「ネットで有名」って言うけど、どこからが「有名」なの?
builder読者の皆さん、こんにちは。そしてあけましておめでとうございます。山田井ユウキです。
この記事は実家の両親のPCから書いているのですが、「あけましておめでとうございます」とタイプしてから変換すると「あけましてお(・∀・)め(・∀・)で(・∀・)と(・∀・)う!ございます」と変換されてちょっと本気でびっくりしました。
顔文字の使い方がアグレッシブすぎるだろオカン……。
それはさておき。
今回はちょっとネットについて思っていることをダラダラと書いてみたいと思います。
自分でもまだうまくまとまっていないのですが、書いているうちに考えがまとまったらラッキーぐらいで。
始まりは友人との会話でした。
「『メルト』がカラオケに入ったんだってさ!」
「メルトって何?」
「!?」
……実に他愛ない会話ですが、僕にとっては衝撃でした。
ネット中毒の友人が、「メルト」を知らないなんて!
にわかには信じられなかったのですが、ここでふと思いました。
「ネットで有名」って言うけど、どこからが「有名」なの?
先ほど例に出した「メルト」はいわずと知れた超有名ボーカロイドオリジナルソングで、ニコニコ動画でも総合ランキングで上位をキープしています。
ニコニコ動画を見ている人で「メルト」を知らない人はほとんどいないと言ってもいいでしょう。
なのにバリバリのヘビーネットユーザーである友人は「メルト」を聞いたこともないと言いました。
じゃあ、僕が「メルトって有名だよね」と思い込んでいただけで実はそうでもなかったのか、というとそれもまた違うと思うのです。
結局のところ、
メルトは有名なんだけど、それはニコニコ動画を見ている人の中での“有名”だった。
――というのが真相でしょう。
ネットではこういうことは多々あることです。
例えば僕がかつて貪るように読んでいた「テキストサイト界」では、「侍魂」というサイトを知らない人はいませんでした(当サイトでも取り上げました)。
しかしそれはやはりテキストサイトに日常的に触れていた人の共通認識であって、たとえば好きなミュージシャンのファンサイトしか見ない人は、侍魂のサの字も知らなかっただろうと思うのです。
つまり、
特定のコミュニティ内での「有名」は、コミュニティ外では通用しない。
ということであり、
それはつまり、
ネットでのコミュニティは、断絶された状態にある。
ということなんじゃないかと思うのです。
で、もうちょい掘り下げて考えると、
現実社会でたとえば「和田アキ子」を知らない人っていないですよね。
でも「メルト」は知られていない。
そもそもの知名度が違いすぎるので比較は難しいのですが、ここで言いたいことはそういうことじゃなくて、
ドラマを見ない人でも有名俳優のことを知っているし、音楽に興味がない人でも有名ミュージシャンの名前を知っているのは何でだろう?
ということをふと思ったのです。
この答えは一つしか考えられないんですよね。
テレビが、演劇界、音楽界、スポーツ界などの断絶されているコミュニティの情報のまとめ役になっている。
ってことだと思うのです。
テレビがなかったら、僕は流行っているお笑い芸人の名前とかまったく知らなかったはずです。芸人のライブとかぜんぜん行かないし。落語とかにも興味ないし。
テレビって受動的なメディアですけど、恐ろしいことになんとなくボケーッと流し見しているだけで、情報が刷り込まれているんですよね。
そう考えると、たまに「ネットがテレビを殺す」という意見を聞いたりするんですけど、それってぜんぜん違うと思うんです。
というか、そもそも「ネット」と「テレビ」は対立していないんです。
「ネット」に相対するのは「テレビ」じゃなくて、「リアル社会そのもの」なんです。
そして、リアル社会の浮ついた情報のまとめ役を担っているテレビという機能と同じものは、まだネットにはないんです。
大事なことなんでもう一度言いますけど、
テレビに対抗できるメディアは、ネットにはまだ存在しません。
だからネットのコミュニティは断絶したままなんです。
僕はネットにも「テレビと同じような機能を持った何か」が出来ることを期待しています。
そしてそれが出来てはじめて、ネットはマスコミに続く「第4の権力」になりうるんじゃないかと思います。
ただ、それはそれでネットの特異性が失われてつまんないことになるような気もしていますけど……。
今回は雑談気分で思ったことを整理せずにそのまま書いてみました。
自分でも穴だらけな話だと思うので、ビシビシつっこんでいただけると幸いです。
- 14件のコメント
これは、リアルとかネットとか関係無い話ですよね?
