ベイダー卿

情報流出とテストデータ

2009-01-22 16:53:28

コーホー、コーホー、こんにちは、お昼ごはんを食べ損ねたおかげで、お菓子がおいしいベイダー卿です

 

かなり前からですけれども、情報流出のニュース、多いですね。

あっちでもこっちでも、漏れまくり。

暮らし安全クラシアンとか呼んで修理してもらってくださいよってくらい、漏れてるわけですよ。

ニュースを見てると、流出の話を見ない日はないくらい。

多すぎて、もう驚かなくなってきてますね。

もうね。

ここまで来ると、こういうデータは、漏れちゃうものだと考えてた方がいいんじゃないかとすら思ってしまうわけですよ。

最重要機密であろう、デススターの構造データなんかも、お気軽に同盟軍に流れちゃうのですから、

機密情報の流出を止められないという現実は、どんなに科学が進歩しても、人間が関わる以上、変わらないんじゃないかと。

だとすれば、情報の中にたくさんの嘘データを混ぜといたら、どうだろう?、なんてことを思うわけです。

例えば、30人のクラスの住所録を1万人分のリストにしておくとか。

本物のリストに、9970人分の嘘データを追加したリストを作成。

さらに、嘘データの中に警察につながっちゃう連絡先なんかもコッソリ混ぜたりして。

クラスのメンバーは友達の名前がわかるわけですから、そのリストを名前で検索して友達の住所や電話番号はすぐ見つけられるわけです。

でも、赤の他人にはどれが本物のクラスメートなのかはわからない。

だから、もしもこのリストが流出しちゃっても、それを使って、電話での営業だとか、

怪しいダイレクトメールなんかを送ろうとすると、えらいことになります。

ほとんどがハズレですから。

しかも、地雷を踏むと、自分で警察に通報することになる。

僕が悪徳業者ならそんな効率悪くてリスキーなリスト、確実に捨てますね。

フォースでも判別不可能なものに用はないのです。

メールアドレスみたいに何万通送ってもあまりコストが変わらないものには有効じゃないかもしれませんけれども、

架空請求のハガキなんかは送る気が失せること間違い無し。

なんて…。

シスが襲ってこない、アンニュイな午後は、こんな妄想に時間をとられている僕。

本当に、情報流出事件、なくなって欲しいもんです。

で。

最初の話に戻しますけどね。

名簿のデータを流しちゃったニュース。

プログラマーとしてはちょっと笑えないのですよ。

システム作ったり、直したりするために、開発会社の社員も実データを見られるようになっていたこともあったのだとか。

セキュリティにはもちろん気をつけてますけれども、正直、僕は、見なくていいものなら、見たくないなと思いまして。

ジャバザハットが歩いてる場面並に見たくない。

でも、そういう仕事って回ってくることもあるのかなぁ。

いやだなぁ。

流出させた人を擁護する気はないですけれども、やっぱり、実データは最後の最後に入れてもらうことにして、

開発中はテストデータで乗り切りたいというのがプログラマー側としても本音なんじゃないかと。

そう、そのテストデータ。

これに関して、切ない出来事を思い出しましてね。

今日はそのお話。

 

かなり昔、ある会社に短期で出向してたときの事。

その会社、社内システムをつくろうなんてことになってましてね。

社員の名簿を入れたデータベースをメインに、いろいろな業務や書類管理をするシステムだったわけです。

で、その開発にちょろっと関わった僕。

そして、やっぱり必要になってくるのが、テストデータ。

開発が進み、さすがにまともなテストデータを作らなければと思いはじめましてね。

会議で、そのことを話題にしたのです。

僕 「そろそろ、ちゃんとしたテストデータがないと困るんで、適当に作っときます」

と、まあ、軽く言ったわけですよ。

別に珍しいことでもないですし、誰も異論ないだろうと。

ですが。

マスターウィンドゥ 「テストデータ? あったよね?」

と、開発グループのリーダーが言ったのでした。

それに呼応して、僕の隣に座っていたグループの一人が、

コーディー 「はい。このシステムの案が出たときに作ったのがありますよ」

と、あっさり。

しかも、グループのみんなも一緒に作って知ってるとのことで、うんうんと楽しげに頷いています。

僕 「そうなんですか?」

僕は後から合流したので、案が出たときの話は知らなかったわけです。

テストデータって、作るのがそれほど難しいわけでも、時間かかるわけでもないですけれども、面倒な作業であることは確かでして。

テストデータを作って売ってくれる業者もあるくらい。

なので、すでにあると聞いたときは、ちょっと安心したのでした。

ただ、僕は、重要なことを一つ見落としていたのです。

そのときのみんなの妙な笑顔を…。

でも、僕がそれに気づく前に話は進んでいましてね。

マスターウィンドゥ 「1000人分くらいのリストだけど?足りるよね?」

僕 「はい。それで十分だと思います。もし足りなければ、適当に作って足しますので」

ということで、テストデータの話は終わり。

ただ、会議の最後に、隣に座っていたコーディーが、やっぱり笑いを浮かべながら、

コーディー 「すぐに、データ送っておくから」

僕 「お願い」

コーディー 「ベイダー卿は何を足してくれるのか、すげー楽しみだよ」

と、白い歯をキラリと光らせて言い残したことが、気にはなったのですが…。

 

