好ましいという感情と使いやすさの関係

2009-08-25 10:36:07

もう2年以上前の話になりますが京都で講演をしたとき、利用者に響くWebサイトにおける構成要素を幾つか紹介しました(スライドはこちら)。機能性や有用性のようなユーザビリティに関わる要素だけでなく、有意義や満足度といった感情に関わる要素も紹介しました。利用者へよい体験を提供したいと考えているのであれば、こうした感情的な要素は外せません。利用者にとって有益なコンテンツを提供しているかどうか判断する上でも感情的な部分はひとつの測定要素といえるでしょう。人間のもつ特性や要因を把握し、利用者に良いと思ってもらうようにデザインすることを「Desirability」と呼ぶことがあります。

あまり聞かない言葉ですが、Useful, Usable and Desirable: Usability as a Core Development Competenceという Desirability に関する記事をマイクロソフト社が公開しています。ユーザビリティへの影響力は非常に高く、気に入ってもらうことで多少使い難いサイトでも使い続けるといったケースも出てきます。ここでいう「気に入ってもらう」部分はビジュアルに大きく関わっており、美的センスが利用者にどう響くかによって、入り込み方も違ってくるでしょう。場合によってはユーザビリティに追求するあまり使うモチベーションが落ちることもありますし、見た目が使うモチベーションそのものということもあるでしょう。

では、ユーザビリティはユーザー体験を考えるにおいて Desirability ほど重要ではないといえば、そうではありません。ユーザビリティが Desirability に大きな影響を及ぼす場合があります。利用者は Webサイトが使い難くかったり、欲しい情報に行き届かなかったとき、サイトではなく操作が出来ない自分が悪いと考える場合があります。こうした感情を与えないためにもユーザビリティは軽視出来ません。使いやすいかではなく、楽しく楽に使えるかというのがユーザビリティと Desirability をバランスよく考慮する上で必要な視点といえるでしょう。この辺の考察はヤコブ博士が 2002年に公開した User Empowerment and the Fun Factor という記事が参考になります。

Desirability も測定する方法が既にあり、マイクロソフト社が Desirability Toolkit (.doc) という資料を公開しています(HTMLバージョン)。こちらは以前 UX を構成する要素と測定方法という記事でも紹介しましたが、リアクションカードはユーザーテストの際に盛り込めそうな方法のひとつです。Desirabilityという言葉を使うかどうかはどちらでも良いと思いますが、利用者のシンプルなリアクションから真意を読み取り、デザインに活かせるようにしたいですね。それが結果的に利用者にとって好ましい/望ましいサイトになるためのきっかけになると思います。

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ
このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]