Mozilla新組織「Mozilla Messaging」のCEOが語るThunderbirdの未来
翻訳校正:吉武稔夫、長谷睦
Mozilla Foundationは「Mozilla Thunderbird」の開発に取り組む子会社Mozilla Messagingの設立を発表した。新会社のCEOは、「Thunderbird 3.0」を2008年末までにリリースすると明かしたほか、将来の展望についても語った。
Mozilla Foundationは米国時間2月19日、オープンソースのメールクライアント「Mozilla Thunderbird」の開発に取り組む新たな完全子会社、Mozilla Messagingの設立を発表し、今後の目標を初めて明らかにした。
新会社の最高経営責任者(CEO)に就任したDavid Ascher氏によると、次期メールクライアント「Mozilla Thunderbird 3.0」では、検索機能を拡充するとともに、カレンダー拡張機能「Lightning」を正式に統合するという。正式版は2008年末までのリリースを予定しているが、新ソフトウェアのテストを希望する人に対しては、間もなくアルファ版をリリースするとのことだ。
Ascher氏は、「今後3カ月以内にパブリックリリースを公開できる見通しだ」と語った。
Mozillaの最もよく知られた成果は、ウェブブラウザ「Mozilla Firefox」の成功だ。FirefoxはMicrosoftが開発した「Internet Explorer」による寡占状態を揺るがし、これに刺激を受けたプログラマーたちによって数多くの拡張機能も作成されている。今回、Mozillaではメールクライアントでも同様の手法をとろうという考えだ。ウェブメールサービスを日常的に利用している人も増えたが、今でもメールクライアントは広く使用されており、一般的なコンピュータ利用シーンにThunderbirdが新たなオープンソースの足がかりを築く可能性はある。
Mozilla Messagingの優先課題はすぐれたソフトウェアを制作することであって、広く用いられているMicrosoftのメールクライアント「Outlook」を王座から追い落とすことではないが、新たに加わるカレンダー機能によって、特に企業向けの市場でThunderbirdの競争力が高まることになる。
今回、Mozilla関連の組織が3つに増えたことに混乱している読者もいるだろう。AOLに買収されたNetscape CommunicationsからMozillaプロジェクトがスピンオフしたのは1998年のことだが、それから現在に至る10年間のいきさつをよく知らないという人たちのために、ここで3つの組織の関係を整理しておこう。まず、プロジェクト全体を管理しているのが非営利団体のMozilla Foundationだ。Mozilla CorporationとMozilla Messagingはその営利子会社として、それぞれウェブブラウザとメールクライアントの開発プロジェクトを運営している。
Mozilla MessagingはAscher氏のほかに、2名の取締役を任命した。1人はMozilla LabsのゼネラルマネージャであるChris Beard氏、もう1人はオープンソースのデータベースソフトウェア開発会社、MySQLのCEOを務めるMarten Mickos氏だ。MySQLと言えば、先ごろ10億ドルでSun Microsystemsに買収されることが決まったばかりだ。Ascher氏によれば、会社が成長すれば取締役の数も増やしていくという。
現在、同社の従業員は5、6名しかいないが、社外にも協力者がいるそうだ。たとえば、Mozilla CorporationでFirefoxを開発しているエンジニアたちや、専任でLightningの開発にあたっているSun Microsystemsの従業員、「Eudora」からThunderbirdへのコード移植作業を担当しているQUALCOMMのプログラマーなどだ。Ascher氏は「数十人の開発者と数百人のテスターならすぐに集められる」と語った。
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