山田井ユウキ

twitter上で展開されるミステリー小説「クローズド・サークル」が面白い

2009-12-18 07:00:00

 

builder読者の皆さん、こんにちは。

金曜日担当の山田井ユウキです。

 

今年に入ってからにわかに注目を集め始め、どんどんユーザーを増やしているウェブサービス「twitter」ですが、

世の中には「twitter小説」なるものも登場しているらしく、みんな色々なアイデアを思いつくなあと感心しているところです。

 

で、twitter小説というのは通常、“140文字で書いた文章をつないで小説にしている”ものか、

または“140文字内で完結する超短編小説”のどちらかに当てはまるのですが、

今回ご紹介したいのは、そのどちらでもない新しいタイプのtwitter小説です。

 

小説のタイトルは、

「クローズド・サークル」(→公式サイト

作者は以前ちらっと当ブログでも紹介したことのあるサイト「テキスト王」の工藤氏で、ジャンルはミステリーです。

詳細は公式サイトを読んでいただくのが一番なのですが、かなり実験的な試みということもあり、今もなお頻繁にバージョンアップが繰り返されているようですので、とりあえず現状を本稿でまとめてみようと思います。

 

 

■他のtwitter小説と何が違うの?

 

twitterそのものについての説明は今回は省きますが、

この「クローズド・サークル」の面白いところは、

takayuki2010

hayatod

という2人の登場人物(もちろんbotですが)のリプライのみで話が進んでいくこと。

つまり普通の小説と違って地の文が一切ないのです。

 

それ、何の意味があるの? と思われるかもしれませんが、

地の文がなく、botの発言の掛け合いのみで話が進行するということはつまり、

自分のタイムラインに自然な形で彼らの発言が挿入されてくるということであり、

例えば「ケーキ美味しいです♪」と、「FF13、買ってきたぜ!」という発言の間に、「○○が死んでる……!」 みたいな衝撃的な発言が割り込んできたりするわけです。

もうそれだけでも、他のtwitter小説とはまったく違う面白さがあるのではないかと思います。

 

 

■どんな話なの?

 

内容はミステリー小説によくある「孤島の殺人事件」モノで、

―――

貴之(takayuki2010)は高校時代に入っていた軽音部の同窓会が行われている孤島で殺人事件に巻き込まれます。こういう話ではよくあるように、運悪く大型台風が直撃して警察がいつ来るかはわかりません。

貴之は事件が起きる前からTwitterで会の様子を伝えていた相手で、携帯電話を止められて部屋に籠もっていた親友の颯人(hayatod)に殺人事件が起きたとメッセージを送り、暴風雨の中の孤島と1Kのアパートに分かれている二人はTwitterを介して事件解決へと乗り出します。

(公式サイトより)

―――

という感じ。

twitterを使って犯人を捜すという展開に無理が出ないよう、うまく考えられていると思います。

 

 

■「クローズド・サークル」を読むためにはどうすればいいの?

 

基本的には先ほどの2人、「takayuki2010」と「hayatod」の両方をフォローするだけでOKです。

ただし、物語は始まりと終わりの時間が決まっていて、

毎日必ず「9時-13時」「19時-23時」の2回、タイムラインに流れてきます。

だいたい数分間に1回どちらかが発言するペースで、一度や二度見逃しても問題ないので、

タイムラインに4時間みっちり張り付いて読むというよりも、あまり意識せずに他のつぶやきと同じ感覚で読むくらいでいいんじゃないかと思います。

 

注意すべきは、“小説”が始まる前にフォローしなければいけないということ。

たとえば物語進行中の12時半とかにフォローを開始すると、いきなり物語のネタバレが流れてくるという笑えない事態が発生します。

botは時間を基準に動いており、こちらのフォローをきっかけにスタートするわけではないのでそこは気をつけたいところです。

なお、物語のログは公開が終わると次のスタート時間まですべて消去された状態になっていますので、進行中以外の時間帯であればうっかり開いてネタバレということはありません。ご心配なく。

 

 

■「クローズド・サークル」のネタバレなし感想

 

ここからはネタバレなしで、僕の個人的な感想を書いていきます。

botのリプライを使って物語を紡いでいくというスタイルは非常に面白いと思うし、

それがタイムラインに紛れてくるという見せ方もうまいやり方だと思います。

 

しかし、先ほども書いたように、ある程度の数の発言は見逃してもOKですが、

フォロワーが3桁を超えるような人の場合、ちょっと目を離すだけで100や200の発言が流れていってしまうため、

クライアントソフトを使っていても後から見逃した発言を追うのはかなり大変なのではないかと思います。

この場合はリスト機能を使うなど、工夫して対応したいところです。

 

また、4時間というと長く感じますが、実際には数分に1回投稿される140文字以内のつぶやきを通して物語が進んでいくだけなので、

内容的には普通の小説よりはだいぶ短めという印象です。

もっと長い話も読んでみたいなーと思うのですが、かといって長時間twitterに張り付き続けるわけにもいかないので悩ましい……。

 

作者はまだまだ物語や発言間隔などに手を加えて調整されているとのことなので、

今後の展開と、次回作にも期待ですね。

 

 

 

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
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