10/GUIとマルチタッチインターフェイスの可能性
マウスとキーボードを使って GUI に表示されている情報を操作するという手法は 30 年以上採用され続けています。多くの方が慣れ親しんでいる方法とはいえ直感的に使えるわけではありませんし、複雑な操作をマウスだけで行うのは難しいです。今の時代に合ったマウスに代わる次世代の操作を模索している動きは以前からありますが、10/GUI はその中でも出来が素晴らしいです。Techcrunchをはじめ幾つかのサイトで紹介されているので、既にご覧になった方もいるかと思います。
次はタッチスクリーンと考えがちですが、手が邪魔でスクリーンが見えなくなるという問題があります。これを解決した例としてデバイスの裏からタッチする Nano touch というのがありますが、小さなデバイスに限られた手法です。10/GUI はタッチパッド上で操作するという実に無難な解決方法を選んでいますが、一緒に紹介されているインターフェイスと操作方法が絶妙で新たな可能性を感じさせてくれます。
幾つかのウィンドウが横並びに配置されており、アプリケーションの変更も左右にスワイプしたり、拡大・縮小をして全体像を見渡せるようになっています。Mac にもある Expose と Spaces が合体してジェスチャーに最適化されたような感じがします。メニューの扱い方など使い勝手が違いますが、ウィンドウを隙間なく並べて管理するアプリケーションは X Window System (X11) で既に幾つかあり、wmiiやawesomeがその例にあたります。
ジェスチャー操作が簡単そうですが、ひとつ疑問なのが文字入力など操作はどのようにするかという点です。タッチパッドとは別にキーボードを用意するのもアリでしょうけど、あまりエレガントな方法とはいえません。この課題に既に取り組んでいる企業があり、FingerWorks の TouchStream LP がそのひとつです。一見、少し形が違うキーボードに見えますが、キーボードの上でジェスチャーを行うことで様々な操作を行うことが出来るようになっています。拡大・縮小、ワープロの基本操作、ショートカットまで様々な操作をジェスチャーで行うことが出来ます。FingerWorksは、2005年に Apple に買収されており、その技術は iPhone やノートパソコンのトラックパッドに活かされています。もしかすると今後 TouchStream LP のようなキーボードが Apple から出るかもしれませんね。
タッチパネルのもうひとつの問題として、アクセシビリティがあります。手触りによる手がかりのない平面上のスクリーンで、目が見えなくても操作が可能なのでしょうか。この課題には Android が取り組んでおり、Eyes-Free Project を立ち上げ様々な開発が既に行われています。何が出来るかは Google I/O 2009 で披露されたこちらのデモビデオをご覧ください。音声認識はもちろん、スクリーン上であれば何処からでも操作を始めたり、文字入力を始めることが出来るのは素晴らしいですね。
10/GUI は次世代インターフェイスの議論に新たな視点を加えてくれたという点で素晴らしいですし、周辺のテクノロジーをみても誰でも使えるマルチタッチインターフェイスはすぐそこまで来ていると実感出来ます。
余談になりますが、Evoluent Vertical Mouse や AirObit Quill Mouse のような、ボタンが縦向き配置されているマウスもあります。図解を使って腕にやさしくて自然と説明しているものの、なんとなく使い難そうです。
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