山田井ユウキ

ネット黎明期を支えた個人サイトたち―侍魂―

2008-10-31 08:24:00

builder読者の皆さん、こんにちは。
先週からブログを書いております山田井ユウキです。

今回は前回宣言した通り、「ネット黎明期を支えた個人サイトたち」のレビュー(?)をお届けしようと思います。

“支えた”と大層な言い方をするからには誰でも知っているような有名サイトを取り上げていくつもりですが、そうするとこんな風に思う方もいるかもしれません。

「有名なサイトをわざわざ紹介する意味あんの?」

と。

……確かにそれも一理あります。ただ、それは僕たち古い世代の感覚であり、ブログ全盛期からネットに触れた若人とかですと、これが意外と知らないものなんです。実際こないだティーンエイジャー(ネット歴2年)と話す機会があったんですが、有名サイトの名前どころか、ダイヤルアップという言葉を知りませんでしたからね。

もうね、そのときの僕の顔を皆さんに見せてあげたかった。たぶんギャンブル終盤のカイジみたいな顔になってたと思いますもん。そのときにね、思ったんですよ。「これはあかん!」って。「テレホーダイ世代の意地を見せたらなあかん!」って。なんか意味わかんないけどとにかくそういうわけで、今回の企画は生まれたのです。

ということで、すでに知っているという方はノスタルジーな気分に浸りながら、初耳だという方はブログ登場以前の混沌とした個人サイト世界に思いを馳せつつご覧いただけると幸いです。

―――

記念すべき第一回でご紹介するサイトは、「侍魂」。

個人サイトとしては初の1億アクセス超えを成し遂げたとされる、伝説のウェブサイトです。

1億てアンタ……国民総ネット時代になった現在でさえ1億アクセスを成し遂げた個人サイトはほとんどないというのに、まだネット人口がそれほどでもなかった7年前に、しかも1年ちょっとという短い更新期間での1億アクセスはさすが生ける伝説。

当然その影響力はすさまじく、現在でも数多くの侍魂チルドレンがネットのあちこちにひっそりと生息しています。

すでに更新はストップしていますが、まだログを見ることは可能なので、お時間のある時にでもゆっくりご覧ください。

―――

さて、このサイトを語る上で外せない要素は、なんといっても「黒バック」「フォント弄り」でしょう。

まずは「黒バック」について解説しましょうか。

サイトを見れば一発でわかりますが、このサイト、とにかく黒い。……別に黒い背景がダメなわけではないのですが、黒い背景に白い字という組み合わせは、かなりチカチカして見づらいんですよね。
「ブログデザインの基本を学ぼう!」みたいな本があったとしたら、やってはいけないデザインの代表例として載ってそうなぐらい目に優しくありません。

おまけにトップページを開くといきなりブラジャーを頭にかぶった侍の絵が目に入ってくるので、リビングのPCを家族と共有している方は若干の注意が必要です。

というか僕も今回の企画で久しぶりに侍魂を見たのですが、最近のPCモニターは画面が大きいので余計に黒さが目立ちますね。わかってたのに「黒っ!」ってびっくりしてちょっとのけぞりましたもんね!

―――

次に「フォント弄り」ですが、これは要するにフォントの大きさや色を変えること。侍魂では、赤や緑や黄色といったカラフルな色に加え、文字サイズがところどころかなり大きくなったりしています。

現在でもよく見る手法ではありますが、このやり方をとことん嫌っている人もいるようで、なかなか難しいところ。

ケータイ世代の若人に向けた説明をするなら、「フォント弄り≒デコメ」と思っていただくとわかりやすいかもしれません。文字を装飾するという点や、人によって好き嫌いがはっきり分かれるところがよく似ています。

ちなみに僕はデコメ好きですが、知人は未だにパケット放題プランにしていないため、デコメをうっかり開くと地雷を踏んだ気持ちになる(パケ死的な意味で)と言っていました。

ともあれ、侍魂人気全盛期だった2001年頃はこの手のサイトが雨後の筍のごとく増殖し、そしてブームの終焉と共に姿を消していきました。

僕の個人サイト「カフェオレ・ライター」もその筍の一つであり、危うく終焉しそうになりながらも奇跡的に生き延びて今に至ります。

―――

侍魂のオススメテキストはやはりブレイクのきっかけとなった「ヒットマン事件簿」と、ネット上に大反響を巻き起こした「最先端ロボット技術」。

内容についてはここでは多くは語りませんが、ちょっと気になるのが「最先端ロボット技術」の続編である「最先端ロボット技術外伝」にある以下の部分。

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この外伝全部で250キロバイト程度です
重いかもしれない

だが
これだけは見ておけ
私はこれを見たとき余りのショックに涙が出た
ゆっくり全てを読み込んでから見てほしい

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……250キロバイト「重く」て、「読み込みに時間がかかる」という表現に、あのモデムな日々を思い出して思わず涙が出そうになりましたよ僕は。

ちなみに現在のうちの回線で250キロバイトのページを表示するのにどれくらい時間がかかるのかツールで調べてみたところ、1.7秒でした。

技術の進歩って本当に恐ろしい。

次回は、侍魂とはまた違う視点から“笑い”を僕たちに提供してくれた最強のおバカサイト(褒め言葉)をご紹介したいと思います。

 

 

<続く>

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
  • 3件のコメント
#1   2008-10-31 15:10:22
侍魂……懐かしいですね!今でもたまに、思い出したように見に行ってしまう不思議な中毒性があります。
流行りましたよね~~。あの当時はネットをかじった人なら誰でも知っているほど。
これと同時に、私の地方(名古屋)では名古屋の歌も流行りましたよ。
フラッシュサイトです「名古屋はええよ!やっとかめ」
http://www.hi-ho.ne.jp/bassan/gallery-flash/nagoya.swf

それと、これはちょっと新しい(?)のですが、naked apeという漫画家さんのサイト↓
http://naked-ape.net/sorani/index.html
面白いので、私の周りではジワジワと流行っておりました(笑)
あまり知られていなくても面白いサイトはいっぱいありますよね。
毎週更新は大変ですが……
山田井さんが今後どのような紹介して下さるのか、とても楽しみにしております!
#2   2008-11-09 15:52:28
先行者の衝撃は忘れられません.
96年頃からグルメサイトを運営していた,さとなおの「自腹ん」(という名前だったと思います.うろ覚えですみません.)も取り上げていただけますか?
#3   2009-02-14 18:06:37
この記事がきっかけで久しぶりに侍魂に訪れました。
侍魂、ちゆ12歳、ろじぱら(今もやってます)オラサイト(取り上げて欲しいです)なんかの面白FLASHの数々。
その多くは個人のたどたどしい手つきで作られた物ばかりだったけど、自分は今よりも2000年から
2002年のこの時期が一番ネットにワクワクしてて好きだった時期かもしれないなぁ。
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