特集:builder的Lionのみどころ--サンドボックス、SMB、irb
SMBにしてSambaにあらず……GPLv3の影響か
システム環境設定「共有」ペインからたどれるサーバ機能も、Lionでさり気なく変更されている。ただしその変更の裏側には、セキュリティという難題に対するAppleの考え方が見え隠れしている。
具体的には、Windowsネットワークとのファイル共有に使われてきた「Samba」が消えた。OS Xでは、Jaguar(10.2)のとき以来SMB/CIFSクライアントサーバとしてSambaを採用し続けてきたが、Lionからは同等の機能を備える互換品にリプレイスされているのだ。Darwin 11のソースコードリポジトリを調べても、Snow Leopardに収録されていたSamba(235.7)が確認できない。/usr/sbin/smbdはあるが、別物だ。
これは推測だが、Sambaが互換品にリプレイスされた理由は「GPLv3」だろう。GPLv3はDRMに使用した秘密鍵の公開を義務付けており、前ページで述べたサンドボックス化のためにシステム領域のバイナリが署名されているOS Xはこれに該当、バージョン3.2からGPLv3へ移行したSambaの収録は困難になる。
それに、Jaguar(v10.2)以降Sambaを採用し続けてきたOS Xが、敢えて他のオープンソース実装へ乗り換える積極的な理由も見つからない。
互換品だけに、機能がすべて同じというわけではない。Sambaに同梱されているsmbcquotasやsmbspoolといったコマンドは消え、/usr/libexec/sambaディレクトリ以下のコマンド群も、/usr/bin/trueのシンボリックリンクに変わってしまった。/etc/smb.confもなければ、/usr/lib/sambaもない。
一方、システム環境設定の「共有」ペインの使い方は従来どおり変わらず、マウントするとき(SMBクライアントとしての動作)もFreeBSD由来のsmbfs(smbfs.fs)を使うため、Windowsとの間でファイル共有するという目的は支障なく達成できる。ただ、サンドボックス化の恩恵の一方ではこのようなこともある、という事実は知っておいたほうがいいだろう。
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