SOA陣営とマッシュアップ陣営の間に緊張高まる

文:Joe McKendrick
翻訳校正:石橋啓一郎
2008/06/02 08:00

SOAの支持者とマッシュアップの支持者の間で一部対立が生じている。どちらもサービスを組み合わせて新たなアプリケーションを構築するものだが、技術にも支持者層にも大きな違いがあるのは事実だ。両陣営の対立の様子はどうなっているだろうか。

 マッシュアップへの期待、つまりビジネスユーザーが組み立てることのできる軽快なフロントエンドアプリケーションへの期待は、SOAに新たな希望の持てる側面を付け加えた。

 マッシュアップ市場は勢いを増しているようだ。Dion Hinchcliffe氏はさまざまな業界で矢継ぎ早にすすむのマッシュアップの採用についてレポートしている。Hinchcliffe氏は、最近のWeb 2.0カンファレンスで少なくとも9件のウェブベースのマッシュアップについて発表があった述べている。

 しかし、一部のSOA純粋主義者は、マッシュアップは依然としてエンタープライズSOA環境で利用するには管理が困難すぎると主張している。また、今ではWeb 2.0陣営の観点からも、SOAマッシュアップに有害だという主張があるようだ。

 Dave Linthicumは新しい記事で、一部のWeb 2.0支持者はSOAマッシュアップの世界に持ち込むべきではないと考えていると指摘している。楽しみを台無しにしてしまうというのだ。彼は「マッシュアップという言葉をSOAという言葉で汚して欲しくない」という声まで聞いたという。Daveの観察では、「そのメッセージの中心は、彼らはSOAを『エンタープライズ的』なものと見ているということであり、マッシュアップははるかに革新的で、企業とはあまり関係がないということだ」という。なるほど。

 Daveと私が1月に開催されたOpen Groupの懇談会に参加した時、彼はマッシュアップはサービス指向アーキテクチャのまったく正当な一部分だと考えていると述べた。マッシュアップ支持者のSOAに対する抵抗について触れながら、Daveは双方が歩み寄る必要があると話した。

 私はその意見に必ずしも賛成できない。確かにマッシュアップは多くの利用可能なリソースから、視覚的あるいは非視覚的な、非常にクールなアプリケーションを構築する革新的な方法ではあるが、それでもコンポジットアプリケーションであることは確かだ。マッシュアップは完全にウェブベースであることは理解しているが、ウェブ上のリソースと企業内リソースの組み合わせの例は増えてきており、本物の「エンタープライズマッシュアップ」と呼ぶべきマッシュアップも増えてきている。

 マッシュアップが企業向け市場でも地歩を確保しつつあることは疑いない。しかしそれに伴って、両陣営の支持者の間で一定の緊張が高まってきており、これはDaveも気付いている通りだ。Tony Baerはこれを、「SOAマッシュアップの間には、一種の愛憎が入り交じった関係がある」と表現している。SOAは複雑なものであると考えられている一方、マッシュアップは機敏な対応への簡単な近道だと見られている。「そんな面倒な『アーキテクチャ』など考えなくても、互いのウェブオブジェクトの上にウェブオブジェクトを作ることができる」ということだ。

 Tonyは一部の人たちが信じていることとは反して、マッシュアップSOAのコンポジットアプリケーションの代替にも、競合の対象にもならないと考えている。彼は「そのアプローチは、企業の統合においてSOAマッシュアップのどちらか一方を取ることではなく、統合の最後の一歩でマッシュアップを使い、それによってデータサービス、フィード、あるいは大抵の場合ウェブサービスやRESTfulサービスとして提供されているその他の資源を利用するという形だ」と述べている。

 私から付け加えたいことは、マッシュアップの簡単さと軽さは、SOAのコンセプトを企業に売り込むのを簡単にするだろうということだ。今なら、サービス指向の感触を見て取ることができるからだ。これはもはや抽象的なアーキテクチャ概念ではない。実際に自前のサービスを作り出すことができるのだ。(ここで、よいガバナンスが重要になる。--企業ユーザーは自前のサービスの味を覚えて熱狂するだろうということが分からないだろうか?)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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