念のため症候群からの離脱

2008-10-31 16:01:31

ガジェット好き、新しもの好きにとってスペックが使う理由、買う理由になると思います。機能の数が多ければ多いほど良いという傾向があります。携帯電話もここ数年「デザインケータイ」と呼んで装飾を凝り始めましたが、機能の数を競っているのは従来と変わりないです。また Word や Photoshop といった大きめのソフトウェアだと、次のバージョンが出る度に新しい機能が幾つ付いたのかが強調されます。シンプルを強調している Apple でさえ、新しい OS がリリースされると「100以上の機能が追加」といっています。

機能の多くは「念のため」に付けられているものは少なくありません。使う可能性は低くても「もしかすると使うのかもしれない」という思いから機能が多いほうを選ぶことがあります。使わないとしても、そこに機能があるということで安心感を得ているのかもしれません。

欲しいときになかったらどうしようという不安から解放されるためとはいえ、それを引き換えにしていることもあります。「念のため」に実装されている数多くの機能から「本当に必要な」機能を探し出す手間やストレスはあります。デバイスやソフトウェアを操作するのは楽しいこともありますが、本当にしたいことは、デバイスやソフトウェアを使うことによってタスクを素早く終わらせたいり、他のことに時間を費やすことではないでしょうか。使うことそのものが作業になっていることも少なくありません。

機能は少ないほうが良いというのは単純すぎる答えでしょう。機能は少ないと不満足に繋がります。何にでもそうですが、バランス感覚が重要です。多すぎず少なすぎずという最適なスポットを探し出し、デバイスやソフトウェアそのものが価値ではなく、それらを使うことによって価値が生まれるようなサービスが必要です。

機能だけがお金に換算出来る価値になるのは少し寂しいですし、いずれは頭打ちしてしまいます。お金で何でも買おうと思えば買えてしまう現代だからこそ、目に見えるものだけでなく、感情や体験といった見え難いものに価値を求められていると思います。それは単にエンジニアががんばる、デザイナーのクリエイティブによるといった特定部分ではなく、様々なレイヤーで携わる人々による隔たりのないコラボレーションによって初めて生まれる価値ではないでしょうか。

デバイスやソフトウェアを作るベンダーだけでなく、消費者である我々もスマートになる必要はあるでしょう。広告をずっと見ていると、「念のため症候群」にかかってしまいます。本当に必要なものは何か、つまり自分にとっての最適なスポットを見極めれるようになりたいですし、自分のニーズに限りなく近いものが存在するほどのバラエティが今はどの分野にもあると思います。無料で試せるものも少なくありません。

ウェブは多くの方に情報を配信・共有が出来るので、マスメディアような要素がありますが、ウェブの本領が発揮出来るのは実は利用者ひとりひとりにきめ細かいサービスを提供出来るところです。万人に受けなくても特定の人たちにとっての最適なスポットを提供することで、素晴らしいサイトに成長することがあります。ウェブサイトを作る際は特に「念のため症候群」にならないように気をつけたいところです。

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
  • 新着記事
  • 特集
  • ブログ