山田井ユウキ

ヒットするボカロ曲の条件を考えてみた

2012-05-08 07:00:00


builder読者の皆さん、こんにちは。 

金曜日担当の山田井ユウキです。 



今日は「ヒットするボカロ曲の条件」を考えてみたいと思います。

統計を取ったわけではなく、単なる印象論です。

ボカロで曲を作ったことのないボカロファンの戯れ言としてご覧いただければ幸いです。

あくまでも「ヒット曲の要素ってこういう感じなのかな」という仮説であり、「こうすればヒットする!」というわけではないのであしからず。



【1】タイトルとサムネイルに全力を注ぐ

これ、別にボカロに限った話ではないのですが、特に「これからボカロPデビューするぞ!」という人の場合、実績がなく固定ファンがいません。

となるとたくさん並んだ動画の中からたまたま見つけてもらう必要があり、その際に「どうやってクリックさせるか」が最初の勝負となります。

この場合、ユーザーに伝えられる情報としては、タイトルとサムネイルしかありません。なので、そこに全力を注ぎ込む必要があります。


まずタイトルですが、「【初音ミク】『曲名』【オリジナル曲】」のように、一目見ただけでその動画の内容(ボカロオリジナル曲であること)を伝えられるものにすることがキモです。

その上で、曲名もなるべくパッと見で読みやすいもの、印象に残るものにしたほうがいいのではないかと思います。

個人的には、

・英語(アルファベット)よりもカタカナを使う

・シンプルなタイトルにする場合はなるべく他と被らないよう特徴的な単語を使う

この2つが重要かなと思います。


実際、再生数の高いボカロ曲は、英語で表記できるタイトルでもカタカナで表記しているものが多い印象を受けます。

ワンダーラスト」とか「アンハッピーリフレイン」とか。

アルファベット表記でもかっこいいのですが、カタカナの方が初見では断然頭に入りやすいですよね。

あとニコ動ユーザーには小中学生も多そうですし。


また、一単語だけといったシンプルなタイトルの場合は、なるべく被らないような特徴的な単語を使う方がいいと思います。

あまりにも一般的な単語だと、他と被りやすいので印象に残りにくくなりますし、検索にも引っかかりにくくなります。

僕は曲を検索で探すときに、「その曲のタイトルで印象に残っているフレーズで検索」→「再生数で並び替えて一番多いもの」という風にやることが多いので、そのときに関係のない動画がわっと出てくると探しにくくなって機会損失につながってしまうかもしれません。

少なくとも、曲名を思いついたら一度検索して、被っていないかどうかを確認する作業はやった方がいいでしょうね。


たとえば「1925」とか「マトリョシカ」などは、シンプルですがインパクトもあって他とも被らない良いタイトルだと思いました。


もしくはそういうのを全部ぶっちぎって、「家の裏でマンボウが死んでる」みたいなインパクトを最重視した方向に行くのもいいかもしれません。


次にサムネイルですが、タイトルと同じくクリックしてもらうための非常に重要な要素です。

昔は初音ミクの公式の立ち絵のみというパターンも多かったのですが、今では様々な絵師の方がイラストを提供しており、クオリティの高いサムネイルが非常にたくさんあります。

動画のサムネイルは、CDにとってのジャケットです。CDをジャケ買いする人がいるように、イラストで目を惹くことも大切。

たとえば他の動画ではあまり使われていない色をサムネイルのメインカラーにして目立たせるとか、あえてシンプル路線でいくとか、色々戦略はあるかと思います。

ぶっちぎりにしてあげる♪」などは、最初サムネイルを見たときに二度見して、思わずクリックしてしまいました……。


【2】イントロは超重要

再生ボタンをクリックしてもらっても、勝負はまだ終わっていません。

次は「いかに最後まで聴いてもらうか」という勝負が始まります。

ボカロ曲は一般的なJ-POPと同じでだいたい3~5分くらいであることが多いのですが、3~5分は動画としては結構長めです。

最初からそれ目当てで来てくれたファンならいいのですが、たまたま立ち寄っただけのユーザーだと、イントロで惹かれるものがないと帰ってしまいます。

そのためには、

・イントロをとにかくインパクトのあるものにして、「お!?」と思わせる。

これがすべてだと思います。


個人的な好みになってしまいますが、

千本桜」とか「ダンシング☆サムライ」は、他のボカロ曲より特別聞き込んだというわけでもないのですが、イントロはすぐに口ずさめてしまいます。

先日行われたライブイベント・ニコニコ超パーティーでも多数のボカロ曲が披露されましたが、イントロを1~2秒聴いただけで「あの曲だ!」と会場がざわめく場面が多々あり、やはりヒット曲は違うなぁと感心してしまいました。


なお、イントロを印象的にするための手っ取り早い方法としてサビのメロディーをイントロに持ってきたり、そもそもサビからスタートする「サビ出し」の手法が一般的です。サビはその曲のメインディッシュ。それをあえて最初に聴かせてしまうわけです。

昔から使われているポピュラーなやり方ではありますが、そもそもユーザーがいつ離脱するかわからず、サビまで聴いてくれるかどうかすらわからないニコニコ動画ではかなり有効な手法ではないかと思います。

ワールドイズマイン」とか「ハッピーシンセサイザ」などが代表的でしょうか。


【3】コメントしやすい流れを意識する

ニコニコ動画の場合はコメント機能があるので特にそうだと思いますが、コメントしやすい曲であることは重要です。

・コメントで何を書けばいいかわかりやすく提示してやる

ということですね。

ライブでいうと、客席からの合いの手のポイントを作ってやるということです。

ニコニコ動画は24時間擬似的なライブが行われている状態なので、それを意識した盛り上げ方は大事なんじゃないかなと思います。

これがうまくハマると弾幕が発生して、盛り上がっている感も出ます。

といってもそういうのが露骨に見えてしまうとユーザーが萎えてしまうこともあるので、難しいところではあります。

最近だと「FREELY TOMORROW」などは、コメントでの合いの手がうまく掛け合いとしてハマった好例と言えます。


【4】歌詞は“共感”を意識して

歌詞については好みやセンスによるところが大きいので何とも言えないのですが……

あえていうなら、ユーザーの共感を意識した歌詞にすると息の長い作品になりそうな気がします。

何を当然のことを、と思われるかもしれませんが、ニコニコ動画、特にボカロファンには若いユーザーが多く、ヒットさせるにはボリュームゾーンである彼らの共感を得る必要があります。さらに一般的なJ-POPに比べると恋愛系の歌詞は比較的少ない印象です。このあたりをどう見るか、でしょうか。まぁそういうのを意識すると逆効果だったりもしそうですけど。

たとえば「コンビニ」という曲は、曲の良さもさることながら、コンビニという身近なモチーフを扱った歌詞が共感を呼んでヒットしました。

また、歌詞を物語風にして、ストーリー面でユーザーを楽しませるのも有効だと思います。

悪ノ娘」などが好例ですが、こういうのを作るのはものすごく難しいでしょうね……。


歌詞が良い場合、PVなどの二次創作が作られることも多く、そうした広がりもファンの楽しみの一つです。

たとえば「ダブルラリアット」は、「チャーハンつくるよ!」のAAと組み合わせたPVが登場し、そちらもすばらしい動画でした。



……ということで、ヒットボカロ曲の要素を色々と考えてみましたが、あまりこういうのを狙って作ると面白みがなくなりそうでもあります。

締切りもノルマもなく、自由に発表できるのがニコニコ動画の良さなので、結局は表現したいものをありのままにぶつけるのが一番かなとも思います。


以上、身も蓋もない結論でした。





※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
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