Matzに聞いてみた:効率の良い開発についてどうお考えでしょう?
Ruby開発者であるまつもとゆきひろ氏は、企業における情報システム開発の現状を見て、「ソフト開発の効率性向上はのっぴきならない問題になっている」と分析する。
曖昧になる技術の境界線
ウェブエンジニアを取り巻く状況は混沌としている。まずは知っておかなければ行けない分野が飛躍的に増えている。HTMLやCSS、JavaScriptはもちろん、ときにはRubyまでもやらなければいけない、さらにはデータベース(DB)のことも知っておかなければならない、といった具合だ。
さらには、どこからどこまでをどの技術でやるべきかという見極めも難しい。たとえば、Ajaxアプリケーションを作る際、JavaScriptを使ってフロント側で処理するのか、バックエンドでRubyで処理するのか、あるいはどこまでをバックエンドで処理すべきなのか。どこからどこまでをJavaScriptですればいいのか。そうした技術の境界は、どこにあると見るべきなのか。ウェブ開発の分野では、技術の境界が曖昧になっているのである。
この“曖昧になる技術の境界”に対して、Ruby開発者であるまつもとゆきひろ氏は「アプリケーションフレームワークに規定されてくるのでは」という見方をしている。
境界線が崩れてきた
「開発で楽をしたいと思うのならば、アプリケーションフレームワークがデフォルトで提供する境界線があって、それを触っている間は、楽ができるというところで落ち着いていくんではないでしょうか」
具体的には、たとえばRuby on Rails(Rails)であれば、Ajax応答用のJavaScriptを生成する仕組みである「RJS」を活用すれば、Rubyを書いていればRubyのプログラムになったり、あるいはJavaScriptが勝手に生成されたりといった具合だ。
曖昧になる技術の境界線は、ウェブ開発でのエンジニアとデザイナーとの境界線も曖昧にしつつあることもまつもと氏は指摘している。
「ウェブが進むにつれて、一時期あったデザイナーとエンジニアの境界線は崩れてきたという傾向は確かに感じますね。今は実際に、デザイナーの人たちがプログラミングも結構できてきているという感じがしますから」
つまりは、自分はJavaプログラマーだ、あるいはPHPプログラマーだといった境界線も崩れつつあるという傾向が見られるということなのだ。
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