アップルのiPhoneが、1981年発売のIBM PCと似ている理由
翻訳校正:村上雅章・野崎裕子
iPhone向けの公式のソフトウェア開発環境が発表されたものの、ある面において1981年発売のIBM PCと非常によく似たものとなっている。この点について、記者がiPhoneの今後を見据えて考察する。
iPhoneはどこに向かっていくのか?
iPhoneは発売当初、サードパーティの開発者にとって煮ても焼いても食えないコンシューマー機器であった。しかしその後Appleは、気が変わったのか、はたまた極秘のマスタープランをほんの少しだけ変更したのか、公式のソフトウェア開発環境を発表した--そしてエンタープライズ向けの能力をアピールし始めたのだった。これによって、たいていのものをほぼ自由に開発できるようになったという意味では正しい方向に向かっているが、1点例外がある。それは、開発したものをバックグラウンドタスクとして実行させることができないという点だ。つまり、ソフトウェアは画面上で実行するか、まったく実行できないかのいずれかしかないのある。
こういった制約下での開発は、過去数十年にわたって誰も取り組む必要のなかったことである。特に携帯電話については、この種の制約を課さないことが当たり前となっている。詰まるところ、スマートフォンというものは、その商品としての性格上、さまざまなことを同時行えるようになっていなければならないのだ。スマートフォンでは、音楽再生中にかかってきた電話を受けることができる。また、ウェブを閲覧しながらインスタントメッセージをやり取りすることもできる。さらに、カレンダー機能が搭載されており、電子メールの同期化も行えるのだ。
しかしiPhoneの場合、Apple独自のソフトウェアを使用しない限り、こういったことができないのだ。
Appleの信奉者に言わせると、この制限にはそれなりの根拠があるのだという。曰く、大量のアプリケーションが勝手にネットワークや電話を使用するといった無秩序な状況(そうなるとバッテリはすぐに使い果たされることになるし、メモリやCPUといったその他のリソースも無尽蔵にあるわけではない)を許すということは、ユーザーに必要以上のアプリケーションを実行させる機会を与え、結果的にひどいエクスペリエンスをもたらしてしまうことになるのだ。また、iPhoneのユーザーインタフェースが持つ制約によって、ユーザは独立して動作する数多くのアプリケーションとのやり取りを安全に行うことができないのである。さらに、常駐プログラムの組み合わせが増加するたびに、意図せぬやり取りや信頼性を損なう現象が引き起こされないということを確認するテストが困難になっていくということもあるのかもしれない。要するに、iPhoneはコンピュータというよりもiPodのようなもの--つまり情報家電なのだ。ユーザーと開発者はこういった事実を受け入れ、意識を改革する必要があるというわけだ。
こういった意見にはそれなりの説得力がある。しかし間違っているのだ。
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