「はしご」から「格子」へ--現代的な成功のあり方
翻訳校正:石橋啓一郎
かつて、企業人は脇目もふらずに出世の階段を上ることこそが成功であると考えた。しかし、価値観は変わってきている。
企業における出世のはしごというものはなくなろうとしているのかもしれない。今では、キャリアの成功は以前とは違う形で計られ、違う形で達成されるようになっている。
以前は、昇進とは「企業のはしご(corporate ladder)を上ること」と定義されていた。このはしごは平社員から始まり、執行部の何らかの地位で終わっていた。この「はしご」の比喩は肯定的なものではなく、上の者は1つ下にいる者の手の指を踏みつけて立っているというイメージを思わせるものだった。私は、一途にそのはしごを上り詰めようとすることで、多くの人がチャンスを失ってきたと考えている。トップに到達するという勲章だけのために、もっと充実していたものになったかもしれない選択肢を見ることを忘れていたのではないだろうか。
私はまた、多くの人が自分の成功を最高経営責任者(CEO)にどれだけ近づけたかということだけで計っていることを知っている。彼らのゴールは、CEOの地位に居続けるためのスキルを伸ばすことなしに、その地位になるべく早く近づくことだという場合もある。
「はしご」で示唆される出世の方法をたどると、時代遅れになりがちでもある。すでに、ソーシャルエンジニアリングのためのサイトは、古くさい「大物とのコネクション」よりも有効なものとして利用され始めている。人々がLinkedInを使っているのは、企業のより重要な地位にいる人々とつながるためだけではない。彼らは対等の立場の人々や、新入社員たちともつながろうとしている。
Deloitte L.L.Pのバイスチェアウーマン兼最高人事責任者であるCathy Benko氏は、私がこれから頼りにしたいと思う新たな言葉を作り出した。「企業の格子(corporate lattice)」という言葉だ。New York Timesの記事の中で、Benko氏はこの考え方を次のように説明している。
われわれのやり方は、組織とそこに属する人々が、キャリアの4つの側面におけるトレードオフについて、選択肢を知り、判断をし、合意をするための枠組みだ。この4つの側面とはペース、仕事の負荷、勤務地・スケジュール、そして役割だ。この枠組みは、雇用者と被雇用者の両方にとって価値を作り出すためのものだ。この枠組みは、労働者の優先順位は時とともに変わるということを認めている。本質的に、この考え方は企業の「はしご」を「格子」に置き換えるものであり、適応性と長期的な観点を後押しするものだ。
ある意味では、成功そのものが再定義されている。今は、成功が給料と肩書きだけで計られた1950年代ではない。今では、成功は拘束時間の柔軟さや、手当、自律性などで定義される。企業の格子の考え方は、盲信的な野心にどんな影響を与えるだろうか。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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