?

なんてことが、とっても心配になった休み明けの昼休み。

夏が来れば思い出すのは、はるかな尾瀬なのかもしれませんけど、

僕は、ネットスケープが電気屋さんに山済みで売られていたのを懐かしく思い出すわけですよ。

ほんと、暑い…。

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
  • 5件のコメント
#1   2009-08-18 12:14:50
新しいブラウザが出て、早くて便利で、だけど使っているうちにアドオンが増えてだんだん遅くなり、また新ブラウザが出て早くて、その次に出たのはどうかと言えば、突っ込みどころいっぱいで・・・私もとっかえひっかえするのが面倒になってきました。

そんな事より卿、立秋過ぎたので”残暑見舞”ですよ!
#2 かずぽん   2009-08-19 18:35:13
ネスケもIE1.0も懐かしい。両方とも有料で販売し電気屋で山積みでした。しかしながらwin3.1のころインターネットをやるにはダイヤルPPPとツーポイントツープロコトルは必ず必要だったわけでそれを考えると有料でも入れるしかなかったのですな。
むかしばなしですが、ただ、OS2warpには最初から入ってました。なつかすぅい。
#3   2009-08-21 18:20:07
IT TESTERでいいんじゃね?
#4   2009-08-21 18:21:03
×:IT TESTER
○:IE TESTER
#5 ベイダー卿   2009-08-25 13:23:54
>#1さん
残暑見舞い! あぁ、迂闊でした…。
ということで、#1さん、残暑お見舞い申し上げます。

ブラウザに限らず、ソフトも、ハードも、同じことを繰り返して新しくなっていく感じですので、それに付き合うのも疲れるんですよね。でも、やっぱり新しくなると手を出したくなる(仕事上、出さざるを得なくなる)のは、この業界にいる人間のサガかもしれませんね。


>かずぽんさん
昔は、ブラウザは買うものでしたよね。あの山積みのブラウザのパッケージ、インパクトありましたから。
でも、今はブラウザを買うなんて、誰も考えないですし、そのブラウザが見せてくれるネットのサービスの多くが無料というような状況をあの時は予測できなかったです。ネットの中のサービスも、色々と契約するようになるのだと思っていましたから。それに、ネットサービスというのもの自体もなくて、全てダウンロードしてインストールするような使い方で行くのだろうって普通に思っていたのですが、時代が変われば変わるものだなと、つくづく思いしらされます。


>#3さん
そう、そうなんです!#3さんのおっしゃるとおりでしてね。
IE TESTERみたなものがあれば、僕の心配も杞憂に終わるんですよ。
でも、そういうソフトって、WEBプログラマーの皆さんとかがWEBサービスを作るとき、主にテストに使ってるという用途がかなり多くて、一般に普通の人たちが普通に利用する状況には無いんですよね。
そして、コンテンツの多くを消費しているのがIE TESTERなんて知らない人々ということを考えると、IE TESTERみたいに、過去をちゃんと再生できるものとか、過去のサイトと現在のサイトを自動で判別して最適な表示をするブラウザっていうのが、もっと普及しないとだめなんじゃないかなぁって思います。
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