>テレビに対抗できるメディアは、ネットにはまだ存在しません。
どういった点について言っているのか分からないが、テレビ番組は主に1つの国の中でしか放送(サービス提供)されないのに比べ、Google、Yahoo!、amazon、ebayなどは、世界中でサービスを提供しており、「影響力・利用者数」と言った点で、その及ぼす力は、「対抗」どころか、テレビなんかとは比較にならないことは明白である。
>「テレビと同じような機能を持った何か」
この記事のように、「無意味なゴミ情報を垂れ流すことが出来る」という機能はテレビにもインターネットにも見られる機能である。
これは完全に歌番組とお笑い番組を垂れ流しにした家族のせいですね。
ネット上の流行ではこういったことは起こりにくいと思います。
むしろ、ネット上では流行れば流行るほど排他性を強め、狭く深くなっていくのではないでしょうか。
>リアル社会の浮ついた情報のまとめ役
テレビは何の操作もなく情報が流される。
これに対し、ネットはクリックしなければ情報に触れることは無い。
この差は結構大きいと思います。完全に新規の情報をネットで手にするのは難しいと思います。
総視聴時間としてはネット>テレビの私も、テレビで得た情報をネットで詳しく調べるという使い方が多いです。
ランキングは基本的に身内受けのイメージがあっておもしろくないので排除してる人もいますよ、、
例に挙がっているニコニコ動画だって、DTMに全く興味が無かった人達にも「初音ミク」を広めているし、東方projectの原作をやったことが無くても東方の曲やキャラクターだけは知っている、という人達も大勢いるでしょう。MAD作品を見て原作を手に取る現象(ポロロッカ現象だっけ?)だって存在する(だから角川はMADを公認している)。
「歌ってみた」「踊ってみた」「演奏してみた」あたりでは、一般的な文化とオタク文化が一緒に楽しまれている様子も見れるし「ニコニコ技術部」タグが付いた動画を見れば、こんな職種の人間が全力でバカなことするのかと驚かされます。様々なネタがごちゃ混ぜな「組曲ニコニコ動画」系だって大人気。
ニコニコ動画について適当に思いついただけでもこれだけあるのに、「ネットのコミュニティは断絶したまま」とはたして言えるのか。逆に、こういった雑多ともいえるコミュの結びつき方を、テレビが生み出せるかどうか。
私には、様々な制約にがんじがらめなテレビの方が、強大なコミュを生み出せる分、むしろ画一的なコミュの結びつきしか生んでいないんじゃないかと思えます(王子が流行ればルーキーにはみんな~王子と付けたがる、みたいな)。故に、テレビにおいてはコミュの盛衰は「有名」かどうかで計りがちになる。
ところが、ネットではコミュの盛衰はしばしばコンテンツの容量で量られることがあります(「初音ミク」は「みくみくにしてあげる♪」や「メルト」が大人気だからコミュが盛況しているのではなく、大勢の人が曲を提供しているから盛況している)。
その違いがあるために、「ネットで有名」というフレーズに違和感を覚えることもあるのではないでしょうか?
ご自身で仰るように、本来ネットとテレビは対立関係にはないでしょう。そして、だとすれば、ネットはテレビに対抗する必要もまた無いのではないでしょうか?
東方ファンだと未だに知られて無いかも。
侍魂しらなかった。
銀魂だと思って読んでたら
「さの字も」って言ってたんで。
ただ、ご自身でも書いてあるように、ちょっと論理がぐちゃぐちゃになってる気がします(^^;
テレビの中にお笑い、ドラマ、音楽、スポーツ、ニュースなどがあり、ネットの中に2ちゃん、ニコニコ、pixiv、ブログなどがある。
テレビでは、受動的に情報を受け取る中で、様々なジャンルの情報がある程度入ってくる。リアル社会の様々な情報がテレビという媒体を通してまとめられて、視聴者に流し込まれていく。(バラエティにミュージシャンが出たり、お笑い芸人がドラマに出たりと、コミュニティ間の交流も盛んですしね)
ネットでは、主体的に情報を受け取りに行く分、好みのジャンルについてしか情報が入ってこない。リアル社会と同じく、自分が接したところの情報しか手に入らない。
リアル社会との関係で言うと、テレビは一種のフィルターとなって、多様なジャンルをまとめる役割を持っている(リアル社会→テレビ→視聴者の構造ができている)のに対し、
ネットにはそのような役割を果たすものが無く、リアル社会と同様に多様なジャンルがバラバラに存在している(リアル社会orネット→視聴者といった構造になっている)。
といったところでしょうか?
強いて反論するなら、ニュースサイト(ゴルゴ31とか)がまとめ役に近い役割を果たしえますけど、それも現状ではジャンルごとに別々のニュースサイトがあって横のつながりは薄いですし……
もしそれができれば、ネット上の様々な娯楽もきっと市民権を持つようになるんでしょうね。
ライトユーザーは各ジャンルのおいしい上澄みだけをまとめてくれるサイトに行って受動的に情報を享受していればよく、ヘビーユーザーはそこからさらに深い部分まで潜っていってお気に入りのサイトやブログなどを見つける、そんなプラットフォームができるのが理想ですかね~?
でも「初音ミク」なら比較的に知られているんじゃないの。
「和田アキ子」は知っているけれど
「和田アキ子の歌の曲名」は何かと聞かれたら全く思い浮かばない。
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テレビに対抗しなくてもいい気がします。
テレビも見なければ情報入ってこないので(ちなみにテレビ持っていません)、
「テレビをつける=ネットにアクセス」
と考えると、
ネットにアクセスしたときに、URLに関わらず必ず流れる文や画像があれば同じようになるかも。