iPhone 3Gを考える:Exchange対応が物語るiPhone 3Gの方向性
6月10日未明のiPhone 3G発表を機に、builderではiPhone 3Gの可能性を探る緊急連載を開始する。初陣を飾るのはアップルを長く見つめつづけている海上忍氏だ。
iPhone 3Gの「OS Xとしての機能」
通話、音楽、インターネット。この3つの要素がiPhone 3Gのコア機能であることは異論を待たないはず。しかし、ここに収まらない要素こそ、iPhone 3Gを魅力あるものにしているに違いない。
その1つは、独自の開発環境を備えること。これまで日本の携帯電話向けにアプリケーションを開発する場合、実質的にJava(iアプリ、S!アプリ)かC/C++(BREW)かの二者択一を迫られていたが、新たにObjective-Cベースの開発環境が提供されることになる。しかもそれが、Mac OS Xで実績を積んだCocoa APIをベースに、マルチタッチインターフェイスという独特の操作性をサポートしたものであることは、ブレイクスルーを期待しないほうが無理というものだろう。
iPhone OS――この名称が正式なものかどうかは不明――がOS Xの機能を絞り込んだUNIXベースのものであることもポイントだ。さすがにサーバとしての機能は期待されないだろうが、各種APIが充実しているだけに、グループウェアや共有サービスに接続するクライアント機能が早々に充実する可能性は高い。
iPhone 3G(提供:Apple)
「Exchange対応」が物語るiPhone 3Gの方向性
そのクライアント機能の充実を裏付ける要素が、Microsoft ExchangeとCisco IPSec VPNのサポートだ。前者はWindows Mobile端末と競合したときの説得材料になるだろうし、後者はセキュアな通信環境(さらにWPA2 Enterprise/802.1Xもサポート)の前提となる。エンタープライズ指向であることは、iPhone 3Gが持つもう1つの顔といえる。
以上の要素を総合すると、iPhone 3Gが「OS Xのおいしいところを濃縮 / 昇華させた携帯デバイス」であることは間違いない。ただし、携帯電話として捉えたときの諸条件――初期費用や料金プラン、筐体デザイン――を、日本のユーザが(長期的に)好意を持って受け入れてくれるかどうかはわからない。DoCoMoやauとの競争もある。まずは7月以降の販売動向に注目だ。
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