exFATのライセンス提供開始に見え隠れするMicrosoftの知財戦略
Microsoftが、フラッシュメモリを主対象としたファイルシステム「exFAT」のライセンス提供を発表した。ライセンス提供はこれが初めてのケースではないが、今になって積極的にアピールを始めた背景には同社の知財戦略があるようだ。
Microsoftが、フラッシュメモリを主対象としたファイルシステム「exFAT」について、ライセンス提供に関する発表を行った。
exFATは、Windows Embedded CEから提供が開始され、現在ではWindow XP以降のデスクトップOSでもサポート。ボリュームサイズは最大256テラバイト、FATの上限である32Gバイトをはるかに超える。OS標準の機能として組み込まれているWindows 7の場合、そのままマウントおよび読み書きの処理を実行し、従来どおりエクスプローラのメニューからフォーマットを実行できる。あとは、デジタルビデオなど大容量のファイルを必要とするAV機器メーカー側のサポート次第だ。
しかしライセンス提供はこれが初めてではなく、8月にフィンランドのTuxeraとファイルシステムの知的所有権で合意した過去があることは、記事にもある通り。このTuxeraは、NTFS-3GなどオープンソースによるNTFSの再実装を進めるベンダーで、AV機器との関連性は低い。
それが何故今になってライセンス提供をアピールし始めたのかは不明だが、映像のHD化やRAW画像の普及を背景とした世間の要求だけではなく、早期の囲い込みがより重要とMicrosoftが再認識したからと考えるのが妥当だろう。現状Mac OS XなどほかのOSではサポートされず、ライセンスが供与されるTuxeraは(NTFSのときのように)オープンソースによる再実装を行うこともない。LinuxではexFATを読み取るための実装が開始されているが、Googleグループの会議室を見るかぎり、目立った進展はないようだ。
ということは、MicrosoftのexFATに関する知財戦略は“まんまと”進む可能性が高い。FATではオープンソースによる再実装を巡り法廷で争われる(関連記事)など、Microsoftが後手に回った印象もあるが、Tuxeraへのライセンス供与に見られるように、exFATでは明らかに先手を打っている。我々ユーザー側としては、ライセンス料を低く抑えてもらうことを願うばかりだ。
Windows 7では当たり前のように利用できる「exFAT」だが、そこにはMicrosoftの知財戦略が見え隠れしている
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