山田井ユウキ

孫正義氏のプレゼンは非常に巧妙で狡猾だった。

2011-10-07 07:00:00


builder読者の皆さん、こんにちは。

金曜日担当の山田井ユウキです。


いよいよiPhone4Sの発表があり、予約受付が始まりましたね!

今回はソフトバンクとauの両方から出るということで、乗り換えも含め迷っている方も多いのではないかと思います。

そこで比較記事を書こう……かと思ったのですが、もうすでにわかりやすい記事がネットにはごろごろしておりますのでそれはまたの機会に。

で、今日はたまたまソフトバンク社長・孫正義氏の記者発表会の中継をニコニコ動画で見ていたのですが、いやはや孫氏のプレゼンはさすがでしたね……。

実際のところはauの参入でかなり焦りもあるはずなのですが、ここで顧客をつなぎ止め、「iPhoneならやっぱソフトバンクだな」と思わせるための様々な策を講じてきており、孫氏のある種の狡猾さがはっきり見えた記者発表会だったのではないかと思います。


1.実質0円の罠

まずは、もはや定番となった「実質」の罠です。

これだけ見るとまるでiPhone4Sが無料で手に入るかのような錯覚に陥りますが、もちろんそこには様々な条件が隠されており、詳細は割愛しますが実質0円にするためにはその機種を最低24ヶ月間使い続けなければいけないわけです。ちなみに880円の64GBモデルなら実際は24ヶ月払い続けるため、21,120円が端末代となります。

これはもう昔から当たり前のようにあるトラップですので皆さんもよくわかっていると思いますが、それでもこういう出され方をすると、何だかものすごく安い買物であるかのように思ってしまいますよね。あえてやっているのだと思いますが、本来は画面上部に「月額料金」と記載があっても「880円/月」と書くべきだろうと思います。

とにかく「0円」というインパクトを打ち出し、かつ嘘にならないギリギリのラインを守るために、色々と数字を操作しているわけですね。


2.iPad2はタダではない

次に「アレ、コレ、ソレ キャンペーン」で目玉として発表された「iPhoneユーザーならiPad2が安く手に入る」キャンペーン。

プレゼン時に孫氏は「タダにする」とハッキリ言ってから発表に入っていますが、これは正確ではありません(後述)。

が、まず「タダ」というインパクトのある言葉で引いておいてからiPad2の「0円」という数字を見せているため、本当にiPad2が丸ごとタダで手に入るのかと勘違いしてしまう人もいたと思います。

……このカラクリはどういうことかというと、無料なのは基本料だけで、端末代はしっかりかかるのです。しかも基本料も月々の通信量が100MBまでという制限付きです。

この「100MB」という数字については孫氏から「iPadユーザーの約4割が100MB以下です」と説明がありましたが、そりゃiPad2買っても宝の持ち腐れでぜんぜん使ってない人もいるだろうし、通信しない使い方をしている人もいるでしょうからね……。

100MBというのは、iPhoneでも毎日普通に使っていれば達してしまうレベルの通信量です。

他にうまい言い方がないのかもしれませんが、100MBという表現もうまいですね。普通は100MBとか言われてもピンとこないので、「ユーザーの4割が100MB以下なら自分もそうかも」って思ってしまいそうですもんね。

で、要するに孫氏が言った「タダにする」には色々と言葉が省略されていて、正確にいうなら「(基本料を)タダにする(ただし月々の通信量100MBまで)」となります。もしこれをハッキリ断言すると言葉足らずとして責められるかもしれませんが、記者発表では発表に入る前にポロッと、“口を滑らせた”くらいのノリで漏らしており、タイミング、間の取り方などが絶妙でした。


3.「分割払いの残額無料」は意外とSBにダメージを与えない

次に3G/3GSユーザーの割賦の残額を無料にするという一見すると衝撃的な発表ですが、よく考えてみると3Gはもちろん、3GSもちょうど発売から2年以上が経過しているため、多くのユーザーはすでに端末代を支払い終わっているんですよね……。

つまりこの恩恵を受けるのは、発売からだいぶ経ってから3GSを分割払いで買ったユーザーのみが対象となるわけです(3Gも対象だけどさすがに4が出る直前とかで買う人はそうはいないと思う)。

