iPhoneがそれでもJailBreakできる理由
AppleはなぜJailBreakを完全に殺してしまわないのだろうか? また、どうして世の中からJailBreakが無くならないのだろうか?
任意のアプリをインストール可能にする、iPhone/iPod touchの「JailBreak」。ファームウェアアップデートのたび、いよいよ利用できなくなるのではと巷間噂されるが、筆者は楽観的に考えている。
理由の1つは、開発者サイドの事情。App Storeで公開するには審査が必要で、それなりの時間がかかる。審査基準はハッキリせず、おそらく米国(それすら正式には公開されていない)で集中管理されているため、なにかあれば必然的に英語でのやり取りとなる。しかも以前お伝えしたように、NDAの縛りがある現状では、GPL準拠のコードを使うこともできず、オープンソースソフトウェア開発に適した環境とは言い難い。よってモチベーション下がりまくり、という非営利ベースの開発者は少なくないはずだが、JailBreakを選択すればいくつかの困難からは開放される。
もう1つは、ユーザサイドの事情。たとえば、Googleカレンダーとの同期を可能にする「Nemus Sync」は、JailBreak済のiPhone / iPod touchでなければ利用できない。このソフトは、システムフォルダへの書き込み禁止というiPhone SDKの取り決めに違反するため、App Storeでは扱えず「野に下る」ことになったそうだが、面倒なJailBreakを決行してでも使いたいユーザは多いはず。
つまり、JailBreakは一種の「ガス抜き」として必要なのだ。開発コミュニティのしらけモード突入を回避したいAppleにとって、JailBreakの道を完全に閉ざすことは益がない(歓迎はしないだろうが)。セキュリティの問題は別途講じるとして、Mac OS Xにおける「X11.app」(X Window Systemの実行環境)のような関係に変化し、堂々と共存できるようになればいいのだが……
Googleカレンダーとの同期を可能にする「Nemus Sync」。JailBreakしたiPhone/iPod touchでなければインストールできない
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