ゲームから学ぶ「おもしろさ」と「ハマる」の秘密

2010-03-12 09:39:00

シナリオ < ゲームプレイ

今はゲームと一言でいってもかなり意味が広い時代です。ジャンル、機器、オフライン/オンラインなど分類すればキリがありまません。最近 Web ではソーシャルゲームという人とのコミュニケーションを軸にしたゲームが幾つか出て来ています。日本でも流行しはじめている foursquare もその部類に該当します。人気になるゲームは「おもしろい!ハマる!」という言葉で表現されることが多いですが、おもしろいゲームとは一体どういった特徴をもっているのでしょうか。なぜ人はゲームにハマるのでしょうか。

Jesse Schell 氏の著書「The Art of Game Design」によれば、素晴らしいゲームには5つの要素があると定義しています。

Surprise (驚き)
自分が予測もしていなかったことが起こる。それに対して自分の経験と直感を活かし反応しなければならない
Risk (リスク)
すべてのアクションにはいくらかのリクスがあり、幾つか予測できるアクションからリスクが低いものを選択しなければならない
Reward (報酬)
多くのリスクを背負いながらも、その分何か大きな報酬をえることができる
Challenge (挑戦)
自分と同じかそれ以上の相手とのゲームは、より高い思索と注意深さを必要とする
Discovery (発見)
新しい戦略や遊び方をゲームをしているうちに学ぶことができる

5つの要素はそれぞれ重なり合う部分があります。例えば発見は驚きに繋がりますし、リスクを背負うことは挑戦ですが、高い報酬(勝利であったり高得点・高ランキング)へと導きます。すべての特徴が高い水準にある必要はなくても、おもしろいゲームは上記の特徴を上手く適応させています。これは RPG やシューティングゲームだけでなく、脳トレのようなタイプのゲームにもいえることです。戦うという概念がないソーシャルゲーム(例えばサンシャイン牧場)もそうですね。発見と挑戦の要素が高いですし、肥料や餌のあげかたで動物や植物の成長が変わるのでリスクも生じますし、がんばって育てることでさらに良いアイテムが購入出来るという報酬も存在します。また、友達の牧場を見ることが出来る(自分のを自慢出来る)というソーシャルゲームならではの報酬・発見・驚きもありますね。

ファイナルファンタジー13のカットシーンファイナルファンタジー13の戦闘シーン

昨年末、ネット上では様々な議論がなされていたファイナルファンタジーXIII。私は遊んでいませんが、あまり魅力的に感じなかったのは上記に挙げた素晴らしいゲームにおける5つの要素が欠けていたからだと思います。美しいグラフィックを見るという「驚き」はあったでしょう。しかし、ほぼ一本線のマップや敵が出るタイミングが同じでは、ゲームとしての驚きも挑戦もありません。皆、同じゲームを購入して遊ぶとはいっても、ひとそれぞれの発見や挑戦があるからこそ楽しいわけですし、その楽しさを人それぞれの視点から語れると思います。もしゲームとしての楽しみがなければ、たとえグラフィックやシナリオに趣向をこらしても素晴らしいゲームにならないということ示した例が新作のファイナルファンタジーかもしれません。

ハマるゲームの特徴

先日、Craked というサイトで「5 Creepy Ways Video Games Are Trying to Get You Addicted」という記事を読みました。Craked はゴシップやネタ系のサイトなので、おもしろおかしく書かれているものが多くこの記事も例外ではありませんが、ハマるゲームに関する特徴が幾つか書かれており、上に挙げた5つの要素をさらに深く掘り下げた部分があります。他の人が見れば、同じことをひたすら繰り返しているだけかのように見えるのに、遊んでいる人はそのゲームを楽しんでいるという光景はあると思います。その理由とは何なのでしょうか。

World of Warcraft:レベルアップのシーンドラゴンクエスト:メタルスライムとキングスライムの登場シーン

毎日の生活では味わうことが出来ない、達成感を短時間で味わうことが出来るがゲーム。戦闘に勝利したときの音楽、レベルが上がったときに表示される独特のエフェクト。こうした達成感の演出だけでなく、Aを手に入れればBへ進むことが出来るといった挑戦も達成感を与えてくれます。「またあれが見たい・聞きたい・体験したい」という理由で一見雑魚を倒すというつまらない作業もゲームとして楽しめることが出来ます。

達成感を味わうために同じことでも何度もするわけですが、それが単調では飽きてしまいます。そこで重要になってくるのが「Surprise (驚き)」です。ランダムで何かアイテムが落ちるなど、思いがけないところで報酬があるのはゲームをさらにおもしろくさせてくれます。次何かすればアイテムを手に入れると分かっていたらおもしろくないですが、手に入れれる「かもしれない」という部分が楽しみでもあり驚きに繋がります。挑戦に対する報酬の関係や、驚きを生み出すランダム性をどのようにバランスをとるかという部分にゲームデザイナーは日々思案しています。

foursquare もそうですが、最近 Web サービスでもゲーム的な要素が盛り込まれているケースを見かけます。今回紹介したおもしろいと思えるゲームの特徴への理解を深めることで、楽しめる Web サービスを作るヒントになるかもしれません。ゲーム的な要素を盛り込まないサイトでも、会員登録やショッピングのフローに「報酬や発見」といった要素を加えることで最後のタスクまで利用者を誘導出来るようになるかも。

Background photo is taken by Frenkieb

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
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