David Iが語るCodeGear新製品、3rdRailとApplication Factories
David Iが3rdRailのRoR対応と、JBuilderの未来を語った。
ボーランドのCodeGear事業本部は12日、開発者向けの技術イベント「第8回CodeGearデベロッパーキャンプ」を開催した。このイベントに合わせて行われたメディアラウンドテーブルにおいて、”David I”の愛称で知られるDavid Intersimone(デビッド・インターシモーネ)氏が、同社の提供する統合開発環境3rdRailと、JBuilderの新機能であるApplication Factoriesについて説明した。
インターシモーネはCodeGearにおいてCodeGearデベロッパーリレーションズ担当副社長兼チーフエヴァンジェリストを務めている。
Ruby on Rails開発を統合的にサポートする3rdRail
3rdRailは昨年5月のRailsConf 2007においてRedDiamondというコードネームで初めて公開され、9月17日に正式リリースされたRuby on Railsアプリケーション向けの統合開発環境。主に次のような特徴を持っている。
- ウィザードやコード補完、リファクタリング、ナビゲーション、デバッガ等を備えた統合開発環境
- 従来のRuby on Rails開発の主流であったコマンドライン環境が統合されており、状況に応じて使い分けられる
- 依存性の視覚化とナビゲーションによって、全てのリソースへシームレスにアクセスすることが可能
- Ruby、Railsはもとより、Gemsやデータベースなどの必要となる機能が全て同梱されている
- ドキュメントや技術サポートが完備されているほか、デベロッパーネットワークへのアクセスも可能
同製品は、四半期に1度のアップデートが可能なサブスクリプション形式で提供されている。現在は英語版のみの提供だが、2008年中に日本語版のリリースが計画されており、まもなくフィールドテストプログラムを開始する予定だ。
CodeGearではアプリケーション開発の分野を大きく、コンパイルド・コード、マネージド・コード、動的言語の3つに分け、それぞれに対して統合された開発環境を提供してきた。そのうち動的言語についてはPHPとJavaScriptを積極的にサポートしてきたが、3rdRailの登場によってそこにRubyが加わることとなる。Intersimone氏は、CodeGearがRoRを選択した理由を次のように説明している。
「まず第一に、Ruby on RailsがWebアプリケーションの迅速な開発を実現できる非常に優れたテクノロジーだからです。第二に、現場の開発者やメディアの方々の注目度が高く、近い将来のスタンダードになると評価されているからです。そして、Ruby on Railsをサポートして欲しいという顧客の声が強かったことも大きな理由です」
同氏はまた、市場においてRoRに対するニーズが急速に増加している点を指摘している。Javaや.NETはインフラとなる大規模なアプリケーションを構築する上で非常に重要だが、半面、開発コストの削減や開発期間の短縮といった要求を満たすことは難しい。それに対してRailsは、REST/Ajaxを活用した動的なWeb 2.0アプリケーションを、素早く簡単に構築することを可能にした。
Intersimone氏によれば、「2007年から2008年にかけてのRuby on Railsの動向としては、まだ小さな会社や大企業の一部門といった規模での、いわばアーリーアダプターによる導入に留まっている。しかし今後1〜1.5年の間に品質の保証や管理機能が向上し、エンタープライズアプリケーション構築の主流となっていく」とのことだ。
「CodeGearには、様々なツールを通じてエンタープライズの分野にJavaを浸透させてきた実績があります。そのノウハウを活用し、企業でのRoRの普及を促進していきます。3rdRailはその中心的な役割を果たす製品です」(Intersimone氏)
Java開発のあり方を改革するApplication Factories
Intersimone氏は、Java統合開発環境JBuilderの将来バージョンで搭載される新機能、Application Factoriesについても紹介した。同氏は現在のJavaアプリケーション開発の現状について、フレームワークやライブラリ、コード、JSRによる標準仕様などが膨大な数にのぼり、何を使ったらいいのか判断できなくなっていると指摘。それに加えて他の開発者の動向を把握しづらいため開発者の増員に大きなコストを伴う点、品質やパフォーマンスの保証が困難な点などが、大きなジレンマとしてのしかかっていると語っている。
この現状を打破するため、CodeGearが新たに投入するソリューションがApplication Factoriesだ。Application Factoriesでは、アプリケーションの主要機能やコンポーネントをモジュールとして抽出し、コンテキストやその意図などの「アプリケーションメタデータ」を付加して管理する。これによって、開発環境の中にコードの意図やノウハウを蓄積していくことになる。
従来の開発環境では、まず使用するフレームワークを決め、それに合わせた開発を行う構造になっているため、完成するアプリケーションは初期の段階で決めたフレームワークに依存してしまう。それに対してApplication Factoriesではアプリケーションの機能を中心とした開発を行うことができるため、フレームワークに対する依存を最小限に抑えることができるという。したがって開発者は、どのフレームワークやライブラリを使うかではなく、どんな機能を実現したいかという点に注力した開発を行うことが可能になる。
この機能は今年前半でのリリースが予定されている次期JBuilder(コードネームBonanza)において実装されるという。最初のターゲットはJBuilderを利用したJavaアプリケーション開発になるが、将来的には他の言語による開発にも導入していきたいとIntersimone氏は語っている。
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