そして、デスクに戻ると、早速テストデータが送られてきました。

コーディー、ものすごく仕事が速いのです。

まるで、そのテストデータを誇示したいかのように…。

そして、テストデータを見た瞬間、異様な納得感が僕を包み込んだのでした。

そう、彼らの態度の理由が一瞬にして理解できたから。

と同時に襲ってきた脱力感。

あの瞬間のことは、絶対に忘れない。

とりあえず、それっぽく再現してみると、そのテストデータはというのは、こんな感じ。
 

番号    氏名     性別 所属  …

0001 綾○レイ       f ネ○フ
0002 惣流ア○カラングレー f ネ○フ
0003 ディー○リット    f エ○フ
0004 朝○南        f 明○学園
0005 峰不○子       f ル○ン一味
0006 ナ○シカ       f 風○谷
0007 メ○テル       f 銀○鉄道の客
0008 猪○柔        f 柔道家
0009 セ○ラマス      f ホ○イトベース
…
0999 フグ田サ○エ     f 磯○家
1000 竹○チエ       f じゃ○んこ 

 

見事に1000人分以上ありましてね。

見た瞬間、ライトセーバーを取り落としました。

でも。

プログラマーとして、その気持ちはわかる。

夜中まで、無機質なプログラミング言語とにらめっこしているんだから、このくらいの息抜きがあっても良いと思うわけですよ。

テストデータですし、誰に迷惑をかけるわけでもなく、仲間内で盛り上がるだけですから。

それに、1000人分の無意味なデータを入力しろと言われたならやる気も失せますけれども、

意味も思い入れもあるキャラクターのデータなら、作るのにむしろモチベーションがあがったかもしれないわけです。

彼らの笑顔からもそのことは一目瞭然。

逆に、良く考えたものだなと、感心もしたのでした。

でも…。

このリストには、一つだけ、致命的な欠陥があった。

もう、明らかに間違ってる点が。

リストを上から下まで全部見ましてね。

それに気がついて唖然としたのです。

それは、

僕 「女性キャラしかいねぇ…」

性別をキーにデータを処理するルーチンだってあるのに…。

見事に性別は”f”ばかり。

性別の項目、意味をなしてないし…。

これでは、テストにならんのですよ。

使えんのですよ。

そんなところへ、

マスターウィンドゥ 「テストデータ、受け取った?」

と、にこやかに話しかけてくるマスターウィンドゥ。

どうだ?いいだろ?といわんばかりのその笑顔を前にすると、小心者の僕には言えなかった。

「男性キャラが一人も入ってなくて困っている」だなんて、口が裂けてもいえなかった。

ある意味で神聖なテストデータにちょっとでもケチをつけることなど、僕には絶対に不可能だった。

アンタッチャブルなものがすぐ目の前にある不思議。

もう許してくれ…。

でも、マスターウィンドゥへの僕の答えは、

僕 「はい。バッチリです。このデータ、いいですね」

乗っちまった…。

流されちまった…。

ちゃんと言えない僕。

渦巻く自己嫌悪。

こういうことが積み重なって、人はダークサイドに落ちていくんだと実感したのはこのときです。

マスターウィンドゥ 「だろ?みんなでかなり苦労したんだよ」

僕 「あの…、これって適当に追加しても良いですか?」

テストをしたい僕としては、どうしても男性データを入れないわけには行かない。

でも、雰囲気的に「”男性データ”を入れる」とはいえない。

だから”適当”という言葉にすべての責任を負わせて誤魔化した。

マスターウィンドゥ 「お、いいねぇ。どんどん足しちゃってよ。いやぁ、ベイダー卿がわかる奴でよかった」

といって、満面の笑顔で去っていくマスターウィンドゥ。

僕の言ったことを絶対勘違いしてるであろうその背中を黙って見送るしか、僕にはなすすべは無かったのでした。

 

その後。

スターウォーズのキャラを大量に足して、データ的にはまっとうに(といっても、男性比率は1割にも到達しなかったですが…)したにもかかわらず、

なぜか、みんなに憮然とされたのは言うまでもないこと。

というか、むしろ、「お前、空気読めよ」的な視線を感じたような気がしたのは、僕が自意識過剰だったというだけではなかったんじゃないかと思うわけです。

ほろ苦く、切ないテストデータの思い出。

やっぱり、スターウォーズじゃなくて、ガンダムにすべきだったのか…。

今でも深く悩むところ。

でも、いい人ばかりで、結構楽しかったあの職場。

みんな、元気かなぁ。

あのテストデータ、さらに長くなってんのかなぁ…。

 

ニュースでやってたみたいに、名簿の実データが流出しちゃうのも大問題なんですけれども、

あのテストデータが流出したら、別の意味で問題なんじゃないかと思うわけです。

情報流出のニュースを見るたびに、そんなことがないようにと、切に願う今日この頃。

でも、あれ、流出しても、まじめなシステム開発に使ってるデータだとは、多分思われないんだろうな…。

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
  • 3件のコメント
#1   2009-01-23 08:38:45
職場の楽しい雰囲気作りと、趣味に走った悪のりは、判断に困る時ありますよね。
それとその現場、きっと、女性がいらっしゃらなかったんじゃないでしょうか。
いろんな意味で、一時的な環境で良かったですね。
#2   2009-01-27 10:17:26
う~ん・・・データの質を確保した上でちょっとしたお遊びくらいならいいですけどねぇ・・・
さすがにこれは引くなぁ
#3 ベイダー卿   2009-01-27 13:59:31
#1さん
予想通りです。さすがフォースの持ち主。事務に女性は居たんですけれど、開発には一人もいらっしゃいませんでした。やっぱり男性ばかりの独特の雰囲気がかもし出されておりました。
どこまでが良いのか?っていうのは、職場の空気が決めるようなものですから、難しいものですよね。

#2さん
様々な職場をたらい回しにされて、ちょこちょこと広く浅く見てきた僕でも、これはここだけでしたね。
とりあえず、いい人たちばかりのところでしたので、仕事自体はかなり楽しく、新しいこともやらせてもらったのでかなり有意義だったのですが…。

いろいろな職場があるもんです。
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