GAN彩坊

時にはちょっといい話

2008-09-20 00:00:07

明日が終われば四連休!
技術的なことがようやく書けそうです。

今日は美大時代に日本画のおえらい先生から聞いたちょっといい話です。

 

登場人物は、お師匠さんお弟子さんの二人です。

 

お弟子さんは自分の絵がどこか気に食わない。

一体どこが悪いのか分からず、知り合いにきいて回りました。

 

 

「どこもおかしくなんかないよ。素晴らしい出来じゃないか」

 

 

みんなそろいも揃ってそう言うわけです。

どこか気持ちの悪さを抱えたお弟子さんはついにお師匠さんの元を訪れました。

 

「おや。久しぶりだな。えらい荷物をもっておでましだな。」


「はい先生。どうしても納得が出来ないことがありまして、先生にご意見をいただこうと思いもってまいりました。」

 

「そうか。まぁ、お上がりなさい。」

 

居間に通されたお弟子さんは、お師匠さんに見てもらおうと絵を広げました。

 

「相変わらず君はせっかちなにんげんだな。どれどれ。よっこいしょ。君も隣に座りたまえ。」

 

お師匠さんに促されお弟子さんは隣に座りました。

 

 

 

「で、先生どうでしょう。第一印象は。」

 

「うーん。そうだなぁ。うーん。もう少しみないと何とも言えないな。」

 

 

「そうですね。今回はいつもより手を加えていますからね。」

 

 

「そうなのか。そうか。そうか」

 

 

お弟子さんはその後も先生の意見をもらおうと、お師匠さんに声をかけたが、

 

 

「そうなのか。そうか。そうか」

 

こう言うだけで、一向に意見を言ってくれるようもありませんでした。

 

 

(まいったなぁ)

 

 

先生に意見をくださいと頼んだ手前、帰るわけにもいかず。

いつしか自分の描いた絵をお師匠さんと一緒に眺めることになりました。

 

(あぁ、おそこの桜はなんてきれいに咲いていたことか)

 

 

(あそこは筆が進んだし。きれいな色合いがでたなぁ)

 

しらずしらずのうちにお弟子さんは自分が目の前の絵を描いていたことを思い返していました。

 

すると

 

 

「あっあそこ!先生あそこです。」

 

お弟子さんは自分でも驚くほど大きな声で叫んでいました。

 

 

「おいおいどうしたんだ」

 

お師匠さんはいたずらっぽくお弟子さんに笑いかけていました

 

 

(そうかっ!だから・・・まいったなぁ)

 

 

「先生ありがとうございました」

 

 

「おいおい。おかしなやつだなぁ。」

 

 

 

 

「私は何も言ってないじゃないか。」

 

またしてもいたずらっ子のような笑い顔を向けられ、
お弟子さんは恥ずかしさのあまり下を向いてしまいました。

※このエントリは ブロガーにより投稿されたものです。朝日インタラクティブ および ZDNet Japan編集部の見解・意向を示すものではありません。
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