iPhone 3Gを考える:WWDCの会場から黒船iPhoneが拓く世界を見る
米国の大手通信会社の思惑と、iPhoneが引き起こしたビジネスインパクトを考察する――iPhone 3Gの可能性を探る緊急連載 第2回に寄稿してくれたのは米国シリコンバレー在住のジャーナリストで、今回のWWDCを取材したYoichi Yamshita氏だ。
第1世代iPhoneを使ってみて
第1世代のiPhoneを使ってきた1年間を振り返ると、ベータ版というイメージをぬぐい去れない。
発売直後にいきなり大幅値下げ。個人的には、突然SIMカードが認識されなくなったり、一時的に着信音が鳴らなくなったりと細かなトラブルの連続だった。それでも買ったことを後悔させない唯一無二の魅力を備えていたし、アップデートを経るごとにソフトウエアやサービスは着実に改善された。
WWDC初日の開場を待つ長蛇の列(撮影/Yoichi Yamashita)
iPhoneは日本でもビジネスインパクトを引き起こすか
3年ほど前に米国の大手通信会社の人から、米国の携帯電話のデータサービスは企業ユーザーにターゲットを絞って価格が設定されているという話を聞いた。サービス品質を安定させるために、一般ユーザーがなだれ込まない価格にしているというのだ。
実際、米国ではデータサービスが一般ユーザーには縁遠いニッチなサービスだった。そこにiPhoneが登場し、一般ユーザー向けのパケット定額サービスを浸透させた。
しかしこれは遅いEDGE方式だった。iPhoneに対する不満は、そのまま通信キャリアを直撃し、今ではどこも懸命に3G世代以降のサービス拡充に努めている。
過去に音楽や映画産業を変えたのと同様、Appleは1つの製品で米国の携帯電話産業のビジネスモデルを変えてしまった。それもiPhoneが米国で評価されているポイントである。だから今、iPhone 3Gに対する期待も大きい。
翻って日本市場は通信速度、パケット定額サービスなどで、世界の先頭を切っている。そのため、米国のようにiPhoneが市場を開拓・けん引するようなインパクトは期待できない。今年のWWDCに集まった欧米の開発者の素直なはしゃぎっぷりに、温度差を感じる人も多いと思う。
ただ、これをチャンスと捉えるのも考え方だ。あちら(米国市場)には成長し始めたばかりのでっかい市場が開けている。iPhone 3Gが日本市場でどのように受け止められるかは正直フタを開けてみないと分からないが、間違いなく世界への扉は開いてくれる。
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