ウェブ制作者が仲間を求める時に気をつけたいこと
獲得したスキルにしがみつく
自分の得意なテイストだけを作り続けるデザイナ。クライアントから「ターゲットは若い女性です」と言われてもなお、自分の得意なサイバー系のデザインを作ってしまう。表現の幅は狭まる一方で、やがては得意な「若い男性向けのサイト」も流行遅れになってしまう。
いわゆる「テーブルコーディング」を覚えてしまって、それなりに仕事がこなせてしまっているマークアップエンジニア。CSSを活用した「CSSコーディング」ができないままに、今、手が届く仕事だけをこなしてしまっている場合も多く、やがては時流から取り残されていってしまう。
苦労して習得したPerlの知識におぼれ、PHPやRubyなどの新しい言語を習得しようとせず、新しいプログラム開発スタイルが身につかないプログラマ。逆にPerlを否定し続け、Perlの新しい可能性に気づけないプログラマ。
ウェブ業界に限らず、この世の中はなにかに固執してしまうと、周りが見えなくなってしまう。常に新しいことに目を向け、自分に足りないものを求め続け、向上し続ける気持ちがあれば、スキルが若干足りなくても、あっという間に埋めることができる。
向上心と謙虚な気持ちを持ち続けられること。これが重要な要素であると言える。
プログラマ vs デザイナ?
もう一つ重要なことは「異業種を理解しているか」である。デザイナはプログラマを、プログラマはデザイナを「理解」しようとしているかということだ。
特に筆者も「プログラマ」という肩書きを持っている身として、デザイナを理解するのはなかなかに難しいことだと考えている。デザイナにとって「1ピクセルのずれ」というのは、それによって作品すべてが崩れるほどに重要な要素という。しかし、プログラマにとってはそのようなことは「どうでもよく」、動作が正常に終わるか、動作速度は十分かといったことの方が気になるものだ。
また、ディレクターにとってはユーザーに使いやすいサイトにするために、エラーメッセージの内容は分かりやすく、分かりやすい場所に掲載したいものだ。しかし、プログラマにとっては、いかに応用の利きやすいプログラムにできるかこそ美学であり、その為にエラーメッセージが「入力エラーです」といった意味の分からない言葉になってしまっても、あまり気にならないのである。
この意識の違いが、特に異業種の仲間にお願いする時に悩みの種となる。
最もよく聞くのは、デザイナがプログラマに仕事をお願いする時に、「こちらのお願いをなかなか聞いてくれない」とか、「何を言っても反論されてしまい思うように仕事が進まない」といった悩みだ。
最終的には、お互いのうまい妥協点を見つけるしかないのだが、その時に大切なのが先の「相手を理解できるか」である。より美しいサイト、分かりやすいサイトを作りたいというデザイナの思い、より効率よく、信頼性の高いプログラムを作りたいというプログラマの希望。このバランスをお互いに理解し合って、着地点を見極められるかが重要なポイントである。
「プログラミングにしか興味がありません」というプログラマや、「プログラムは私にはさっぱり分かりません」といったデザイナは、うまくお付き合いをすれば非常に高いスキルレベルを発揮するかも知れない。しかし、特に自分が異業種の場合、お付き合いするのはなかなか難しいのである。
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