Matzに聞いてみた:効率の良い開発についてどうお考えでしょう?
Ruby開発者であるまつもとゆきひろ氏は、企業における情報システム開発の現状を見て、「ソフト開発の効率性向上はのっぴきならない問題になっている」と分析する。
まつもと氏に言わせると、トラディショナルな開発から新しいエンタープライズ開発への移行は、ある意味で必然と言えるようだ。というのは、「オーバーヘッドの大きい開発ができるというのは、余裕があったからであって、今はその余裕がどんどん減ってきているから」(まつもと氏)、新しいエンタープライズ開発に移行せざるを得ないというのである。
そうした状況があるからこそ、新しいエンタープライズ開発への移行という流れは、「それまでのやり方ではダメだという現実が大きくなってきたことを認識してさえいればいいんだと思っています」と、まつもと氏はその必要性を語っている。
開発の効率性向上が求められている
「官公庁系の大きなプロジェクトでは、トラディショナルな開発が残るだろう」と語るまつもと氏だが、同氏はRubyに興味を持つ地方自治体に招かれて講演を行っている。そのまつもと氏から見て、現在の地方自治体が「Rubyに関心を持っているとは思うが、新しいエンタープライズ開発に移行しているかどうかははっきりとは分かりません」としている。
しかし、地方自治体に対しても、新しいエンタープライズ開発への移行という流れは不可避のものとなっていると、まつもと氏は見ている。「地方自治体は余裕がなくなってきている。税収はどんどん下がってきているし、人口も減ってきている。つまり、かなり“危機感”を持ってきている」からだ。
これまでは、地方自治体は国から下りてくる地方交付税交付金などで余裕があり、そこからITベンダーに料金を払ってシステムを作ってもらえば、それで良かった。しかし、税収の低減、人口の減少という事実が見えるにつれ、「今無駄遣いをしたら、未来食っていけない」という危機感を持つようになっているのである。
「そうした危機感があると、生産性を上げる、開発費用を安くする、ターンアラウンドタイムを早くするということに興味を持ち始めていることは確かです。実際にアクションを取れるかどうかは場所によって違うと思いますが」
「ウェブだったり財政事情だったり、さまざまな事情がある」(まつもと氏)ものの、地方自治体のシステムは余裕のない開発が増えてきているのである。そうした現場では、「ソフトウェア開発の効率性向上がのっぴきならない問題になってきている」(同氏)のである。その解決策の一つとして、まつもと氏は「Rubyは最適」と主張しているのである。
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