iBooks Authorのファイルフォーマット「IBA」を知る
米国時間の1月19日、Appleは新しい電子ブックビューアアプリ「iBooks 2」と、電子書籍制作プラットフォーム「iBooks Author」を発表した。概要はCNET Japanの記事(iBooks 2、iBooks Author)を参照していただくとして、ここでは新しいファイルフォーマット「IBA」に注目してみたい。
その前に、そもそものiBooks Authorの立ち位置を理解しておきたい。ヘルプの文書によれば、iBooks Authorは「iPad向けのメディアリッチでインタラクティブなブックを作成するためのOS Xアプリケーション」であり、教育関連イベントで発表されたことからもうかがえるように、デジタル教科書を意識したものだ。
独自のオーサリングツールの投入は、従来からiBook Storeの電子ブックフォーマットにEPUBを採用すると明言していた事実に照らせば、方針転換とも受け取られかねない。しかし、iPad専用であること、現時点での提携先企業が教育系出版社に限定されていることを踏まえると、雑誌のようなマス媒体をもターゲットにするとは考えにくい。
iBooks Authorでは、オーサリングしたファイルを拡張子「.iba」の新しいフォーマットで保存する(ほかにPDFとプレインテキストを選択できる)。おもな素材はプレインテキストと画像、KeynoteなどApple製品で制作したオブジェクトだが、ワープロ文書(PagesとWord)をインポートすることもできる。
IBAファイルは、拡張子こそ「.iba」だが、実体はZIPアーカイブであり、拡張子を「.zip」に変更すれば容易に内容物を確認できる。おおまかにいうと、本文やレイアウトに関する情報を収録している「index.xml」と、JPEGやTIFFといった画像ファイル、カラープロファイル、QuickLook用サムネイル(PDF)が主な内容だ。
index.xmlを流し読みしたところ、OS XおよびiOSに依存した機能が多く含まれていた。たとえば曲線を描画する「NSBezierPath」や、データ格納用オブジェクトの「NSArray」など、Cocoa APIを使用していると推測できる部分が多数ある。少なくとも、IBAがEPUBのようなオープン性を持たないことは確かだろう。
ただし、iTunes Producerで公開する「iTunes Storeパッケージ」として書き出すと、コンテンツはiBooksファイル(*.ibooks)に変換される。IBAは、その作業用ファイルと理解してよさそうだ。
iBooksファイルは、かんたんにいえば「独自拡張を加えたEPUB」で、一般的なEPUBビューアではレイアウトが崩れてしまうが、構造を見るかぎり(基本的には)EPUB 2に準拠しているものと思われる。こちらについては、またの機会に解説したい。
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