マイクロソフトのUX戦略:優れたユーザー体験とはなにか
マイクロソフトが2007 Office systemであえてユーザーインタフェースを変更したのは、Office 2003に対してユーザーから寄せられた機能改善、追加要望の7〜8割が、すでに実装されている機能だったからだ。つまり、実装された機能にユーザーがたどり着けないという問題を抱えているということだ。
慣れから一旦脱却しなくてはならないデメリットを持ちつつも、より多くの機能にアクセスしやすくするというユーザーエクスペリエンスを、新しいユーザーインタフェースによって提供した例となる。
継ぎ足しで作られてきたユーザーインタフェースには「慣れ」というメリットもあるが、デメリットも大きかった
UIプラットフォームとしてのWPFとSilverlight
鈴木祐巳氏
続いて、同社が提供するUIプラットフォーム「WPF」と「Silverlight」が紹介された。
WPFはWindows Vistaで採用された画面処理技術。Windows 2から脈々と受け継がれてきたGDIのAPIを使った描画を一新するもので、ハードウェアのアクセラレーションを活用している点や、ベクターベースのレンダリングエンジン、さまざまなメディアに対して共通のアクセス方法を持つことなどが特徴だ。
また、Silverlightは2007年9月にリリースされたクロスプラットフォームのブラウザプラグイン。HD画質のビデオ配信などのメディア機能にフォーカスしているほか、ランタイムに「ボタン」「カレンダー」などさまざまなコントロールを「機能」として搭載しており、よりデザインにフォーカスしたアプリケーション開発を可能とする。
同社ではこれらの他にも様々なクライアント技術を提供し、デザインと開発のプロセスをサポートしているという。
Silverlightありきではダメ
だが同氏は「Silverlightを使って何かをやりたい、という考えは間違っている」と言い切る。ある技術によって実現可能な機能を実装することが、適切な開発であるとは限らない。テクノロジーの名前が前に来てしまうと、本当にやりたいことから離れてしまう場合があるからだ。
同氏は、「ユーザーが何をしたいのかに合わせて、最適な技術をピックアップしてほしい」と述べ、改めて「ユーザー中心設計」の意義を提示した。
「ユーザー中心」に考えた目的のために、適切な技術を選択することが重要となる
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