まあiPhone4ユーザーの残額まで無料にすると会社が傾きそうなので難しいでしょうけど、利益へのダメージを最小限に押さえながらインパクトを最大限に持っていく実にうまい作戦といえます。この発表が個人的には一番感心しました。



……といった感じで、孫氏のプレゼンは本当に巧妙でした。

ボーッと見ていたらあっさりだまされてしまいそうです。

まあ、とはいえauもソフトバンクと比べてお得かというとそうでもなく、料金的にはほぼ互角といったところ。

ソフトバンクがシェアを守るのか、それともauがソフトバンクからユーザーをもぎ取るのか、今後の2社の動向に注視していきたいですね。





※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
  • 11件のコメント
#1 hiro   2011-10-07 23:53:17
狡猾な手口をまんままねしてるauはもっと批判されるべき
#2 suzaku183   2011-10-08 00:36:38
ソフトバンクだけを批判するとか情けない記事
auには批判するところが何もない訳ではあるまい
#3 hoi   2011-10-08 00:59:12
auは「web通信中の着信不可、音声通話中の通信不可」とは一言も言ってない。
しかも公式サイトにはどこにも記載されていない。
こっちのほうが巧妙だと思うんですが…
ボーッとしていたら、バリ5で繋がる場所にいるはずなのに繋がらないスマホって事になりますよね。
#4 p   2011-10-08 02:34:12
ソフトバンク信者はおつ。auの電波はしっかりとインフラされている。
#5 かなり一歩的な記事だな。。。   2011-10-08 04:50:44
今更こんなのに「騙されるやつがいる」と言わんばかりにしたり顔で書く記事ってかっこ悪いな。。。

>もちろんそこには様々な条件が隠されており、詳細は割愛しますが

ちょwww。孫同様にお前も割愛するのかよwww。


ちなみauiPhoneも実質0円表記。32G以上のモデルだと実質価格は安く見えるけど、本体一括価格だとあら不思議。auの本体価格はえらく高い。それはどうよ?割愛するんですか?

(´-`).。oO(むしろ、利用状況に応じたキャリア提案した方がいい。アレコレソレキャンペーンも「普段はiPhone。だけど数ヶ月に一回の旅行で使いたい」なんて人にはWiFiモデル買うより相当お得だぞ。。。




アレコレソレキャンペーンも

#6 どっちの信者でもない   2011-10-08 10:13:34
文句を書いている人達はどっちかの信者らしい気配がして気持ちが悪いですね。
もう少し人のBlogにコメントするときには礼儀を守った方が良いでしょう。

両社とも四苦八苦という印象を受けています。孫氏のプレゼン、Ustで拝見して
ましたが、実質の罠や3/3GSの残割賦免除についての影響度0等は直ぐ解る
話なので騙される人は少ないでしょう。iPadの話等もその類ですね。
もう少し深い考察が望まれている様に思います。
何かあるとすぐにどっちの味方だとか善悪で判断しがちな単純な価値観が
ネットでは多いのでそういう点を意識されては如何でしょうか?
#7 通りすがり   2011-10-08 22:11:24
どっちも四苦八苦してあの手この手で工夫するから「競争」足り得る訳で...
#8 D5   2011-10-09 01:34:03
なかなかうまい記事ですね。普通こう言った批判的な記事は読むと憤慨したり、軽蔑されると思いますか、中身を読むと納得する内容になっていて、実に皮肉たっぷりでユーモアがある書き方だと思いました。ソフトバンク関係者が読んでも苦笑するオモシロさだと思います。
#9 ダダダダ   2011-10-09 01:41:12
てか孫正義のプレゼンについての記事だからSBの話ししてるわけで、auの批判はしてないから不公平とか見当違いにもほどがあるだろ・・・
逆にauのプレゼンの記事でSBについても同じ量だけ書かれてたらおかしいから
#10 docomoユーザーとして静観しているが   2011-10-10 04:29:55
キャリアにとっては、少しでも長く使ってくれるユーザーこそが「お客様」であって、端末を安く買って即解約→他社のSIMを入れて安く使いたい…なんて貧乏根性丸出しのユーザーの視点で安易に「狡猾」という言葉を使うのはいかがなものかと思います。
#11 Hiro   2011-10-17 22:37:22
この方のナナメ読み感が好きです。
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